結論から述べると、つみたてNISAで投資した投資信託は、元本以上の損失を抱えることはありません。どんなに大きな損失を抱えたとしても、「損失額 = 投資した元本」です。
ですが、実際には投資信託は価値がゼロになることもありません。
つまり、「損失額 = 投資した元本」になることもありません。その代わり、「投資したお金の半分の損を被った」といった損失はしばしば発生しますので、注意は必要です。
以下、詳しく見ていきましょう!
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つみたてNISAは投資元本以上の損失を抱えない
そもそも、つみたてNISAで投資する投資信託は、どんなに損失を抱えたとしても、投資した元本以上の損失を抱えることは絶対にありません(投資に絶対はありませんが、これだけは絶対ないと言えます)。
以下の記事で解説していますが、投資信託は「誰かからお金を借り入れて運用する商品」ではないからです。
★(参考)運用に失敗すると借金が生じる取引
- FX
- 先物・CFD(株価指数証拠金取引)
※「証拠金取引」との言葉が出てきたら、それは借金の生じうる取引です。
つみたてNISAは全損も絶対にありえない
現実的には、つみたてNISAで投資したお金の全額を失うこともありません。
というのも、つみたてNISA対象の投資信託の多くは、500社や1,000社を超える企業の株式を保有しており、全損するということはこれらの企業が一斉に倒産するのと同じだからです。最悪全面戦争とか発生すればゼロになるかもしれませんが、その時は投資信託云々より身を守ることが先だと思いますね(苦笑)
つまり、投資信託に投資してお金が減ったとしても、それは「投資したお金の100 – x%」の範囲内に収まるのです。言い換えると、どんなに損をしても、換金すればある程度のお金は返ってきます。
昔こんな検証をしていましたが、値下がりし続ける商品に投資しても、お金は残るんですよね。
ただ、投資したお金のいくらかを失うことはしばしばある
2018年末にはつみたてNISAをやめてしまった人もいるのでは?
残念ながら、投資したお金のいくらかを失うことはしばしばあります。
例えば、2018年末の株価の下落では、おおよそ投資額の10%が失われ、おそらくつみたてNISAデビューをした人たちの何%かはやめてしまったと予想できます。
今年最後の #つみたてNISA の報告。来年は良い年になりますよう(*´人`) pic.twitter.com/GQuFudjg1Y
— みらいあせっと@東北投信🇨🇦🌴🇹🇭 (@instockexnet) December 30, 2018
ちょうど、2019年の年明けぐらいにこんな記事書いてましたね。筆者はこのあともつみたてNISAを継続したわけですが、この損失を抱えたタイミングで運用をやめてしまうと、お金は減るし、悪い思い出は残るしで、結構悲惨です。
歴史上の相場を経験すると、もっと大きく減らすかもしれない
参考までに、リーマンショック時につみたてNISAがあれば、投資したお金は最大で約半分ぐらいになっていたかもしれません。1920年代の世界恐慌はもっと悲惨で、約80%のお金が失われます。
それでも、積み立てを継続していれば相場は戻ってくる
歴史上、いくつかの大暴落がありましたが、現在の株価はそれよりもはるかに高いところにあります(※)。つまり、一時的に損失を抱えても、途中でやめないで長く継続すれば、救われる可能性が高いんです。
個人的に、つみたてNISAのような積立投資では、一時的な損益に振り回されないほうが良いと思います。よく「証券口座を見ないほうがいい」と経験者が言うこともありますが、それは「売りたい・やめたい」という余計な感情を呼び起こさないためだと思います。
「どのくらい損を抱える可能性があるか」というリスク管理だけはしておいて、あとは放置するのも悪くないと思いますよ!参考までに、超ざっくりと言うと、個人的には以下のように考えています。
★つみたてNISAの投資信託の見込み損失額(リーマンショックと同等の場合)
- 株式のみで運用する投資信託:投資額の40~50%
- 株式と債券で運用するバランスファンド:投資額の30~40%
- 債券比率の高いバランスファンド:投資額の20~30%
具体的に自分の投資している商品がどうか知りたいときには、以下の記事を参考になさってください。
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まとめ
- つみたてNISAで借金はしない。つみたてNISAで投資したお金を全て失うこともない
- 投資したお金の一部を失う可能性はある。歴史上の相場では大きくお金が減ったこともあった
- しかし、長く継続することで、相場は戻ってくる。現在の株価は歴史上の大暴落よりもはるかに高いところにある点を忘れないで
個人的に、「投資したらいくら損失を抱える可能性があるか」だけは知っておいてほしいなと思います。投資をやめたくなる時って、「もっとダメになるんじゃないか」「もうやばいのではないか」と底知れぬ恐怖に襲われたときに、精神的に楽になりたくて、投信を売ってしまうんです。
だから、自分が何をしていて、どんなリスクを取っているのかは、常に把握するようにしてほしいなと個人的には思っています。
おまけ:イラストで説明するとこんな感じ
出典:筆者作成
出典:筆者作成