つみたてNISAの運用方法について「短期取引が多いのでは?」という話題がありました。2019年の株高時に売却していた人が結構いらっしゃるようです。
2019年に、前年につみたてNISA口座で購入した商品の売却が意外と大きかったことである。2018年のつみたてNISA口座の買付額が931億円のうち、2019年に158億円は売却されていた。
これについて、河童さんから「どのような利用方法にメリットがあるか周知させる必要がある」とのリプライをいただいたので、今回は「つみたてNISAは長期でやろうぜ」って話を改めて紹介します。
利用者の拡大に加えて、どういう利用の仕方にメリットが多いかも周知させていく必要がありますね。
世話が焼けるな、ではなくて、利用者数、運用資産額の拡大が全ての利用者のメリットにつながると思うのが正解です。
— 河童 (@KappaProject) July 28, 2020
途中で売らずに、長期で積み立てる理由は利益を最大化するためです。どうしても含み益が乗ってきたり、逆に相場が悪くなったりすると「売却して仕切り直したい」と思ったりするものです。
ですが、そういう相場の晴れの日と嵐の日に一喜一憂せず、売らずに継続し続けることが利益を最大化できる方法ですから、「もうちょっと長い目でやっていこうぜ」ということを伝えたいです。
[スポンサーリンク]
なぜ1年やそこらで売ってはいけないの?
つみたてNISAで積み立てた投資信託を1年やそこらで売ってしまうのはもったいないです。理由は、利益を最大化できないからです。
2019年の12月頃(ちょうど株価が高かった頃)にこんなことを紹介していました。
つみたてNISA利用者に多いと予想される毎月1万円の積み立てを、年利4%で20年間継続したときと、年利4%で2年ごとに利益確定したときの利益を比較します。
- 20年運用したとき:365万円(投資額240万円、利益125万円)
- 2年ごとに利益確定したとき:250万円(投資額240万円、利益10万円)
こまめに利益確定すると、ほとんど利益が伸びず、資産の大部分が自分自身の投資したお金になってしまいます。
つみたてNISAは将来の私たちの資産を作るための制度であって、来月のご飯代を稼ぐものではありません。わずかな利益が乗ったところで利益確定売りをしていては、将来の資産作りには程遠い結果しか得られないのです。
わたしたちがつみたてNISAで目指すのは100万円を超えるような利益ですよ!わずか数千円や数万円の少ないリターンではないんです。
相場的な理由もあって、最終的にどのくらい利益が乗るかは運用してみなければわからないところもあります。ですが、20年もやって、まったく儲からないってことも無いと思うんですよね。
商品変更も売らずに
もしも、別の商品に変更したくなった場合もやはり売らずに積み立てる商品だけを変更することをおすすめしたいです。
例えば日本株インデックスを積み立てる投資家が、米国株インデックスだけに積み立てしたくなったとします。この場合、日本株インデックスの積み立てを止め、米国株インデックスに積み立てることで、時間とともに日本株の比率は減り、米国株インデックスの比率が増えていくわけです。
つみたてNISAには商品を売却して変更するメリット(スイッチング)がありませんので、積み立てをやめた商品も最後まで持ち続ければよいんです。そうすれば20年後には結構増えているかもしれませんから。
って、2年前も同じこと書いてましたねw
個人的には、今持っているファンドを売却せずに、別のファンドに積み立て先を変更するのが良いと思います
売らずに継続していますよ!
最後に筆者のつみたてNISAの履歴も紹介しましょう。売却額のところに「0円」が並んでおり、今まで積み上げたものは1円たりも売却していません。
出典:筆者SBI証券口座
つみたてNISAで買ってるものは、早期償還などよほどのことが無い限り、売るつもりはないです。
[スポンサーリンク]
まとめ
- つみたてNISAは短期で売らない。短期で売ると利益がほとんど乗らず、資産が増えない
- 積み立てる商品を変更したい場合も、もともと買っていた商品は売らないほうが良い
- 実際、1円たりとも売却せずに積み立てを継続しています
冒頭で引用した記事でも以下のようなことが紹介されています。
実際に10年後や15年後には、基準価格が昨年よりも大きく上回り、昨年売却してしまった以上に利益が得られる可能性が高いと思われる。特に、つみたてNISAではいったん売却すると、その後の税制優遇がなくなってしまうことからも、定期的にコツコツ投資し、売却せずに長期で保有するという活用方法の方が結果的に資産形成の助けになるのではないだろうか。
余談:2019年に売ったのは正解だった??
ちなみに、この話をツイートしたところ「コロナがあって相場が崩れたので、その前に売ってよかった」という話も聞きました。しかし、2019年にコロナを予見して売ったのでなければ、それはただの「まぐれ」です。
運と実力を勘違いせずに、期待値を積み上げたいですね。