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「SOMPO123 先進国株式」の魅力について語ってみたい

3. 商品選択と組み合わせ




今回は異色のアクティブファンド「SOMPO123 先進国株式」について語ってみたく思います。知ってます?

SOMPO123 先進国株式 | SOMPOアセットマネジメント
SOMPOアセットマネジメントは、投資信託の設定・運用、投資顧問業務を行うSOMPOグループの資産運用会社です。“お客さまの資産形成への貢献”を第一とし、品質の高い資産運用サービスを提供します。

最初に結論をまとめるとこんな感じ。

★記事の要点

  • SOMPO123 先進国株式は先進国株式のうち、良質の株式を123銘柄ほど集めたアクティブファンド。おそらくMSCIコクサイインデックス連動の先進国株式ファンドに似せている
  • 良質の株式だけを集めると、MSCIコクサイインデックス連動の先進国株式ファンドに比べて、下落相場に強く、上昇相場に弱い特徴を持つ(クオリティファクターの要素を持つ)
  • 信託報酬は0.077%と低いが、保管費用などは高め。今後の低下に期待

というわけで、詳しい話に興味を持ったら以下ご覧ください。

最初に事の経緯から紹介しますね。

記事にまとめたくなった事の経緯

先日、Twitterで「アクティブファンドのファンドマネージャー(FM)は手間暇かけてがんばってる」というツイートがプチバズってました。

この上記ツイートにはいろいろ言いたい事がある(笑)のですけど、今回の本題から外れるので、頑張ってスルーしますね。

そのツイートに対してついたコメントの1つが以下です。

インデックスファンドからDXとか構造レベルでダメな子外した「インデックス・マイナス」ファンド作る方が強うそうなんだけど…誰かためしてないんかな

ここでふと思い出したのが、「SOMPO123 先進国株式」というアクティブファンドです。「そういえば、SOMPO123 先進国株式は疑似インデックスファンドだったなぁ。ちょっと面白い試みをやってる商品なので、記事に書きたいなぁ」と思ったのです。

「SOMPO123 先進国株式」の特徴

ダメな子を外した「インデックス・マイナス・ファンド」

ツイート主のニュアンスに近いかはわかりませんが、「SOMPO123 先進国株式」は先進国株式のうち、良質の株式を123銘柄ほど集めたアクティブファンドです。公式サイトの画像を紹介しましょう。

出典:SOMPO123 先進国株式の運用プロセス

「日本を除く先進国株式」とは、いわゆるMSCIコクサイインデックス対象の銘柄のこと。そこから信用格付けが低い(≒ 経営に不安定さがある)企業を取り除き、おおよそ123銘柄でポートフォリオを作ります。

SOMPO123 先進国株式の銘柄の組入比率は(おそらく)時価総額を基準に決められているはずです。というのも、上位構成銘柄には、先進国株式インデックス等でもよく見る企業が並んでいます。

出典:SOMPO123 先進国株式の上位10銘柄 ※2023年1月時点

ここまでの内容をざっくり言えば、SOMPO123 先進国株式は

先進国株式インデックスからダメな子を外した疑似インデックスファンド

なんですよね。

普通のアクティブファンドは独自の観点で銘柄を選び、ポートフォリオを作ることが多いです(そして、それがすごいことなのだ、と最初のツイートは述べていますね)。

しかし、SOMPO123 先進国株式はそこまでアクティブな運用はしていません。上位構成銘柄が先進国株式インデックスと似ているということは、運用成績も同じような成績になりうるからです。あくまで、SOMPO123 先進国株式は先進国株式インデックスに似せながら運用することを目的としているようです。

なぜ、こんな運用をしているのだろう?

指数のベンダー(MSCIやS&Pなど)に支払う手数料が、信託報酬引き下げの障害の1つになっているから、と考えられています。

この参考事例が、少し前に話題になった「Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)(トレカン)」にあります。この投資信託、信託報酬が0.05775%台とめっちゃ低いものの、指数のベンダーに支払う手数料が含まれていないという点で話題になりました。

指数のライセンス料が信託報酬に含まれていない。これによってその他コストが膨らむと思うが、その意図と開示方法、目安はどうか。

有賀氏 日本に上場しているETF(上場投資信託)では、ほぼ全社、信託報酬の外に指数のライセンス料を乗せている。また公募投資信託でも、複数の会社がこの形でやっている。当社でも、現在は大半がその形だ。

ネット専用「Tracersオールカントリー」は実質コスト最安を目ざすのか? 日興AMに聞く
競合eMAXIS Slimオールカントリーの、約半分の信託報酬が話題の「Tracersオールカントリー」の設定が始まった。日興アセットマネジメントは、なぜここまで低コストな投信を投入するのか。同社の商品開発部長兼ETFビジネス開発部長の有賀潤一郎氏に聞いた。

この話は以前の三菱UFJ国際投信のブロガーミーティングでも出ていました。この手数料は無視できない金額らしいのです。

そこで、その抜け道を探すといくつかの方法が出てきます。1つはトレカンのように、信託報酬には含めない方法。また、他の方法として、SOMPO123のように、表向きはアクティブファンドとして設定し、疑似インデックスファンドとして運用する方法

そのおかげか、SOMPO123 先進国株式の特徴の1つは信託報酬が0.077%と、eMAXIS slim 先進国株式インデックスなどよりも低めで、だいぶ魅力的な水準です。

運用成績は「下落相場で勝ち、上昇相場で負ける」

理屈はどうあれ、一番大切なのは運用成績ですね!

最初に「アクティブファンドのファンドマネージャー(FM)はがんばってる」ツイートにも「運用成績で語れ」とのコメントがついてましたし。

個人的には以下の図が全てを語ってると思ってます。

出典:2022年下記の運用状況 | SOMPO123 先進国株式

この図は、SOMPO123 先進国株式がMSCIコクサイインデックス(先進国株式インデックス)に対して「下落相場で強く、上昇相場で弱い」傾向を示しています。

「信用格付けが低い(≒ 経営に不安定さがある)企業を除外する」やり方で銘柄を選ぶと、いわゆるクオリティファクター的な運用成果になるようです。

クオリティ投資は、自己資本利益率などから財務健全性や収益安定性が高いと判断されるクオリティ株を選好する投資であり、株式市場全体の上昇時にはできるだけ追随しながらも、大きな下落時には下落を抑える

株式のグロース投資とクオリティ投資(野村リサーチの資産運用の視点)
野村證券が提供する投資情報 FINTOS!(フィントス!)「株式のグロース投資とクオリティ投資(野村リサーチの資産運用の視点)」のページです。

実際、ファンドのリスク(リターンの振れ幅)は16.79%で、参考指数(MSCIコクサイインデックス)の19.11%を下回ります。またリターン/リスク比も参考指数より改善しています。

ちなみに、公式サイトでは親切にも、期間別にパフォーマンスを比較したグラフも用意してくれています。これを見ると、株価下落のタイミングではSOMPO123 先進国株式がMSCIコクサイインデックス(先進国株式インデックス)を上回りやすく、株価上昇のタイミングではSOMPO123 先進国株式がMSCIコクサイインデックス(先進国株式インデックス)を下回りやすいとわかります。

出典:2022年下記の運用状況 | SOMPO123 先進国株式

このような特徴から、SOMPO123 先進国株式は低ボラティリティ戦略なんかと相性の良い商品かもしれません。

ボラティリティ(価格変動リスク)が低く価格変動の振れ幅が小さくなるようポートフォリオを組み、下落リスクを抑えながら高い投資効果を目指す運用戦略。米国株や日本株など、ある株式市場を母集団にして複数銘柄でのポートフォリオを組んだ場合、ポートフォリオの過去の価格変動リスク(=分散)が小さいほど、その後のリターンが大きくなり市場平均のリターンをも上回る場合が少なくないとする最小分散投資の考え方に基づいた手法

低ボラティリティ運用|証券用語解説集|野村證券
野村證券の証券用語解説集「低ボラティリティ運用」のページ。新聞やニュースなどでも使われる証券用語をわかりやすく解説しています。キーワード検索やよくチェックされている用語もご覧いただけます。

実際に市場平均を上回れるかは手数料次第でもありますが・・・、最後にその手数料の話を見ていきましょう。

記事を書くのが疲れてきたのですぐ終わりますw

実際に生じたコストを見てみると

SOMPO123 先進国株式のコストは0.507%と結構高めです。これはファンド1年目の費用なのでしょうがない部分もあり、続報待ちかなと思います。

出典:運用報告書(全体版) | SOMPO123 先進国株式

保管費用がめっちゃ高いので、いくつかのファンドを参考に見たところ、1~2年目に高くなる場合は時々あるようです。一般的なインデックスファンドと異なり、新設のファンドだったので、しょうがないところですね。次回以降に低くなることに期待です。

まとめと向いてる人

  • SOMPO123 先進国株式は先進国株式のうち、良質の株式を123銘柄ほど集めたアクティブファンド。おそらくMSCIコクサイインデックス連動の先進国株式ファンドに似せている
  • 良質の株式だけを集めると、MSCIコクサイインデックス連動の先進国株式ファンドに比べて、下落相場に強く、上昇相場に弱い特徴を持つ(クオリティファクターの要素を持つ)
  • 信託報酬は0.077%と低いが、保管費用などは高め。今後の低下に期待

「下落に強い」という特性から、株式で運用しつつも大きな損は避けたい方に向いています(実際にはアセットアロケーションベースで考えた方が損失は軽減しやすいのですけども)。

また、スマートベータやファクター投資が好きだったり、市場平均を超える方法があると考える方にも向いています(そう、筆者のように!)。

個人的には結構魅力的に思うんですが、なかなか買う機会がなく。。。

おそらく新NISAにも入ってくるでしょうから、応援程度で買うのは悪くないかなーとは思ってる商品です。貴重なクオリティファクター系の投資信託ですから。

それにしても、こういう面白商品がもっともっと出てくるといいですね!目の付け所が面白くて、みんなに知って欲しいなぁと思ったので記事にまとめたくなったのでした。