つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)の運用でたびたび出てくる「ポートフォリオ」と「アセットアロケーション」。
よく似ている言葉ですが、実は意味するところが異なる言葉です。
そこで本記事では、「ポートフォリオ」と「アセットアロケーション」の違いを解説。
これから投資を始めるなら、最初に決めるべきはアセットアロケーションで、それが決まればポートフォリオも決まってきます。
「いや、そういうめんどくさいのいらないので」という場合には、手数料がかかってもロボアド使うしかないです。
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アセットアロケーションとポートフォリオの違い
前の記事で筆者のアセットアロケーションを解説していたので、それを例にアセットアロケーションとポートフォリオの違いを紹介します。
アセットアロケーションは資産クラスの割り当てのこと
アセットアロケーションは資産(アセット)の割り当て(アロケーション)です。
「現金・預金のほか、株式や債券、不動産(投資信託)などにどのように資産を配置するか」を考えるもので、アセットアロケーションを考える際には具体的な商品名はまだ出てきません。
実際に筆者のアセットアロケーションは以下のようになっています。
アセットクラス | 比率 |
---|---|
国内債券 | 8.9 |
先進国債券 | 7.7 |
新興国債券 | 2.4 |
国内株式 | 4.5 |
先進国株式 | 66.5 |
新興国株式 | 4.5 |
国内リート | 1.5 |
先進国リート | 4.0 |
この表では、例えば資産の66.5%を「先進国株式」というアセットに投資しています。
ポートフォリオは具体的な商品の組み合わせのこと
ポートフォリオはアセットアロケーションを実現するために、どのような商品を購入し組み合わせるか、を意味します。
ポートフォリオの議論をする場合には、具体的な商品名がでてきます。
実際に筆者がポートフォリオを組むために購入している投資信託には以下のようなものがあります。
- DCニッセイ外国株式インデックス(iDeCo)
- 三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド(つみたてNISA)
- eMAXIS 最適化バランス(マイミッドフィルダー)
- ノーロード明治安田社債アクティブ
- 三井住友・DC外国債券インデックスファンド
- ニッセイグローバルリートインデックスファンド
- SMT 日経アジア300インベスタブルインデックス・オープン
- 世界経済インデックスファンド(楽天スーパーポイントのみで運用)
- eMAXIS Neo 宇宙開発
- たわらノーロード 最適化バランス(積極型)
アセットアロケーションとポートフォリオを結びつける
投資信託の投資先を知れば、アセットアロケーションもわかる
各投資信託の投資先はおおよそ決まっています(特につみたてNISA対象ファンドの大半は投資先が固定されています)。
例えば、「ニッセイ外国株式インデックスファンド」の投資先は100%の割り合いで先進国株式です。
目論見書を見ると、最終的な投資先は「日本を除く主要先進国の株式等」と書かれていますよね。
出典:https://www.nam.co.jp/report/pdf/mo121332-1.pdf
と、ここで金融商品(ポートフォリオ)とアセットアロケーションが結びつきますよね。
すなわち、現在あなたが保有している投資信託がどのようなアセットアロケーションになっているかを考えるためには、投資信託がどこに投資しているのかを知る必要があります。
投資信託の投資先が分からなければ、自身のアセットアロケーションも判別できないですし、アセットアロケーションがわからなければ、現在取っているリスクも予想されるリターンも推測できません。
重要なのは、投資信託の投資先を知ることです。
投資信託の投資先をチェックする方法
以下のような文書を読むことで、投資信託の投資先を知ることが出来ます。
- 目論見書
- 月次レポート
投資信託を選ぶときは、最初にアセットアロケーションを決める
この話は以下の記事にも書いたので、併せてご覧ください。
ポートフォリオとアセットアロケーションの違いが理解できるようになると、最初に決めるべきはアセットアロケーションであることが分かると思います。
- 先にポートフォリオを決めると、リスクやリターンが適当に決まるため、思わぬ大ダメージ or 儲けが少ないなど、期待通りの運用が難しくなる
- 先にアセットアロケーションを決めると、リスクやリターンが適切に決まるため、資産を管理しやすくなる
しかし、正直なところ、運用経験がないとアセットアロケーションなんて決められないですし、そもそも各アセットの特徴もよくわからないことが多いです。
多くはネットでオススメ商品を検索し、その商品を買う、つまりはポートフォリオの決定から入ると思います。
そういった場合には、少額で投資し、投資経験とともに配分を決定し、少しずつ自分にあったアセットアロケーションに調整していくのが良いと思います。
ポートフォリオはその仮定で決まっていくはずです。
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まとめ
- アセットアロケーションは資産の配分のこと。この議論では株式や債券などの比率は出てくるが、具体的な商品名はまだ挙がらない
- ポートフォリオは具体的な商品の組み合わせのこと。先にアセットアロケーションを決めれば、ポートフォリオは後追いで決まる
- アセットアロケーションを把握するためには、現在投資する投資信託の最終的な投資先をチェックしよう。投資先がわかれば、アセットアロケーションは求められる
「アセットアロケーションを決めましょう」と言われたら、最初に述べた資産配分を決定してください。
その際に、myINDEXの「資産配分ツール(無料だが要登録)」や「投信アシスト(無料)」は役立つはずです。
アセットアロケーションが決まったら、次にその配分を満たすための投資信託を探してください。
いくつかのファンドを選択すれば、それがあなたのポートフォリオです。
余談:「いや、すごいめんどそうなんだけど」という場合には
そういう場合にはロボアドを使ってください。
ロボアドはこのあたりのめんどうな作業を全てあなたの代わりに行ってくれるので、ここまで述べてきた地味作業からは解放されます。
その代わり、運用コストがかかるので、その分あなたの儲けは少なくなる前提でお考えください。
とりあえず、SBI証券に口座開設しておけばロボアドも利用できますので、「どっちがいいかなー」と困ったらSBI証券で両方チェックしてみるのも1つの案ということで。