乱数に基づく資産形成シミュレータに改造したので公開します。
本記事をご覧になり、このシミュレータを使えば、
- 老後にいくら必要なのか、という老後資金の超概算
- 年利いくらで毎月積み立てれば、老後資金は準備できるか
- 具体的にはどんな商品への積み立てが考えられるか
がざっくりわかるようにしてあります。
でも、このシミュレータは超概算であり、あなたの将来を保障するものではないので、数値は参考程度にご利用ください。
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老後資金概算と資産形成のシミュレータ
計算結果はここに表示
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※この計算機はかなり簡易的なものですので、結果を鵜呑みにしないでください(計算上、100%老後資金を充足できたとしても、明日金融危機が来たら、苦しい計画になるはずです)。
将来に向けた資産形成計画はかなり保守的な計画を立て、それよりうまくいったら「ラッキー」程度に考えるのが良いと思います。
シミュレータの説明
擬似正規乱数に基づくモンテカルロシミュレータです
このシミュレータは擬似正規乱数に基づくモンテカルロシミュレータです。
以下の2つを手軽に求められるようにしています。
- 老後必要な資金の簡易計算(老後資産の計算)
- 現役時代(引退年齢 – 現在の年齢)の資産形成シミュレーション
投資信託の運用成績は正規分布になりませんが、将来予測を概算する場合には正規分布を仮定して計算することが多いです。
処理時間を高速化するために、乱数シミュレータは100回の計算に留めています。
正直、乱数から傾向を読み取るための試行回数としては少ないですが、簡易計算機なのでそこは許してw
東北投信の記事を書くときは1万回やってます。
あなたの生活に関わる部分
この部分は昨日の計算機と同じですので、詳しい解説は昨日の記事をご覧になってください。
毎月の生活費
現在の生活費を入力すれば、それがそのまま将来の生活費として計算されます。
この計算機では、将来の医療費などは考慮していませんが、皆保険の日本では、高額療養費制度など自己負担を軽減できる制度もあります(※)。
※怪しい民間療法はもちろん対象外なので、安易に手を出さないこと。
年金見込み支給額
概算支給額が分かる場合には、その金額を入力してください。
分からない場合には、「所得代替率を用いた厚生年金の簡易年金計算機(以下の記事にあります)」を用いて計算し、その結果を入力してください(厚生年金加入者の場合、年収に0.4~0.5(所得代替率)を掛け算すると、超概算の年額給付額になります)。
現在の年齢・引退年齢・死亡予定年齢
- 「引退年齢 – 現在年齢」:運用を行なえる期間です
- 「死亡予定年齢 – 引退年齢」:年金と貯蓄した資産で生きる老後期間です
乱数シミュレータ部分
毎年一定額を積み立てたとして、その年のリターンを運用年利とリスクから算出しています。
運用期間は「引退年齢 – 現在年齢」の期間がそのまま入りますので、例えば現在40歳で65歳に引退するならば、25年運用する、といった作りになっています。
毎月の積立額
投資信託に毎月積み立てる金額を入力します。
参考までに、私たちが非課税で運用できる金額は以下の通りです。
- つみたてNISA:毎月3.33万円まで
- iDeCo(個人型確定拠出年金):毎月2.3万円まで(※)
※企業年金に加入しない会社員の場合。自営業者らは毎月6.8万円まで
両者を合算すると、一般的な会社員は毎月約5.6万円まで、自営業者らは毎月約10.1万円まで非課税で運用できる、というわけですね。
運用利回り・リスクと具体的な商品の関係
いつもそう、とは言えませんが、おおよそ以下のような関係になります。
資産クラス | 運用利回り | リスク | 具体的な商品名 |
---|---|---|---|
日本債券 | 2% | 2% | ニッセイ国内債券インデックスファンド eMAXIS slim 国内債券インデックス |
先進国債券 | 4.3% | 9.7% | ニッセイ外国債券インデックスファンド eMAXIS slim 先進国債券インデックス |
新興国債券 | 8.8% | 12.3% | iFree 新興国債券インデックス 野村インデックスファンド・新興国債券 |
日本株式 | 3.2% | 17.6% | eMAXIS slim 国内株式(TOPIX) ニッセイTOPIXインデックスファンド |
米国株式 | 5.4% | 18.1% | eMAXIS slim 米国株式(S&P500) iFree S&P500 インデックス |
先進国株式 | 4.9% | 18.6% | ニッセイ外国株式インデックスファンド eMAXIS slim 先進国株式インデックス |
新興国株式 | 8.6% | 23.7% | ニッセイ新興国株式インデックスファンド eMAXIS slim 新興国株式インデックス |
8資産均等 | 6.6% | 12.1% | eMAXIS slim バランス(8資産均等型) |
出典:myINDEX(2019年1月26日時点 / 過去20年の平均値)
一説には、「今後10年ぐらいは債券も株式も期待利回りは下がるだろう」という話もあります。
このデータはあくまで過去20年の平均値でしかない点にご注意ください(リターンを2%ぐらい低めに入力すると2019年現在の状況に近いかも)。
必要な老後資金との比較
乱数シミュレータで求めた運用成績と老後資金を比較し、どの程度老後資金に届かないか、を%で示します。
データ個数は100個ですので、例えば60%のデータが老後資金に届かなければ、60個のデータは老後資金未満の運用成績に終わった、とお考えください。
当然、全てのデータが老後資金を上回ることが好ましいですが、確実性を求めるほど、毎月の積立額も多くなるはずです。
予測値は平均値よりも中央値を
リターンに対してリスクが高いほど、シミュレーション結果は「平均値 > 中央値」となりやすいです(投資信託の運用において、リスクをゼロにすることはできません)。
将来の成績の参考値として使うなら、平均値よりも中央値をお使いください。
なお、このシミュレータは投資信託の「口数」の概念を無視していますので、やはり計算結果と実際の運用成果はずれるだろう、ということをご了承ください。
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まとめ
- 一般的な会社員は毎月約5.6万円まで、自営業者らは毎月約10.1万円まで非課税で運用できる。投資信託を積み立てて老後資産を築くなら、つみたてNISAやiDeCoを使うことを検討しよう
- シミュレータの結果は平均値よりも中央値を参考に。入力するリターンも低め(表の数値より約2%減)にすることで、より確度の高い計画になるはず
- 年金支給額が分からない場合には、「ねんきんネット」等を使って調べてみよう。もしくは、年収に0.4~0.5を掛け算すると、超概算の年額給付額になる(所得代替率)
お役に立てば幸いです。