この記事では欧州株(ヨーロッパ株式)に投資できる商品について考えます。
例えば、先進国株式のインデックスファンドを購入すると、投資したお金の半分以上はアメリカ株式で運用されることになります。これは、米国株の時価総額が大きいことが原因ですが、「それって本当に世界分散投資って言えるの?」と思ったのです。
「じゃあ、アメリカと日本以外の先進国市場にももっと投資しようよ」
アメリカを除く先進国株に投資しようとすると、今のところ、海外ETFを使うことになるんですよね。わたしも米国除くファンドがほんのり欲しくなりました
— みらい@招財進寶 (@instockexnet) 2019年1月16日
というわけで、今回は欧州株への投資を少し考えてみます。今回は欧州株に投資できるファンドとして、主に以下の2つを挙げたいと思います。
★欧州株に投資できる主な投資信託
- SMT 欧州株配当貴族インデックスオープン
- フィデリティ・欧州株・ファンド(これはアクティブファンドでつみたてNISA対応)
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欧州株へ投資できる投資信託ってどのくらいあるの?
欧州へ投資できる投資信託は61本(SBI証券取り扱い本数)
2021年8月26日現在で、SBI証券で「欧州」を含む投資信託は61本あります(2019年には70本あったので減りましたね)。
★欧州資産に投資できる投資信託の本数
- 株式:12本
- 債券:40本
- REIT:2本
- バランスファンド:7本
このうち、欧州株に投資できるインデックスファンドは「SMT 欧州株配当貴族インデックスオープン」のみの一本です。また、「フィデリティ・欧州株・ファンド」はつみたてNISA対象ですので、とりあえずの選択肢としてはこのあたりが候補になるかと思います。
SMT 欧州株配当貴族インデックス・オープン | 三井住友トラストアセットマネジメント
ETFにも目を向けると
ETFにも目を向けると、もう少し選択肢が広がります。
★欧州株に投資できる主なETF
- 1385(UBS ETF ユーロ圏大型株50(ユーロ・ストックス50))
- 1386(UBS ETF 欧州株(MSCIヨーロッパ))
- 1387(UBS ETF ユーロ圏株(MSCI EMU))
- 1388(UBS ETF ユーロ圏小型株(MSCI EMU小型株))
- VGK(バンガードFTSEヨーロッパ株式)
- IEV(iシェアーズヨーロッパ株式)
ほかにも、サクソバンク証券を使えばヨーロッパ市場上場のETFを買えるので、もっといろんな商品を選べます。今回はSBI証券や楽天証券でも買えるものに留めました。
運用成績はいかに?
今回は、先に挙げたSMT 欧州株配当貴族インデックスオープンとフィデリティ・欧州株・ファンドのパフォーマンスを比較してみました。前者はどちらかと言えばバリュー寄り、後者はどちらかと言えばグロース寄りなので、運用成績も大きく差がついています。
2つのファンドの成績差は以下の通り。時期にもよりますが、ここまではフィデリティ・欧州株・ファンドが有利でした。なんとなくですが、米国債券金利との相関も見える気がしますね。
ちなみに下落率は以下の通り。
2020年3月の下落では、どちらかと言えば、SMT 欧州株配当貴族インデックスオープンが大きく下落し、その後の戻りも苦労しています。先ほども述べたように、配当貴族はどちらかと言えばバリュー寄り、フィデリティのファンドはどちらかと言えばグロース寄りなので、オールドエコノミーの銘柄が多いSMT 欧州株配当貴族インデックスオープンがより大きな影響を受けたのかと考えられます。
どちらの投資信託を選ぶか?
というわけで、選ぶポイントはバリュー(SMT 欧州株配当貴族インデックスオープン)を選ぶか、グロース(フィデリティ・欧州株・ファンド)を選ぶか、って形になるかと思います。
インデックスファンドの投資信託はSMT 欧州株配当貴族インデックスオープンしかないので、インデックス運用を期待するならVGKやIEVを買ったほうが良い気がします。
「欧州株配当貴族インデックスオープン」投資上の留意点
「SMT 欧州株配当貴族インデックスオープン」の詳細は別記事で解説したいと思いますが、このファンドは純資産が5億円程度しかない(マザーファンドも同じ)点が長期投資のリスクになります。
加えて、三井住友トラストアセットマネジメントのファンドの乱発は将来の早期償還の可能性を暗示させます(お金が集まらない→運用方針みなおしまーす)。
長期投資なら「フィデリティ欧州株ファンド」も悪くない
フィデリティ欧州株ファンドはつみたてNISA対象ファンドで純資産も多いので、おそらく今後19年間は継続して運用される可能性が高いです。2021年8月時点で運用成績はIEV(iシェアーズヨーロッパETF)を上回っており、なかなか優秀な商品に見えます。
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まとめ
- つみたてNISAで投資できるような先進国株式ファンドに投資すると、その多くのお金がアメリカ株式で運用される。地域分散性を重視するなら、欧州株ファンドなども買ってみよう
- 投資信託を利用して欧州株式に投資するなら、フィデリティ欧州株ファンドやSMT 欧州株配当貴族インデックスオープンなどがある
- フィデリティ欧州株ファンドもSMT 欧州株配当貴族インデックスオープンも構成銘柄は少なめ。前者はつみたてNISA対象
余談:欧州株を直接買うには?
ちなみに欧州と米国の両方に上場している銘柄であれば、米国株を買うことで欧州株のポートフォリオを作ることもできます。例えば、BPとかSAPとかは米国にも上場していますね。
もっと本格的にやるならサクソバンク証券に口座を開設すればいいです。そうすればドイツ市場を始め、欧州株や欧州上場のETFを直接売買できるようになります。
詳しくは以下の公式サイトをご覧になってください。