つみたて新興国株式は中国やインド、台湾などの新興国に投資する商品で、主に地方銀行などのつみたてNISAで利用できます。
マザーファンド部分はeMAXIS slim 新興国株式インデックスと共有していますので、信託報酬の差異を除けば、両者の運用成績は等しくなるはずです。
あなたが、
- どうしても地元の銀行がよければ、つみたて新興国株式を
- ネット証券を使えるのならば、eMAXIS slim 新興国株式インデックス
と、使い分けると良いと思います。
新興国株式は値動きの大きい市場で、大きく儲かる可能性がある一方で、金融危機時に大きく損をする可能性もあります。
個人的に、銀行でつみたてNISAを始めたいと考える人が新興国株式に重点的に投資するのは反対です。仮に投資するにしても、つみたて8資産均等バランスのように、ポートフォリオに少しだけ新興国株式を含める分で十分だと思います。
以下詳しく紹介します。
なお、新興国株式ファンドの比較は以下の記事もご覧ください。
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つみたて新興国株式の特徴
つみたて新興国株式(協会コード:03314178)は三菱UFJ国際投信が運営する低コストインデックスファンドの1つです。
つみたて新興国株式は、同社の「つみたてんとう」シリーズの1つで、主に銀行など窓口のある金融機関での運用に利用されている商品です。
信託報酬や純資産などの基本情報
投資先 | 新興国株式 |
ベンチマーク | MSCIエマージングマーケットインデックス |
購入手数料 | 0% (ノーロード) |
信託報酬 | 0.374% |
実質コスト | 0.559% |
信託財産留保額 | 0% |
換金手数料 | 0% |
運用期限 (償還日) |
無期限 (償還なし) |
純資産 | 約30億円 |
つみたてNISA | ○ |
iDeCo | ○ |
※消費税10%対応
信託報酬ランキング(2019年11月)
82位
SBI証券で2019年11月6日時点で取り扱う153本のつみたてNISA対象投信との比較。
マザーファンド純資産と売買高比率
出典:https://www.am.mufg.jp/pdf/koumokuromi/252900/252900_20190925.pdf
マザーファンドは新興国株式に投資する新興国株式インデックスマザーファンドです。
ファンド名 | 投資先 | ベンチマーク | 純資産 | 売買高比率 |
---|---|---|---|---|
新興国株式 インデックス マザーファンド |
新興国株式 | MSCIエマージングマーケットインデックス | 860億円 | 0.44 |
マザーファンド部分はeMAXIS slim 新興国株式インデックスなどと共有しています。
そのため、つみたて新興国株式はeMAXIS slim 新興国株式インデックスの弟分的な存在です。
中国や東南アジアなどの「新興国」に投資
商品以上に「新興国」という市場が難しい点に注意
出典:ピザロ
つみたて新興国株式の投資先は、中国やインドなどの新興国です。
以下は2019年5月現在の新興国株式の構成比率で、約3分の1が中国、次に韓国、台湾、インドと続きます。
出典:https://www.am.mufg.jp/pdf/koumokuromi/252900/252900_20190925.pdf
これらの国を投資先に加えるかは、正直判断に悩むところです。
新興国株式は先進国株式(日本やアメリカなど)よりも高いリターンを上げる可能性もありますが、常に高リターンが期待できるとは限りません。
事実、つみたて新興国株式が設定されて以降の新興国株式はリターンが低く、つみたて新興国株式の基準価格も1万円を下回っています(設定当初に買っていれば利回りはマイナスってこと!)
出典:https://www.am.mufg.jp/fund/252900.html
といった特徴から、新興国株式は大きな価格変動に耐えられる人向けの商品と言えます。
個人的には、特に銀行で運用を志される方は、わざわざ新興国株のようなハイリスク商品など買わなくてもよいのでは?と思っています。
勘違いしないでほしいですが、「つみたて新興国株式」という商品が悪いのではなく、新興国株式という市場そのものがそういう特徴を持っているのです。
ちなみに「つみたて8資産均等バランス」にはこの新興国株式が12.5%だけ含まれているので、ちょっぴりだけ投資したい人はそちらを利用する手もあります。
評判はどう?
純資産が必ずしも評判を示すとは限りませんが、純資産ベースでは人気とは言いがたいですね。
出典:https://www.am.mufg.jp/f_info/f_search_d/index.html
そもそも新興国株式は選ばない人もいる(上述の価格変動の大きさゆえ)ので、やはりある程度投資に対して理解がある方向けかなと思います。
購入できる金融機関
主に地方銀行などで広く販売
つみたて新興国株式を購入できる金融機関 | 三菱UFJ国際投信
各地方銀行やゆうちょ銀行などで広く販売しています。
銀行で新興国株式を運用したい場合にご利用ください。
auカブコム証券(旧:カブドットコム証券)のiDeCoで購入できます
つみたて新興国株式はauカブコム証券(旧:カブドットコム証券)のiDeCoで購入できます。
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まとめ
- つみたて新興国株式は中国や韓国、台湾などの国から構成される株価指数(MSCIエマージングマーケットインデックス)に連動する投資信託。主に地方銀行を利用している投資家向け
- 商品以前に、新興国株式は価格変動が大きく、その割りに儲からないことも多々ある。市場自体が難しい点に注意
- 純資産は「人気」と言えるほどには多くない。新興国株式は選ぶ人が限られているため
個人的には新興国株式は好きですが、他人には運用を勧めたいとは思いませんね。
やはり値動きが大きいですし、その割りに儲からないことも多々あるので、普通は日本と先進国をカバーしておけば十分だと思います。