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【アセットアロケーション】コロナ禍の相場から考える新興国株式の投資の是非

【アセットアロケーション】コロナ禍の相場から考える新興国株式の投資の是非アセットアロケーション(資産配分)

アセットアロケーションを決める際、「新興国株式に投資するか」はよくある疑問の1つです。そこで今回は2020年の1月から4月までのクラッシュ相場を例に考えてみましょう

実は、2020年4月末時点で、株式資産(国内株式先進国株式新興国株式)のうち、パフォーマンスが最も悪いのが新興国株式でした。この結果だけを見ると、新興国株式に投資するメリットはないのかもしれません。

しかし、それでも筆者個人は新興国から新たな巨大企業が登場する可能性も考え、新興国株式にも投資を行っています。今回はこの結論も踏まえ、新興国株式に投資するかを考えてみます。

★この記事の結論

  • 2020年1月~4月の相場を見ると、3月の下落は「新興国株式 < 先進国株式」だったが、その後の回復は「新興国株式 > 先進国株式」となっている
  • 株式に分散投資しても、暴落時はすべて同じように下落しやすい。「先進国株式は暴落したが新興国株式に分散したので助かった」とはなりにくい
  • それでも新興国株を選ぶ意義は、そこから新たな市場の勝者が出る可能性を考えて。リスクやリターンなどの数値だけでは予想できない未来へのヘッジ

なお、この記事では、新興国株式に投資すべき(しないほうが良い)とは断定しません。記事をご覧の上で、判断の一助になれば幸いです。

では、一緒に見ていきましょう!

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2020年4月までの新興国株式の相場を振り返る

4月末までの大まかな流れ

話の前提として、新興国株式の中身を確認しておきましょう(下図)。

MSCIエマージングマーケットインデックスの構成国

出典:https://www.msci.com/documents/10199/c0db0a48-01f2-4ba9-ad01-226fd5678111

新興国株式の中身はおおよそ中国、台湾、韓国、インド、ブラジルです。特に中国の比率が高くなっています。

では、先進国株式や国内株式(日本株式)と比較したものを見てみましょう。

国内株式、先進国株式、新興国株式の2020年1月から4月までの成績

出典:Funds-iシリーズの基準価額をもとに筆者作成

★凡例

  • 青:新興国株式
  • 橙:先進国株式
  • 灰:国内株式

国内株式、先進国株式、新興国株式の2020年1月から4月までの成績(下落率)

出典:Funds-iシリーズの基準価額をもとに筆者作成

★凡例

  • 青:新興国株式
  • 橙:先進国株式
  • 灰:国内株式

4月末までの出来事を振り返ってみましょうか。

中国・武漢市のロックダウンは2020年1月23日から始まりました。上図を見ると、23日前後の新興国株式の株価は、最高値からすでに数%下落しています。一方、この時点では、コロナウイルスは中国の問題で、先進国は2月に最高値を更新するほどのゆとりもありました。

その後、世界的な株式のクラッシュとなった2020年2月20日を迎えます。

実は2月20日を基準とすると、新興国株式よりも国内外のREIT(不動産投資信託)や先進国株式のほうが大きな下落でした(下記記事参照)。3月はヨーロッパでの感染拡大が酷く、筆者は「高齢者の多い先進国が不利な状況になっている」と感じていました。

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しかし、4月に株価が上昇したのは米国のIT産業を中心とする先進国株式でした。上述のグラフは、4月以降の新興国株式(青)が先進国株式(橙)よりも下振れしていることがわかります。

参考:主な国別のパフォーマンス

国別に分解してみると、EWT(台湾)、FXI(中国大型株)、EWY(韓国)など、感染を克服・抑えた国ほど株価の下落は抑えられ、新興国株式全体(EEW)以上の成績になっています。

一方、その他の国は新興国株式全体よりも成績が悪く、特に政治的にもごたごたしているブラジルは未だに3月の下落をほとんど取り戻せていません。

2020年初来の主な新興国ETFのパフォーマンス

出典:yahoo finance

新興国株式に投資しても「暴落は軽減できなかった」

ここまで「コロナクラッシュ」の相場の経過を見てきた上で、新興国株式をアセットアロケーションに組み入れるかどうかを考えてみましょう

現在ポートフォリオ理論の基本を振り返った時、値動きの異なる複数の資産を組み合わせることで、大きな値動きを軽減できるメリットがあることを覚えていますか?

いわゆる分散投資のメリットですよね。

どの程度値動きを軽減できるかは、組み合わせる資産の特徴と両者の相関係数に依存します。

2020年3月の先進国株式(TOK)と新興国株式(EEM)の相関係数は0.97と非常に相関性が強く、先進国株式と新興国株式に分散投資しても暴落での損失は軽減できませんでした

TOKとEEMの相関係数(2020年3月)

出典:https://www.portfoliovisualizer.com/asset-correlations

ナザールさんがツイートするように、株式は世界に分散してもしなくても、大きく下落するときは一緒なのです。

しかも、4月の新興国株式の戻りの悪さを考えると、先進国株式(や米国株式)に絞って投資していたほうが正解のようにも思えます

ファンダメンタルズ的にも新興国株式を外したほうが安心できるかもしれませんね。

新型コロナの感染拡大が中国で本格化した1月20日を起点に、4月29日までの100日間の資金流出の累計額を算出したところ、1000億7000万ドルに達した。100日間の流出ペースを過去と比べると2008年のリーマン・ショック(約236億ドル)の4.2倍、15年の中国ショック(約95億ドル)の約11倍で、コロナ禍の衝撃の大きさを映している。(中略)

(資金流出の)背景には新興国の財政の持続性への懸念がある。コロナ禍による民間需要の落ち込みを埋める経済対策や医療の整備で財政支出は急速に膨らむ。(中略)国際通貨基金(IMF)は新興国の20年の財政赤字がGDP比8.9%になると予測する。半年前の予測の1.8倍に急拡大した。(中略)記録的な水準に積み上がった新興国の借金は世界経済の先行きに暗い影を落とす。

出典:新興国、止まらぬ資金流出 100日で10兆円超 | 日本経済新聞

それでも筆者が新興国株式に投資する理由

こういう事情を知っていても、筆者は新興国株式を含む全世界株式に投資しています(厳密には、新興国株を含む全世界株式に投資しています)。

「なぜ、新興国株式に投資するの?」と聞かれたら、こう答えます。

「株価の連動性が高いのに、全世界に分散する意味はあるか」というと、ここから特に新興国から新たな資本主義の勝者となる企業が誕生するかしないかに賭けるようなものかもしれない

昨日のツイートです

リスクやリターン、相関だけを見ていると、新興国株式は不要で、米国株式だけでも十分にパフォーマンスが高くなります。だから米国株式だけで良いと解釈するのもわかります。

それでも新興国株を加える意義は、数値だけではわからない、未来への保険みたいなものです。

もちろん、コロナが原因で新興国株が停滞する可能性も捨てきれませんけどね。

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まとめ

  • 2020年1月~4月の相場を見ると、3月の下落は「新興国株式 < 先進国株式」だったが、その後の回復は「新興国株式 > 先進国株式」となっている
  • 株式に分散投資しても、暴落時はすべて同じように下落しやすい。「先進国株式は暴落したが新興国株式に分散したので助かった」とはなりにくい
  • それでも新興国株を選ぶ意義は、そこから新たな市場の勝者が出る可能性を考えて。リスクやリターンなどの数値だけでは予想できない未来へのヘッジ

結局のところ、新興国株式への投資は「高い成長期待」と「危機に弱い脆弱な財務」の天秤になることが多いと思います。

個人的には、当初はコロナウイルスが高齢者を多く抱える先進国の問題で、新興国にはあまり影響しないと予想していたものの、結果的には新興国のほうが危機的状況になってしまったように感じています。

この記事では「結論は出さない」つもりでしたが、記事全体の流れをみると「新興国株式は外してもよさそう」と考える方が多いかもしれませんね。

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