すでにご存知の通り、日本郵政(証券コード:6178)の株式売出(PO:Public Offering)が行われることになりました。
その売り出し規模は最大で約1.4兆円にもなると報じられています。
CMとか新聞広告とかも出してるみたいですね。
日本郵政株売り出し:個人投資家に照準、TV広告開始へhttps://t.co/teQwO8HEzO pic.twitter.com/H4IhwWP0aY
— ブルームバーグニュース日本語版 (@BloombergJapan) 2017年9月10日
日本郵政株式会社|政府保有株式第2次売出しのご案内(リンク切れ)
株式の売り出しで広告出すってのも「さすがw」って感じがしますね。
というわけで、本記事では日本郵政株式の特徴やPOを買うかどうか、などを考えます。
Contents
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日本郵政株式(証券コード:6178)の基本情報
証券コード | 6178 |
最近の株価 | 1株1,373円 |
売買単位 | 100株 |
最低投資額 | 137,300円 |
権利確定月 | 3月・9月 |
株主優待(2016年実績) | × |
配当金(2016年実績) | ○ |
どこで買う? | 証券会社を通じて買います。インターネット証券でもOK |
元本保証? | いいえ、元本は保証されません。 |
情報は2017年9月12日現在。
権利確定月である3月末、9月末までに株式を買うと、配当金を貰う権利を獲得できます。
「権利確定月(権利確定日)」の詳細は「権利確定日って何?」と思ったら知っておきたいことをご覧ください。
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「権利確定日って何?」と思ったら知っておきたいこと
株主優待や配当金を目的とする投資ならば、絶対に知っておきたい権利確定日。 あなたはもうご存知ですか。 もし、いつ株を買えば株主優待をもらえるのか知りたいと思ってるなら、権利確定日のことは要チェックです …
日本郵政株式は高配当株式!
日本郵政株式には株主優待はありませんが、比較的高額な配当金を出している銘柄です。
2016年の実績では、
- 3月に1株あたり25円(売買単位である100株で2,500円)
- 9月にも1株あたり25円(100株で2,500円)
の、合計50円(100株で5,000円)の配当を出しています。
2017年9月12日現在の株価で計算すると、利回りは3.64%です。日経平均株価を構成する225銘柄の平均利回りが1.6%前後であることから、日本郵政株式が高配当銘柄であることが分かります。
なお、配当金目的の投資なら、日産自動車などを買うことで、さらに高利回りを見込めます。
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日産自動車(7201)株式は10万円台で購入できる高配当株だった!
日産検索サイトより 日経マネー8月号を買ったのですが、その中に連勝投資家が狙う注目100銘柄という特別付録がついていました。 その中の高配当株の1社として挙がっていたのが、日産自動車の株式(証券コード …
日本郵政は持ち株会社。将来の成長見通しは?
さて、それでは株を買うかどうかの話。
2017年現在で東証には、
- 日本郵政
- ゆうちょ銀行(7182)
- かんぽ生命(7181)
の3社が上場しています。
3社の関係は、日本郵政が個人投資家向けの説明資料(2017年時点で公表のもの)に記載している下記の図が分かりやすいです。
日本郵政自体は持ち株会社で、日本郵便(非上場)の100%の株式と、残り2つの金融機関株式の大部分を保有しています。
ただし、利益の多くは日本郵便以外の2社に依存しています。下記も個人投資家向け資料(2017年時点で公表のもの)から引用します。
2017年3月期の通期見通し(2016年5月公表)によると、3社の経常利益見通しは
- 日本郵便:270億円
- ゆうちょ銀行:4,200億円
- かんぽ生命:3,100億円
と、経常利益の多くはゆうちょ銀行とかんぽ生命の2金融機関に依存しています。
なお、先に紹介した図に示されているように、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の株式保有比率は段階的に減らす方針で決められています。
このような状況について、ZUU Onlineでは以下のように述べられています。
日本郵政には成長ストーリーにも足かせが多い。日本郵政の主要連結子会社は、郵便事業を手掛け100%保有する未上場の日本郵便と、上場金融子会社2社であるゆうちょ銀 <7182> 、かんぽ生命 <7181> と豪州のトールHDだ。金融子会社2社に対する郵政の持ち株比率はゆうちょ銀74%、かんぽ生命89%だ。
今後は両社とも50%をめどに株式売却を進めていく。したがって将来的には、現在赤字の日本郵便と減損を計上したトールの連結決算でのウェートが上がっていくので、将来の成長ストーリーが描きにくい。
日本郵政株の追加売却が決定 個人投資家は何に注意すれば良い? | ZUU Online
要するに現状のままだと、将来は儲かる見通しがない(ほぼイコール株価が下落する)といったところでしょうか。
ちなみにトールHDとは、2015年に日本郵政が買収した、オーストラリアの国際輸送物流会社です。
業績が悪く、決算の足を引っ張っているために、今回の追加売却を7月から9月までずらしたとも言われています。
日本郵政を巡っては豪物流子会社トール・ホールディングスの業績悪化が響いて17年3月期に07年の郵政民営化以来初めての最終赤字に転落。一時浮上した不動産大手の野村不動産ホールディングスの買収計画も白紙になるなど先行きに不透明感を与える材料が続いており、当初予定していた7月の追加売却を延期していた。
郵政株、9月中にも最大1.4兆円を追加売却 | 日本経済新聞
短期的には株価が下落する可能性が高い?
一方、短期的には日本郵政の株価は追加売り出しによって下落する可能性があります。
単純に、買い手よりも売り手が多い、つまり需給のバランスが崩れるためです。
日本郵便のPOサイトによると、
- 国内における引受人の買取引受けによる売出し/731,150,100株(約7.31億株)
- 国内における売出人及び主幹事会社による追加売出し/60,929,200株(約0.6億株)
とありますが、2017年9月13日の日本郵政の出来高は約1,500万株なので、出来高に対して売り出す株数は多い気がしますね。
もちろん、この全てが市場に出てくるわけではありませんが。
結局、日本郵政株は買いなの?
まとめると、
- 長期的な成長株としては買えない
- でも、あなたが「日本郵政が将来海外進出を進めて経営がうまくいく」可能性を信じるなら買う
となるかな、と思います。
もし筆者個人が買うならば、POの後に株価が下落すると予想して、本当に下落したら買うという方法を取ると思います。
ただ、そもそも今お金ないので、今回はスルーしますw
SGホールディングス上場のためにお金を残すのもあり
佐川急便の親会社であるSGホールディングスは2017年中に上場すると報じられています。
今年最大の大型上場!「佐川急便株」は買うべきか、見送るべきか | 週刊現代
あなたが運輸・物流の株を買いたいと考えているならば、そちらを狙うのもありですよね。
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まとめ
- 日本郵政は持ち株会社。現在の経営方針に基づくと、利益の乏しい日本郵便だけを抱え込む形になってしまう
- 配当金利回りは高い銘柄なので、そういった目的で割り切って買うのはあり
- PO後の株価下落に注意。個人的にはPOの後を狙ったほうが良い気もする
ちなみに配当金利回りで言えば、ゆうちょ銀行も3%台の高い利回りです。
成長性とかをあまり深く考慮せず、とりあえず配当目的で買うならゆうちょ銀行かな、と個人的には思います。
あなたはいかが感じるでしょうか。
日本郵政のPOに参加できる証券会社
- 大和証券株式会社
- 野村證券株式会社
- ゴールドマンサックス証券株式会社
- みずほ証券株式会社
- 三菱UFJモルガンスタンレー証券株式会社
その他、多数の証券会社にてPOに参加することができます。
SBI証券でもPOに参加できます(特別にIPOチャレンジポイントがつきます!)
筆者が利用するSBI証券でも、日本郵政のPOに参加可能です。
既上場銘柄ですので、SBI証券のIPOチャレンジポイントはつかないはずですが、今回はキャンペーン期間中につき、IPOチャレンジポイントの対象になります。
IPOチャレンジポイントは、次回以降の新規上場株(IPO)時の抽選を有利にするためのポイントです。
新規上場株は、公募価格以上の株価で初値がつくことも多いので、リターンの高い投資として、多くの個人投資家が利用されています。
ポイント付与の対象になるのは、
- POに当選して、実際にPO銘柄を購入した人
- POに補欠当選して、PO銘柄の購入意思を示した人(繰上当選含む)
です。
もしあなたが、日本郵政株を買おうと考えているなら、ぜひぜひSBI証券もチェックしてみてください!