損保ジャパン日本興亜アセットの個人型確定拠出年金(iDeCo)プランについて紹介してみたいと思います。
証券との名が付きますが、実際にはiDeCo専用のサービスに特化した会社です。
同社のグループには様々なアクティブファンドの運用で名前が知られている「損保ジャパン日本興亜アセットマネジメント」があります。
この関係性から、損保ジャパン日本興亜アセットの商品の多くは、損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントが組成・運用する商品です。
なかなか日常的に名前を聞くことはないでしょうが、何らかの折で損保ジャパン日本興亜アセットの名前を聞き、「実際どうなの?」と考えているあなたにこの記事をささげます。
なお、筆者のiDeCo運用は以下の記事で示すとおりです。
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【体験談】「つみたてNISA」と「個人型確定拠出年金(iDeCo)」。どう使い分けてる?
2018年1月現在、投資信託の積み立てを利用して資産形成に取り組める主な制度に、 つみたてNISA 個人型確定拠出年金(iDeCo) の2つがあります。 この2つ、「投資信託の積み立て」という点ではよ …
Contents
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取り扱い商品について
損保ジャパン日本興亜アセットで選択できる商品は、
- 元本確保型:1(傷害保険)
- 元本変動型:15(投資信託)
と、定期預金タイプが1つもないため、「無難な選択ができない」といった特徴があります。
「保険か投資信託を選べ」といった感じです。
しかも、元本変動型(投資信託)商品はすべてアクティブ運用と、「インデックスファンドの低コスト化競争」が行われている現在とは時代に逆行するような布陣です。
逆に「この時代によくぞこの商品組み合わせを」と関心すら覚えますw
「つみたてNISA」は金融庁管轄ですが、「iDeCo」は厚生労働省管轄なので、商品性のチェックまでは行われなかったようです。
運用商品について考える
正直なところ、積極的に損保ジャパン日本興亜アセットを選択する理由はないと筆者は考えていますが、それでも、
- 人付き合いで「加入しないか」と言われている、とか
- どうしてもグループに愛着を感じている、とか
そういった稀有なケースのために、どの運用商品を選ぶか考えてみたいと思います。
ターゲットイヤーファンドに丸投げ
まずはできるだけ手間をかけない方針で考えます。
その場合に利用できるのが「ターゲットイヤーファンド」です。
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年齢別の投資信託「ターゲットイヤーファンド」のメリットとデメリット
高齢者向けの投資信託とか若者向けの投資信託といった検索があるので、それに回答します。 あなたも自分の年齢にあった投資信託が販売されていたら、それを選びたくなっちゃいますよね。 「あなたの年齢ならこれが …
損保ジャパン日本興亜アセットのターゲットイヤーファンドは、
- SOMPO ターゲットイヤー・ファンド2035
- SOMPO ターゲットイヤー・ファンド2045
- SOMPO ターゲットイヤー・ファンド2055
の3種類があります。
これは、数字が「ターゲットイヤー」で、「その西暦以降は安定的な運用をするよ」といった仕組みです。
例えば、SOMPO ターゲットイヤー・ファンド2055は以下の通りで、時間が経つほど黄緑色の債券比率が増えていくのがわかると思います。
このような特徴から、ターゲットイヤーファンドは「現在の西暦(2018) + (あなたの引退予定の年齢 – あなたの年齢)」を計算し、もっとも数字が近いものを選ぶのが最適です。
例えば、
- 西暦:2018年
- あなたの年齢:40歳
- あなたの引退予定の年齢:65歳
ならば、「2018 + (65 – 40)」= 2043となり、もっとも近いものは「SOMPO ターゲットイヤー・ファンド2045」になります。
もっとも、65歳時点で債券を買わなければいけない、という合理的な理由はないのですが、「債券は低リスクでお金を失いにくい」とされているため、将来に向けて債券を増やしましょう、という話ですね。
あなたが「投資はよくわからないけど、損保ジャパン日本興亜アセットで何か買いたい」と仰るなら、これで良いのでは?と筆者は感じます。
もうちょっと運用らしいことをしたいならば
- SOMPO 日本株バリュー・プラスファンド
- SOMPO 外国株式アクティブバリューファンド
を1対3か1対4ぐらいの割合で保有するとかでしょうか。
それで日本とアメリカを含む先進国株式への分散投資を実現できます。
他にも債券などもありますが、全体的に高コスト体質な点が強く気になります。
投資の鉄則:手数料負担を減らすことを忘れてはいけない
「積極的に損保ジャパン日本興亜アセットを選択する理由はない」と筆者が考える理由は、同社のiDeCoプランで扱われる投資信託の運用コスト(信託報酬)が総じて高いものばかりだからです。
例えば、投信投資家が選ぶ「Fund of the year 2017」で選ばれた「楽天・全海外株式インデックスファンド」を利用すれば、わずか年0.2396%で全世界の株式に投資できます。
一方、損保ジャパン日本興亜アセットの「SOMPO 外国株式アクティブバリューファンド」は、世界の株式に投資するために年1.2204%のコストを必要とします。
この差は、単純に年利約1%(1.2204 – 0.2396 = 0.9809)の違いを生み出します。
銀行預金の金利変動や口座維持手数料にはものすごく関心が向くのに、この年利約1%の差を無視するのはおかしいですよね??
単純に100万円運用していたら、年間1万円の利益の差に繋がるのですから。
というあたりをしっかり考えていただいて、それでも損保ジャパン日本興亜アセットのプランを選択したいのでしたら、「どうぞお選びください」といったところです。
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まとめ
- 損保ジャパン日本興亜アセットのiDeCoプランは1つの傷害保険と15の投資信託。投資信託はいずれもアクティブファンドのみ
- 商品を選ぶなら、(個人的には)ターゲットイヤーファンド。あなた自身の年齢に適したものを選択し、あとは丸投げ
- 損保ジャパン日本興亜アセットの商品は手数料が高い商品ばかり。他のiDeCoプランを選んだほうが良い結果になる可能性
「それでも関心があれば」といったところです。
今って、逆に低コストな投資信託並べて、ネットで好意的に取り上げてもらったほうがお金を集めやすいので、こういう従来の手数料ビジネスみたいなやり方は正直残念です。