表題の通りですが、「アセロラ」をアップデートしました。
★アセロラとはなに?
資産形成将来シミュレータ 「アセロラ!!」とは、株式や債券などの資産の配分から具体的なリスクとリターンの数値を算出し、その条件でモンテカルロ法に基づく将来シミュレーションをおこなう無料ツールです。
この手のツールはいくつかネット上にもあるのですが、アセロラの強みを挙げれば、
- 著名ブロガーらの具体的な資産配分をテンプレとして利用可能(初心者向け)
- レスポンシブデザイン採用によるスマホ対応(初心者向け)
- 資産配分から乱数シミュレーションまで、複数のツールをまたがずに算出可能
- 各資産のリスク・リターンおよび相関係数を全て変更可能(上級者向け)
などがあると思います。
なお、「アセロラ」なのに、トップの画像はなぜか「アスパラ」です(どうでもいい)。
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米国株を入力可能になりました
先進国株と米国株のリスク・リターンも計算できるよ
ブロガーのコンテンツや、いろいろお問い合わせを頂いて判断するところでは、例えば
- eMAXIS slim 先進国株式インデックス(先進国株)、と
- eMAXIS slim 米国株式(S&P500)(米国株)
または、
- ニッセイ外国株式インデックスファンド(先進国株)、と
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド(米国株)
のように、先進国株と米国株を併せ持つ方が結構多いようです。過去米国株のパフォーマンスが良かったことから、「先進国株よりも米国株重視」と考える方もいらっしゃって、その影響かなと思います。
今回、アセロラでは米国株(と米国債)の入力にも対応しました。
出典:アセロラ
出典:アセロラ
アセロラの「先進国株」とは、いわゆる「MSCIコクサイインデックス」に相当する「先進国株式(除く日本)」です。なので、この円グラフのアセットアロケーションは、厳密には米国株だけで7~8割ぐらいあるのですが、その小難しいところは無視して、入力された配分通りに表示しています。
なお、米国株と先進国株式の相関係数は0.98(強い正の相関)です。アセロラの計算上に基づくと、分散効果がほとんどありません。
米国株、利回り低くない?
アセロラで採用している米国株の利回りは3.5%です。歴史的には6~7%近い利回りがあるとされますので、3.5%は結構低いです。
この標準値は、JPモルガンAMの「超長期マーケット予測2019」を採用しています。
J.P.モルガンの超長期マーケット予測 | JPモルガンアセットマネジメント
最近はちょっとわかりませんが、2018年時点の状況では「先進国では特に米国株が買われており、他の国は割安に放置されている」というのが投資機関の見方だったようです。筆者がメルマガに登録しているピクテのニュースレターにも書いてありました。
実際、超長期マーケット予測2019でも「米国株 < 先進国株 < 欧州株 < 日本株」の順番で利回りが高くなっているので、それを採用しているアセロラの利回りもそうなっています。
「他の市場に比べて割高(と判断されている)ので、今後予想されるリターンも低めになっている」というわけですね。
なお、平均リターンではなく幾何リターンを採用している点も利回りが低くなっている原因の1つです。平均リターンは4.96%で、こちらも歴史的な利回りに比べるとやや低めです。
米国債も入力できます・・・が
米国株同様に米国債も入力できるようになりました。が、米国債に投資できる、非上場のまともなインデックスファンドって無いんですよね・・・(上場投信を含めてもiシェアーズの東証上場シリーズぐらい)。
なので、作ってはみましたが、出番はないかなと思っていますw
ちなみに、こちらも先進国債券の中にかなりの割合で米国債が含まれているので、普通は先進国債券(例えば、ニッセイ外国債券インデックスファンド)を買っておけば十分です。
将来シミュレーションの数値を柔軟に
出典:アセロラ
これまでは「毎月1万円を20年間積み立てると」という、つみたてNISA仕様になっていましたが、今回からは
- 初期投資額
- 毎月の積立額
- 積み立ての継続年数
をそれぞれ指定できるようになりました。そのため、例えば「最初に100万円投資して50年放置する」とか、「毎月2万円を5年間積み立てる」とか、柔軟な運用条件を設定できるようになっています。
なお、乱数計算は将来の運用成績を保証・約束しないので、この結果を鵜呑みにしすぎないでください。
投資初心者にはここを使って欲しい
年間の損失額の目安
資産を組み合わせて計算すると、1年間で抱える損失額の見込みも出てきます。「%」で算出されますので、これを「現在の投資額のx%を1年間で失うかもしれない」とお読みください。
上述のとおり、この計算に使われているリスクとリターンはJPモルガンAMの予測値です。ですが、リスクの値に限っては過去20年ほどのリスクとほぼ同等の値が採用されており、おおよそ「(リーマンショックを含む、近年の相場を参考にすると)現在の投資額のx%を1年間で失うかもしれない」と読み替えることができます。
残念ながら、歴史上では投資額の8割や9割を失った破滅的相場(例えば1929年の世界恐慌)もありますので、このシミュレーションで求まる数値以上の損失を抱える可能性は否めません(いわゆるブラック・スワン理論)。
とはいえ、「どの資産にどういう割り合いで投資するとどの程度損失を抱える可能性があるのか」は、初心者にとって重要な指標になると思いますので、ぜひお役立てください。
資産と投資信託の対応
ページの下のほうに、資産クラスと具体的な投資信託の対比関係を掲載しています。「具体的にどの商品に投資したらいいの?」と思ったら、ページの下部の表をご覧ください。
将来的にはこのあたりはもっと分かりやすくしたいと思っています。
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まとめ
今後も様々な便利ツールを作って行く予定ですので、ぜひ東北投信のツールをあなたの運用に役立てていただければと思います。
本当はピザロのアップデートをやるはずでした(笑)が、先にアセロラのアップデートをやってしまいました。ピザロも最新版に直さないと。