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MSCI ACWI(オールカントリーワールドインデックス)の特徴。先進国と新興国の株式に投資

投稿日:2019年4月9日 更新日:

MSCI ACWIは先進国と新興国の計47カ国の株式から構成される株価指数です。MSCIコクサイインデックスに比べるとマイナーな感のある指数でしたが、eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)が登場したことで、知らぬ間に利用している個人投資家も増えたのでは?と思います。

本記事では

  • ACWIの指数の特徴
  • ベンチマークとする主な投資信託
  • 類似の指数との比較

などを紹介します。

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MSCI ACWI(オールカントリーワールドインデックス)とは

先進国と新興国の計47カ国の株式から算出される株価指数

MSCI ACWIの投資範囲

MSCI ACWIの投資地域のイメージ(厳密な構成国とは異なる場合があります)。色が濃いほど比率が高い。筆者作成のピザロを利用。

MSCI ACWI(オールカントリーワールドインデックス)とは、アメリカのMSCI社が定めた株価指数の1つで、先進国23カ国の株式と新興国24カ国の株式から算出されています。

日本から利用する場合には日本を除くことが多い(= MSCI ACWI(除く日本))

MSCI ACWI(除く日本)の投資範囲

MSCI ACWI(除く日本)の投資地域のイメージ(厳密な構成国とは異なる場合があります)。色が濃いほど比率が高い。筆者作成のピザロを利用。

MSCI ACWIには日本も含まれていますが、日本の投資信託がベンチマークとして利用する場合には日本を除いていることが多いです。その場合にはMSCI ACWI(除く日本)などと表記されます。

構成国とパフォーマンス

47の国から構成。銘柄数は2700超

MSCI ACWIの構成国は以下の国々です。

MSCI ACWIの構成国(先進国)
アメリカ カナダ オーストラリア ベルギー デンマーク
フィンランド フランス ドイツ アイルランド イスラエル
イタリア オランダ ノルウェー ポルトガル スペイン
スウェーデン スイス イギリス オーストラリア 香港
ニュージーランド シンガポール (日本)
MSCI ACWIの構成国(新興国)
ブラジル チリ コロンビア メキシコ ペルー
チェコ エジプト ギリシャ ハンガリー ポーランド
カタール ロシア 南アフリカ トルコ アラブ首長国連邦
中国 インド インドネシア 韓国 マレーシア
パキスタン フィリピン 台湾 タイ

中国やインドなどの成長著しい国々が含まれています。その一方で、トルコやパキスタンなど、しばしば政情不安なニュースが流れてくる国々も含まれますね。

先進国と新興国の構成比率はおおよそ9:1です(日本を除く場合)。これはMSCIの具体的な資料は見当たらなかったのですが、ACWIに連動する投資信託がおおよそこの程度の比率で先進国と新興国の株式を保有しているため、そう判断しています。

将来的に新興国(中国やインド)の株価が上昇すれば、新興国の割り合いはもっと増えるかもしれません。が、今後しばらくは「アメリカを中心とした先進国に、新興国株式を少し併せ持つ」といった比率が続くと予想されます。

MSCI ACWIのパフォーマンス

以下はMSCI ACWIのファクトシートより引用した、ACWIのパフォーマンスをリスクとリターンで表示したものです。

MSCI ACWIのパフォーマンスを比較(2019年4月時点)
指数名 リターン
(1987年以降)
リスク
(過去10年)
シャープレシオ
(運用効率)
ACWI 7.79 13.92 0.35
World
(先進国)
7.83 13.62 0.35
Emerging
(新興国)
10.67 18.70 0.41

出典:https://www.msci.com/documents/10199/8d97d244-4685-4200-a24c-3e2942e3adeb

比較してみると、ACWIの運用成績はMSCI World Index(日本も含む先進国株価指数)とほとんど変わらないか、ややリスクが高いことが分かります。これはACWIの構成国比率の大部分が先進国(= World index)なので、同じになってしまうのも当然です。リスクが高い理由は新興国(= Emerging Market Index)の株価変動が大きいためで、これがACWIの株価変動をやや大きくする傾向にあります。つまりACWIはWorld index(≒ MSCI コクサイインデックス)よりもハイリスクになりやすいなのです。

ちなみに新興国(= Emerging Market Index)は先進国(= World index)よりもリターンも高くなりやすいです。ただ、ACWIはデータを見る限り、その恩恵はあまり受けられていないですね。新興国の高いリターンに期待するなら、Emerging Market Indexに連動するような投資信託を直接買ったほうが良い気がします。

以下はMSCI ACWIとほぼ同じ配分で2003年から毎年12万円(1ヶ月1万円)ずつ投資した時の運用結果を概算したものです。

出典:myINDEXで公開されているパフォーマンスを使ってアセロラで作図

この運用成績は年平均で8.9%の利回りでした。過去のデータに基づく限り、20年運用するとおおよそ年平均で4%~9%程度のリターンが期待できます

MSCI ACWIに連動する主な投資信託

MSCIコクサイインデックスに比べると種類は少なめです。日本を含めるかどうか、は1つの悩みポイントになりますが、

  • 日本を含めない場合:個別株(優待投資)などをやっている。日本の将来にはまったく期待していない場合など
  • 日本を含める場合:投資はつみたてNISAだけ、など、あまり深く考えたくない場合

で判断されると良いと思います。eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)は、それ以外になんらかの金融商品を選ぶ必要がない、という理由で特に初心者向きだと思います。

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なお、信託報酬の低さは重要な判断ポイントの1つになりますので、特に理由がなければeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)などをお選びください。

日本を除く場合

MSCI ACWI(日本除く)に連動する主な投資信託(2019年4月時点)
ファンド名 為替ヘッジ 信託報酬 つみたてNISA iDeCo
野村つみたて外国株投信 × 0.2052% ×
三井住友DCつみたてNISA全海外株インデックスファンド × 0.27%
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) × 0.15336%
eMAXIS 全世界株式インデックス × 0.648% ×

日本も含むもの

MSCI ACWI(日本含む)に連動する主な投資信託(2019年7月時点)
ファンド名 為替ヘッジ 信託報酬 つみたてNISA iDeCo
eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー) × 0.15336% ×
たわらノーロード全世界株式 × 0.1296% ×
SSGA全世界株式インデックス・ファンド × 0.5184% ×

他のベンチマークとの比較

日本の投資信託で利用される主なベンチマーク(株式)と投資先の関係
指数 日本株式 先進国株式 新興国株式
MSCI ACWI(除く日本) ×
MSCI ACWI
MSCIコクサイインデックス × ×
FTSE Developed All Cap Index ×
FTSE Global All Cap Index
S&P500 ×
(米国のみ)
×
ダウ工業株価 ×
(米国のみ)
×
CRSP U.S. Total Market Index ×
(米国のみ)
×
TOPIX × ×
日経平均株価 × ×

FTSE Global All Cap Indexとの比較

MSCI ACWIと比較的類似しているのが「FTSE Global All Cap Index」です。FTSE Global All Cap IndexはイギリスのFTSE社が算出する株価指数で、日本では楽天・全世界株式インデックス・ファンド(および、海外ETFの「VT」)のベンチマークとしてよく知られています。

下表はMSCI ACWIとFTSE Global All Cap Indexの特徴を比較したものです。

MSCI ACWIとFTSE Global All Cap Indexの比較(2019年4月現在)
MSCI
ACWI
FTSE
Global All Cap
構成銘柄数 2771 7908
配当利回り 2.54 2.46
銘柄の時価総額平均
(100万ドル)
5669 1261
最も時価総額の小さい銘柄
(100万ドル)
39.7 7
トップ10銘柄が全体に占める比率 11.0 9.68

出典:https://www.msci.com/documents/10199/8d97d244-4685-4200-a24c-3e2942e3adeb および https://www.ftse.com/Analytics/FactSheets/Home/DownloadSingleIssue/GAE?issueName=GEISLMS

実際の投資信託がこの表と同じような比率で運用されるとは限りませんが、FTSE Global All Cap Indexのほうが分散性が高く、特に小型株も指数算出のために含んでいることがわかります。

以下はMSCI ACWIとFTSE Global All Cap Indexの過去5年間パフォーマンスを比較したものです。大した違いはありませんが、ACWIのほうが若干成績がよく出ています。

MSCI ACWIとFTSE Global All Cap Indexのパフォーマンスを比較(2019年4月時点)
指数名 リターン
(過去5年)
リスク
(過去5年)
ACWI 7.03 11.07
FTSE All cap 6.9 11.1

出典:https://www.msci.com/documents/10199/8d97d244-4685-4200-a24c-3e2942e3adeb および https://www.ftse.com/Analytics/FactSheets/Home/DownloadSingleIssue/GAE?issueName=GEISLMS

具体的に投資することを考えた場合、個人的には楽天・全世界株式インデックス・ファンドやVTよりも、eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)のほうが利用しやすいと思います。楽天・全世界株式インデックス・ファンドは当初、個人投資家の人気にはなったものの、その後「あまり運用のパフォーマンスが良くないのでは?」との疑念が持たれたからです。

そのため、ベンチマークのどちらが良いか、よりもeMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)楽天・全世界株式インデックス・ファンドとVTのどれを選ぶか、という基準で選んだほうが良いと思います。そして繰り返すように、個人的にはオールカントリーで良いと思います。

よくある質問

MSCIコクサイインデックスと違いはなんですか?

MSCIコクサイインデックスは日本を除く先進国株式からなる株価指数です。MSCIコクサイインデックスに新興国株式(MSCIエマージングマーケットインデックス)を加えるとMSCI ACWI(除く日本)になります。

以下は、先進国株式と新興国株式に投資したときのグロスリターン(配当込み。税引き前リターン)を比較したものです。

MSCIエマージングと、ACWI、Worldとの比較

出典:https://www.msci.com/documents/1296102/1362201/MSCI-MIS-EM-Dec2018-Brochure.pdf/778681c7-09c8-9142-9f08-58aa16690e0e

ACWIはワールドインデックスよりもわずかにリターンが高めな傾向がありますが、これはエマージングマーケットインデックスがわずかに含まれているためです。

筆者の利用法

筆者のつみたてNISAはACWI(除く日本)に連動する「三井住友DCつみたてNISA全海外株インデックスファンド」に積立投資を行なっています。このファンドを選んだ強い根拠はありませんが、もともとつみたてNISA開始前から積み立てていたのが理由です。加えて、筆者は新興国にも投資したいと考えたので、コクサイインデックスではなくACWIのほうを選びました。

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まとめ

  • MSCI ACWI(オールカントリーワールドインデックス)は先進国と新興国の株式からなる株価指数。日本では、日本を含めないMSCI ACWI ex Japan(除く日本)を利用することも多い
  • MSCI ACWIとMSCIコクサイインデックス(MSCI World index)との違いは新興国を含むかどうか。ACWIは新興国を含む分だけ若干リスクが高くなりやすい
  • 他社の類似ベンチマークにFTSE Global All Cap Indexがある。含む銘柄数と特に小型株への分散性で違いがある

コクサイインデックスに比べるとあまり人気のない指数でしたが、オールカントリー登場後はちょっと雰囲気変わりましたね。eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)はネット証券で購入できる投資信託ですので、投資先に困ってましたらぜひチェックしてみてください。

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