最近、銅の価格が上昇しています。銅先物価格を見ると、コロナショックのあった2020年3月に2.02ドルを付けた後、記事執筆時点で3.2995ドルまで上昇してきました。
ここで注目したいのは銅の価格ではなく、新興国株式インデックスのパフォーマンスです。新興国株式インデックスは銅価格と相関性があり、現在銅価格の上昇とともに値上がりし続けています。
2011年以降は長らくレンジ相場のような値動きだった新興国株式インデックスですが、そのトレンドは変わるかもしれません。
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銅価格と新興国株式の関係
銅の先物価格と新興国株式インデックスとしてiシェアーズMSCIエマージングマーケットETF(EEM)の価格を重ねたものが以下の図です。銅の先物価格はローソク足で表しており、EEMは赤のラインで表しています。
値動きがよく似ていますね!
特に2015年以降は両者のチャートが重なっていることもあって、銅価格が上昇すると(下落すると)新興国株式インデックスも上昇する(下落する)という関係が見えます。
以前も、新興国株式とコモディティ価格に関連性があることは紹介しました。これは近年中国が資源の主な消費国であり、新興国株式もまた中国株が中心になっていることに起因しています。
どちらが先かは微妙なところですが、中国の景気が良くなると、銅の消費も増え、価格が上昇するという構図を描けます。
なお、銅価格の上昇は米ドル安の影響を受けている可能性もあります。世界のコモディティは主にドル建てで取引されているため、ドルが弱いタイミングでは資源価格も上昇しやすいのです。以前ドルの強さと新興国株式の関係についても紹介していますね。
銅価格はダブルボトムから上昇へ?
銅価格をもう少し長期のチャートで見ると、2016年と2020年でダブルボトムを形成しているようにも見えます。一般にダブルボトムは今後のさらなる上昇を暗示する形です。加えて、2020年3月以降は陽線が並んでおり、現在まで強い上昇が続いていることがわかります。
ここから、筆者個人は今後も銅価格の上昇とともに、新興国株式インデックスの価格上昇の可能性もあると思っています。
中国は世界の中でも特に真っ先にコロナの影響を脱した国です。その影響は、他の国(特に欧州等)に比べると弱く、景気は急激に回復しているとされています。
Amid burgeoning domestic consumption and a signal for continued fiscal support, China’s sharp recovery from the pandemic shows no signs of slowing heading into 2021. (中国のパンデミックからの急激な回復は、2021年に向けて減速の兆候が見られない)
2011年以降はなかなか伸び悩んだ新興国株式インデックスですが、そのトレンドは変換点にあるのかもしれません。
どう投資してる?
実はiDeCoで新興国株式インデックスに少し資産をスイッチしたほか、DGS(WisdomTree Emerging Markets SmallCap Dividend Fund)などを買ってみました。当面はその布陣でいこうと思います。
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まとめ
- 2020年3月以降、銅の先物価格と新興国株式インデックスの価格が上昇中
- 銅価格の上昇は中国の景気回復を反映?もしくは米ドル安も影響?
- 銅の先物価格がダブルボトムを形成したとみると、今後さらなる上昇の可能性もある
なお、ダブルボトムを形成した後の高値の目安は2番底からネックラインまでの長さでしたね。その場合、銅価格は4.5ドル付近まで上昇し、EEMは65ドル近辺まで達するかもしれません。実現したら、新興国株式インデックスにとっては大きな値上がりですね。