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Amazonレビュアーに指摘された、3000円投資生活の「8年で1000万円」のカラクリを解説する

8年間で1000万円とかうそでしょ3000円投資生活

今日は書籍「3000円投資生活」の話題です。この本では、とある夫妻が「8年間で1000万円」の資産を作った事例が冒頭で紹介されるところから始まります。

が、この具体的な方法は本文中では解説されておらず、Amazonのレビューでは、

そんな投資法で「8年で1,000万円」になる訳がない。詐欺のような内容です。

出典:はじめての人のための3000円投資生活 | Amazon

みたいなコメントもついています。

しかし、本書で提案する「インデックス投資」なら、運用を逆算することで、実際にどのような投資をしていたのか、ある程度計算することは可能です。

そこで、毎月いくら投資すれば「8年間で1000万円」になるのか、を求めたので紹介します。

最初に述べておくと、インデックス投資において、運用成果の大部分は投資額に依存します。そのため、8年で1000万円の資産を築いたということは、その資産を築けるだけの投資余力があった、との前提でご覧ください。

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世界経済インデックスファンドで1000万円作れるか

計算の前提条件

★こんな条件で計算してみました

  • 投資信託に8年間積み立てる
  • 投資先は世界経済インデックスファンドとする
  • 運用期間は2009年から2016年の間(書籍が発行されたのは2016年)
  • 途中での売買や積立額の変更などは考慮しない
  • 何日に積み立てたか、は考慮しない

世界経済インデックスファンドは2009年から運用がはじまった投資信託で、ちょうど書籍が発行された2016年までに8年間運用可能です。実際にこのファンドで1000万円にしたのかはわかりませんが、書籍中で世界経済インデックスファンドeMAXIS 8資産均等型を挙げているのですから、おそらく顧客にも勧めたと予想して、計算に利用します。

今回は世界経済インデックスファンドの2009年から2016年までの基準価額を使い、2009年時点の年初からいくら投資すれば2016年に1000万円を超えるかを求めました。

なお、リーマンショックの翌年である2009年は、日本を除いた多くの市場で相場が回復傾向にありました。そのため、本書のモデルになった夫妻は、相場がどん底からの回復過程という最良のタイミングで投資を開始できた可能性があります。

言い換えると、今から同じことをやっても、同じ成果になるとは限らない点はあしからず。

計算結果:1000万円を8年間で生み出すためには、毎月約8万円の積み立て!

3000円投資生活の「8年間で1000万円」を再現するには

出典:筆者作成

2009年の頭から、毎月約8万円を積み立てると、2016年終了時点で1000万円になります。

この計算において、

★投資した元本と運用で得た利益の内訳

  • 積み立てた元本部分:743万円
  • 運用で得た利益:257万円

と求まりました。

また、この期間の世界経済インデックスファンドの運用成績は年利約7.3%と、高い利回りを享受できています。

この結果から言えることは下記です。

★「8年間で1000万円」を実現するのはむずかしい!

  • 投資を始めた時期がすごくよかった
  • 夫妻の家計改善の結果、かなりの額を投資できた

年収200~300万円の人が「毎月3000円投資するだけで、オレの人生一発逆転できるのでは~!?」という夢物語は、やはり夢物語だったのです。

8年で1000万円築いた人たちってどんな家庭なの?

個人的にこの書籍のキモは「収入もありながら、出費も多い、典型的な中流家庭」が支出を見直したらお金を貯められたという話なのだと思います。

書籍中には事例として夫妻の年収や年齢などが掲載されています。これが「世帯年収730万円」と結構稼いでる部類なのです。

★共稼ぎでめっちゃ稼いでるじゃないか!

  • 男性(夫):年収550万円
  • 女性(妻):年収230万円
  • 長男:収入なし

世帯年収は730万円となかなかの稼ぎです。

参考までに、日本の平均世帯所得は545.8万円(2015年時点)です。

平成28年 国民生活基礎調査の概況 | 厚生労働省

所得は、収入から給与所得控除などを差し引いた額ですから、おそらく日本の平均世帯所得と同等か、それより少し高い程度の所得になると予想されます。

ただ、書籍にもあったように、最初は貯蓄ゼロからのスタートですから、収入もありながら、出費も多い、典型的な中流家庭なのでは、と予想できます。

8年間で1000万円の例に限らず、掲載されている事例では、

★みんな浪費してるから貯められないだけだった。。

  • みな、世帯年収が600万円以上
  • 5例中3例は共働き(5番目の事例は世帯年収1000万円以上)

と、結構稼いでいる事例ばかりです。

もし結婚している、あるいは結婚することを考えていて、かつ小金持ちになりたいと思うのであれば、もっともてっとり早い方法は、パートナーと共働きをしてお金を稼ぐことである。

共働きすれば、世帯収入は1.5倍から2倍に跳ね上がる。これは物理的に大変なインパクトである。事業や投資で「入り」を2倍にするというのはとてつもなく大変なことだ。だが2人が職を見つけるだけで、収入を2倍にできるわけであり、これは考えようによってはミラクルである。

出典:小金持ちになりたければ共働きは必須 | お金持ちの教科書

結局、「稼いでるけど今まで貯められなかった人が、家計を見直してちょっと投資したらそれなりの資産ができた」ってのが事実なんでしょう。それをあたかも3000円の投資で実現したかのように書くのはちょっと不誠実かもしれないですね。

以下の記事でも紹介したように、3000円の投資では11年間積み立てても100万円にすら届かないのですから。

3000円投資生活のデメリットの解説と克服する方法
「3000円投資生活」の話をしましょう。 3000円投資に限りませんが、「投資信託を積み立てて資産形成する」という話のデメリットに、投資家が考えているほどには簡単にお金が増えない点が挙げられます...

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まとめ

  • 8年間で1000万円を築くためには、2009年時点で世界経済インデックスファンドに毎月8万円投資すると実現できた
  • 2009年はリーマンショックによる世界恐慌からの立ち直り期であり、そもそも投資できたタイミングがよかった。2018年から同じ事を始めても成績はもっと低くなりそう
  • 書籍中の事例は実はみな稼いでいる中流家庭ばかり。特に共稼ぎの世帯が5例中3例を占めるなど、そもそも投資できる余力がある家庭だった

ちなみに実際の3000円の積立投資の経過は以下の記事をご覧ください。

【経過報告】3000円投資生活を楽天証券でやってみて2年が経ちました
投資信託を積み立てた時に、将来どういう成果になるのか(ぶっちゃけ、いくら儲かるのか)というのは関心を引くテーマです。実際は、ブログ主の運用成果を見てマネをしても、まったく同じ成果にはならないものの、自...
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「3000円投資生活」解説一覧。投資初心者に最適だよ!
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