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アセットアロケーションの効率的フロンティア。どこまでこだわる??

投稿日:2019年2月13日 更新日:

例えば、ちょっと詳しい投資本を読むと「効率的フロンティア」の話が出てきます。

投資家が選択可能なポートフォリオの資産配分のうち、投資家にとって最も有利と考えられる選択肢の集合。同じリターンではリスクが最小に、同じリスクではリターンが最大になるような組み合わせを結んだ線上で表現される。

出典:効率的フロンティア(こうりつてきふろんてぃあ) | 野村證券

このあたりの知識を得ると、「じゃあ、効率的フロンティア上に来るアセットアロケーションがベストなんだよね」と、いろいろ試行錯誤するはめになります。

しかし実際には、効率的フロンティアはあくまで過去のデータに基づいて算出されるものですから、どうしてもある程度の「適当さ」は持つことになるのです。

今回は、その「適当さでどの程度成績が変わるのか」が気になってみたので乱数で求めてみた、って話です。

だって、私たちが知りたいのは、リスクやリターンがいくら、というよりも、「じゃあいくら儲かるのか」「いくら損をするのか」だと思いますから。

というわけで、今回は、シーゲル教授の書籍「株式投資」の効率的フロンティアの図(10-2)を参考に、乱数シミュレーションを行ったという話です。

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前提:改めて効率的フロンティア(有効フロンティア)の説明をしよう

効率的フロンティア

効率的フロンティアについて理解しているなら、この話はすっ飛ばしてもらってOKです。

シーゲル教授の書籍「株式投資」を読んだことが無い場合にはお付き合いください。

効率的フロンティアとはリターンを最大化・リスクを最小化できる点の集合

書籍をお持ちでない方(筆者も持ってない)もいらっしゃるので、改めて前提条件の話をします。

投資家が選択可能なポートフォリオの資産配分のうち、投資家にとって最も有利と考えられる選択肢の集合。同じリターンではリスクが最小に、同じリスクではリターンが最大になるような組み合わせを結んだ線上で表現される。

出典:効率的フロンティア(こうりつてきふろんてぃあ) | 野村證券

何を言ってるんだか・・・って感じですが、例えば、米国株式や先進国株式、新興国株式などにどの割り合いで投資するか、って悩みますよね

その配分を決めるときに役に立つのが効率的フロンティアです。

今回は書籍「株式投資」の効率的フロンティアの図(10-2)をエクセルで再現してみました。

有効フロンティア

この図は、以下の条件で作図できます(相関係数は0.6)。

作図に用いたデータ
米国株 EAFE 無リスク資産
リターン
(除く無リスク資産)
12.207
7.207
13.641
8.641
5.0
リスク 17.100 21.928 0
シャープレシオ 0.42 0.39

※EAFEとはヨーロッパ、オーストラリア、極東(日本)の総称。やたらリターンが高く、現在の市況からは想像つかないですね。iシェアーズ MSCI EAFE ETF(EFA)という海外ETFを使えば投資できます。

相関係数は無次元量で、−1以上1以下の実数に値をとる。相関係数が正のとき確率変数には正の相関が、負のとき確率変数には負の相関があるという。また相関係数が0のとき確率変数は無相関であるという

出典:相関係数 | wikipedia

今回は2つのリスク資産(米株とEAFE株)からポートフォリオを作りますので、リスクとリターンの組み合わせは必ずこの曲線上のどこかに位置します

一方、通常は3つ以上のリスク資産を組み合わせることも多いですので、リスクとリターンの組み合わせはもっと複雑になります。

しかしそれでも、ある一定以上のリターンを得ることはできませんし、リスクを抑えるにしても限界が生じます。

そういったポイントを線で結んだものが「効率的フロンティア」です。

効率的フロンティアを追求すると何かいいことある?

運用効率(シャープレシオ)が高まりますので、元本割れの可能性が低くなり、より大儲けしやすくなります

過去の記事で、シャープレシオと元本割れの関係を紹介しました。

この図ではシャープレシオが高いほど、長期投資で元本割れしにくくなり、より投資家に有利な運用ができることを示します。

シャープレシオと元本割れ率(%)の関係

シャープレシオと元本割れ率(%)の関係
【モンテカルロ】投資信託のシャープレシオと元本割れ率の関係

今回は、投資信託のシャープレシオを見ただけで、将来の元本割れ率を簡単に想像できるようになろうという話です。 乱数で投資信託の将来成績を予測する「モンテカルロシミュレーション」を利用して、いくつかの条件 …

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投資にはリスク(価格の変動)が付き物で、価格変動が大きくなるほど、元本割れしやすく、将来手にする利益も少なくなります。

リスクとリターンから求まる投資信託の取りうる成績の分布
【モンテカルロ】価格変動リスク・運用年数と運用成果が「リスク無し複利」に達しない人の関係

以下の記事では、過半数の人がリスク無しの複利よりも低い運用成績になる可能性があることを紹介しました。 今回は運用年数と、価格の変動を表す「リスク」を変えることで、どういう変化があるのか知りたい、という …

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だから、できる限りリスクを抑え、リターンを高める(= 効率的フロンティアに近づける)ことで良い成果を期待しやすくなるのです。

効率的フロンティアに関心を持ちすぎると・・・

もっとも運用効率の良いポートフォリオはどれか」などと、めっちゃ細かく計算を始めてしまい、迷宮入りしてしまう、なんてことがよくあります。

しかし、効率的フロンティアは過去のデータで算出され、かつその結果は絶えず変動することから、一介の個人投資家がそれを常に計算し、アップデートし続けるのは困難です。

書籍「株式投資」で示された米国株とEAFE株。運用成績はどのくらい変わるのか

入力するデータと計算条件

では、ここから本題。

米国株とEAFE株、そしてもっとも効率的に運用できるポートフォリオ(効率的PF)の3つの違いは、将来の運用成績にどれほど影響するのかを乱数シミュレーションで求めてみます。

ここでは、各資産クラスから無リスク資産のリターンを引いた以下の条件で計算してみます。

3つのポートフォリオのリターン・リスク
米国株 EAFE 効率的PF(※)
リターン 7.21 8.64 7.75
リスク 17.10 21.93 16.96
シャープレシオ 0.42 0.39 0.46

※効率的フロンティア上でもっとも効率よく運用できるポートフォリオ

運用成績は正規分布するとの前提で、毎月1万円を20年間積立投資するものを仮定し、乱数にてシミュレーションします。

計算回数は1万回です。

結果:中央値ベースで46万円の差に

20年後の運用成績の比較
米国株 EAFE 効率的PF
積立元本 240万円 240万円 240万円
中央値
(実現利回り)
476万円
(6.3%)
522万円
(7.0%)
504万円
(6.7%)
平均値
(実現利回り)
541万円
(7.3%)
648万円
(8.8%)
575万円
(7.8%)
最頻値
個数
(実現利回り)
299万円
30個
(2.2%)
395万円
29個
(4.7%)
400万円
29個
(4.8%)
最大値 3,645万円 5,457万円 3,210万円
最低値 95万円 58万円 80万円
20年後
元本割れの確率
8.0% 11.0% 6.3%

これが計算結果。

中央値ベースで見ると±20万円程度の差になります。

また、元本割れ率で言えば、おおよそ5%程度の違いが生じます。

どこまで追求するか。どこまで妥協するか

感じ方は人それぞれでしょうが、効率的ポートフォリオを探すことで、将来の成績に±20万円の差が出るとしたら、結構な違いだと感じますね。

今回は株式同士の組み合わせだったので、これが株と債券のペアならもっと運用成績に影響するはずです(それは将来考えたい予定)。

ただし、冒頭でも述べたように、効率的なポートフォリオは時代とともに変わる可能性が高く、今最善の選択が、将来も最善である保障はありません。

加えて、効率的ポートフォリオは過去のデータから求まりますので、いつも時代を追いかける形になります。

故に、ある程度妥協した上でざっくり決めるのが良いと思います。

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まとめ

  • 効率的フロンティアのことを知ると、資産の組み合わせから、いかにリスクを抑えてリターンを高められるか、を考えることが可能になる
  • 書籍「株式投資」のデータを用いた場合、効率的ポートフォリオを探すことで、運用成績は±20万円程度の差が出そう
  • ある時期の効率的ポートフォリオは次の時期も効率的とは限らない。いつも変動することに注意

余談:株式の相関は高まっているらしい

書籍「株式投資の未来」によれば、米国と非米国市場のリターンの相関性が高まっていることが指摘されています。

例えば、JPモルガンのマーケット予想によれば、米国大型株式と日本大型株式の相関係数は0.8で、先進国株式とでは0.98です(先のグラフは0.6なので、現在はより高い相関性を持つようになったと言えます)。

J.P.モルガンの超長期マーケット予測 | JPモルガン

相関性が高まるほど、効率的フロンティアは直線的になり、リターンとリスクの単純な比例関係の図になります。

有効フロンティア

相関係数0.6よりも直線的でしょ?

おそらく相関が高まるほど、厳密に効率的ポートフォリオを求める必要性は薄れるんじゃないかと思います。

今回は2資産のみで話を進めたので、そのうち3資産以上の組み合わせについても考えてみたいです。

追記:効率的フロンティア上のアセットアロケーションを求めるツールを開発

その後、紆余曲折あって、効率的フロンティア上のアセットアロケーションを求められるツールを作ってしまいました。

効率的フロンティア上のアセットアロケーションを求めてみた

ツールを使って効率的フロンティアに近いアセットアロケーションを求めたところ、国内の株式・債券と先進国REIT、新興国株式というちょっと微妙な組み合わせのアセットアロケーションが求まりました。 真似をす …

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なんだかんだでやっぱり気になりますもんね。

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