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質問「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)と楽天全米株式とS&P500ではどれが良いですか」

投稿日:2018年5月11日 更新日:

ほとんど知られていませんが、このブログでは、今試験的にコメント欄を開放しております(下にめちゃくちゃスクロールするとあるよ)。

今回はそのコメントに対して、返信したく思います。

はじめまして。投資初心者でこれからつみたてNISAで「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」を毎月1万円、ボ-ナス月3万ずつ積み立て投資をしていこうかと検討しております。ただ、米国株にも惹かれており、「楽天全米株式」及び「S&P500」のファンドとも迷っております。自分では素人なのでリバランスに自信がなく、リバランスの必要がないバランスファンドに走りがちになっております。上記の3週類のファンドの中で積み立てNISAを行なうとしたら、どれを選択したら良いのでしょうか?お手数をお掛け致しますが、ご教示頂ければ幸いです。
https://blog.tacos-heaven.xyz/2017/07/14-4/#comment-1

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)と楽天・全米株式インデックス・ファンドとS&P500(ここでは、iFree S&P500インデックスとする)ではどれが良いですか?という話ですね。

各商品の紹介は以下の記事でそれぞれ行っております。

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3つの商品を比較しよう

そもそも商品性が良くわからないことには、どれが良いといいようがないので、3つの商品性を比較することにします。

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)とiFree S&P500インデックスの比較

リスクとリターン、1年間の損失見込み額を比較しよう

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)とS&P500の比較を行います。

8資産均等型 iFree S&P500
投資先 国内外の株式・債券・REIT 全米500銘柄
純資産
(2018/05/11)
114億円 44億円
信託報酬
(2018/05/11)
0.1728% 0.243%

個人投資家向けのデータベース「myINDEX」を使います。

myINDEX

myINDEXのデータベースから、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)とS&P500の、過去20年間のリスクとリターン、また年間で生じる可能性のある損失見込み額を比較しました。

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)のリスクとリターンは、myINDEXが提供する「資産配分ツール」を使って求めています。

また、運用で生じる最大損失見込み額は、「損失額 = 投資金額 ×(リターン / 100) – (2 × (リスク / 100))」で算出したもので、リーマンショックのような相場を経験したときに、1年間でどの程度損失を被るか、を計算したものです。

8資産均等型 iFree S&P500
リスク
(2018/05/11)
12.7% 18.5%
リターン
(2018/05/11)
6.1% 5.4%
損失見込み額
(投資額のx%)
19.3% 31.6%

よりリスクの高いS&P500は、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)よりも大損するかもしれないが、大儲けできるかもしれない、とお考えください。

例えば、質問者様が毎月1万円 + ボーナス月3万円(年2回)の積み立てを行った場合、10年目時点で72万円の積み立てになります。

仮に30万円の利益が乗り、評価額が102万円になった時点で、リーマンショックのような相場に遭遇した場合、

  • eMAXIS Slimバランス(8資産均等型):20万円の損失が生じて、評価額は80万円に
  • iFree S&P500インデックス:30万円の損失が生じて、評価額は70万円に

となります。

米国株は、最近バフェット太郎さんの本なんかも出てて、だいぶ人気が高まっていますが、金融危機時には大きな損失が出る可能性も視野に入れて投資すべきです。

楽天・全米株式インデックス・ファンドとiFree S&P500インデックスの比較

次に同じ米国株に投資を行う、楽天・全米株式インデックス・ファンドとiFree S&P500インデックスの比較を行います。

iFree S&P500 楽天全米
投資先 全米500銘柄 全米約4,000銘柄
純資産
(2018/05/11)
44億円 109億円
信託報酬
(2018/05/11)
0.243% 0.1696%

今回はバックテストツールを使い、2つの投資信託を類似する米国株ETFに置き換え、それをPortfolio Visualizerで比較する、といった流れで解説します。

Portfolio Visualizer(英語)

Portfolio Visualizerで、米国ETFを比較する

楽天・全米株式インデックス・ファンドとiFree S&P500インデックスの商品性は以下の通りです。

  • 楽天・全米株式インデックス・ファンド:バンガードのETF「VTI(Vanguard Total Stock Market ETF)」に投資する
  • iFree S&P500インデックス:S&P500の構成銘柄に投資するので、類似する米国ETFは「VOO(Vanguard 500 Index Fund)」

要するに、「楽天・全米株式インデックス・ファンドとiFree S&P500インデックスのどちらが良いか」は、米国株ETFであるVTIとVOOのどちらが良いか、に置き換えられます。

というわけで、Portfolio VisualizerでVTIとVOOを比較したものが以下です。

  • Portfolio 1 : VTI・・・$24,175
  • Portfolio 2 : VOO・・・$24,461

この結果は、2010年12月31日時点で10,000ドルを、それぞれVTIとVOOに投資すると、2018年現在でいくらになっているかを比較したものです。

ただ、ご覧の通り、目だった大差はなく、VOOのほうが若干高めな成績になりました。

この比較を踏まえ、投資信託を選ぶなら「楽天・全米株式インデックス・ファンド」

今回の本題は、VTIとVOOを選ぶのではなく、楽天・全米株式インデックス・ファンドとiFree S&P500インデックスのどちらを選ぶか、の問題です。

楽天・全米株式インデックス・ファンドとiFree S&P500インデックスのどちらを選んでも成績が似ている以上、両者のパフォーマンスに影響を与えるのは投資信託の信託報酬です。

両者の信託報酬を比較すると、楽天・全米株式インデックス・ファンドの信託報酬は0.0734%低いです・・・正直誤差みたいなものですがw

iFree S&P500 楽天全米
投資先 全米500銘柄 全米約4,000銘柄
純資産 44億円 109億円
信託報酬 0.243% 0.1696%

というわけで、楽天・全米株式インデックス・ファンドとiFree S&P500インデックスなら、楽天・全米株式インデックス・ファンドでも良いのでは?と筆者は考えます。

なお、楽天・全米株式インデックス・ファンドのほうが小型株も含むため、若干リスクとリターンは高めになるはずです。

株式の時価総額が小さい小型株は、大きい大型株よりも収益率が相対的に高くなりやすい傾向にあること。理論的に説明できない相場のアノマリー(経験則)の一種。小型株は市場での注目度が低いため割安に放置されやすく、また今後の利益成長が期待できる株として収益が得られやすいとされている。
出典:小型株効果(こがたかぶこうか) | 野村證券

つみたてNISAでリバランスする際の留意点

つみたてNISAでは、リバランスのために積み立てた投資信託を売却すると、その非課税枠は2度と復活しない、というデメリットがあります。

1度購入した投資信託は極力売らず、20年後まで運用し続けたほうが、将来期待できる税制メリットも大きくなります

そのため、筆者は、つみたてNISAではできるだけ大儲けできそうな1つの投資信託にお金を「全振り」し、つみたてNISA以外の金融資産でリスクのバランスを取るのも良いと考えています。

つみたてNISA口座では2つ以上の投資信託を持たない、ということを言いたいです。

例えば、

  • つみたてNISA口座:楽天・全米株式インデックス・ファンド
  • 安全資産:定期預金や個人向け国債

として、「やっぱ運用って怖いな」と思ったら、定期預金や個人向け国債の割り合いを増やす、といった考え方ですね。

この運用だと、さらに何か金融商品に投資したくなった場合に、「現金と全米株式以外から選ぶ」といった選択も取れます。

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)だと、逆に運用を拡大するときに扱いづらくなりうるんですよね。

なお、投資する金額と安全資産への振り分けは、以下の考え方が役立つと思います。

投資すれば、悪いときは1年で3分の1も損しますが、同じ確率で年に4割の利益が出て、平均すれば年5%の利益が出る、と考えます。投資するなら、まずそれを理解して納得すること。そして、投資する金額は、3分の1減っても自分が我慢できる金額で判断します。たとえば、損して我慢できるのは50万円が限界とすれば、投資できるのは150万円程度ですね。
出典:老後向けの投資は「3種類」で十分な理由 | President Online

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結果としてまとめると

楽天・全米株式インデックス・ファンドをご提案しますが、金融危機が発生した際に、どの程度まで損失を被るかは、投資前に把握なさっておいてください

目安としては1年間で投資額の30~40%程度です。

下記、投信アシストの「将来シミュレーション」に、上述のリスクとリターンの数値を入れて少し遊んでみてください。

投信アシスト | 野村アセットマネジメント

見込み損失額が大きい、怖いと感じるなら、

  • eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)を選ぶ
  • もしくは、つみたてNISAは楽天・全米株式インデックス・ファンドを運用しつつ、安全資産(定期預金や個人向け国債)も増やすことでリスクを補う

をご提案します。

将来、別の投資信託などを買ってみたいと考えるなら、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は選ばないほうが運用しやすいと思います。

注意点として、その積み立てたお金の使い道もご確認ください

老後資金や将来のための余裕資金ならいいのですが、「10年後に売って子供の大学の入学費にします」といった用途なら、少し悩みます。

3~5年後の近い将来に確実に必要になるお金ならば、つみたてNISAよりも積立定期預金などを選んだほうが正直安心です(相場は2~3年連続でマイナスになることもあるので)。

質問者様の最良の選択のために、少しでも役立ったなら幸いです。

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