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「VFH(Vanguard Financials ETF)に今すぐ投資を検討すべき」は本当?

3. 商品選択と組み合わせ




VFH(Vanguard Financials ETF。金融セクターに投資する海外ETF)の過去のパフォーマンスを見ながら、今後の投資の是非を考えてみます。

Vanguard Financials ETF (VFH) | Vanguard

なぜいきなり金融なのかというと、今週のモトリーフールのメルマガで「今すぐ買いを検討すべきバンガードETF」という記事の1つにVFHが含まれていたから。

読んでます?モトリーフール?

モトリーフール(公式サイト)

現実問題として「金融系の株って難しいですよね」ってことで、過去のデータなどを漁ってみたのがこの記事になります。結論から述べると、金融のセクターETF買うよりかは高配当ETF買ったほうがまだマシじゃないです?と思ったところ。

とりあえず調べたものを紹介しますね。

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VFH(Vanguard Financials ETF)が買いの理由

VFHは金融セクターに投資できるバンガードのセクターETFです。主に銀行関連の銘柄が含まれますが、みんな大好きバークシャーハサウェイも金融セクターに含まれています。

さて、なぜVFHが今買いなのかというと。

★VFHが買いだとされる理由

  • 2021年のパフォーマンスは良く、S&P500の成績を上回っている
  • 景気連動性があるので、今後の景気回復で恩恵を受ける可能性
  • 次回のストレスクリアをした金融機関は配当と自社株買いを再開できる

銀行株はコロナショック後に増配や自社株買いが禁止されていました。その制限が解除される(のでパフォーマンスが上がりそうだ)というお話ですね。

FRBは金融機関にコロナ禍による経済的打撃に耐え得る十分な資本を確保させるため増配を禁止していた。そのため銀行株のリターンは低下していたが、昨年12月にFRBは自社株買い制限を緩和し、主要行に再開を容認したことから、ここ数カ月は市場全般との差を縮めている

出典:FRB、大半の銀行で増配と自社株買いの制限を6月末に終了 | Bloomberg(2021年3月26日)

たしかになんとなく納得感ある話です。

しかし、筆者。「金融株はあまり持ちたくない」というお話も知っています。

(管理人が金融セクターにこだわる理由)はもう、リーマンショックで手酷いダメージを受けたからです。
アメリカ最強銀行の一角、BAC、バンクオブアメリカをリーマンショック前に握っていて、マイナス90%というのを経験しているからだったりします。

出典:【高配当ETF】VYMでなくHDVを選んだ理由は金融セクター比率の低さ | 氷河期ブログ

以下のグラフはVHFとSPY(S&P500)の下落率だけを取り出したものですが、VHFはリーマンショックでは最大80%近い下落、コロナショックでは最大45%ほどの下落を記録しています。他のちょこちょこした下落でも、VFHはSPYよりも下落が生じやすいように見えます。

VFHとSPYの成績(下落率)

将来性はあるとしても、VFHのダウンサイドリスクを考えると、積極的に買いたい資産とは言い難いですよね。というわけで、VFHの過去のデータを漁ってみました。

VFHの過去のデータ

以下のグラフはVFHからSPYの成績を引いたもの(青)と米10年債利回り(橙)を重ねたものです。配当分は考慮していないので、配当を加味すると右肩下がり具合はもう少し緩やかになると思います。

VFHとSPYの成績差と米10年債利回り

このグラフを見る限り、どんなタイミングでVFHが強くなるのかよくわからないですね。金利が上がれば銀行の業績も回復するのかと思いましたが、あまり関係がなさそうで悩みます。

ついでに、米国ISM製造業購買担当者景気指数と重ねたグラフも作ってみました。景気が良くなれば金融株は上がる?

VFHとSPYの成績差と米国ISM製造業購買担当者景気指数

こちらもあまり相関がなくて謎ですね。

結論としては

今のところは、「VFHが景気回復でパフォーマンスが伸びそう」とは言えないですね。逆に、相場が下落した時の弱さは歴史が証明しているので、積極的にVFHを買わなくても良いと思ったところです。

金融セクターって、セクター丸ごと買う時は分配金利回りなどを期待することが多いかと思います。もしそうなら、他の高配当株ETFで代用したほうが安心な気もしますね。

2004年以前のバリュー株相場は知らないので、たぶんなんですが、金融セクターが輝く時間はそんなに長くないんじゃないかと感じます。それとも今はGAFAMが強すぎるだけかも。

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まとめ

  • 景気回復と、増配禁止の解除から、VFHの今後のパフォーマンスが良くなる可能性
  • 実際のところ、景気が良い時(米国ISM製造業購買担当者景気指数が高い時)にVFHのパフォーマンスが良くなるとの関係は見えない
  • 値下がり時の損失は大きいので、わざわざVFHを選ばなくてもよいのでは?

ちなみに、他2つは不動産(VNQ)とヘルスケア(VHT)でした。やはり高配当株ETF買っておけば良さそうなセクターですよね。

というわけで、投資ネタ探してる方はぜひモトリーフールのメルマガに登録してみてください。毎週日曜日にだけ届くのと、無料でいつでも解除できます。

モトリーフール(公式サイト)

またETF系の話題があれば紹介しようと思います。