2020年10月現在で、「iTrustインド株式」はもっとも低コストにインド株式に投資できる国内公募投信です。急激な人口増加と、経済成長が著しいインドに投資したい時に利用できます。
結論から述べると、2019年9月現在でiTrustインド株式は参考指数に運用成績で負けています。アクティブファンドはどうしても参考指数に負けやすいのがデメリットですね。
そういう意味で、個人的には運用の主軸はつみたてNISA + インデックスファンドで、本商品は(関心ある人だけが)特定口座でおまけ的に買うというのが良いと思っています。
運用期限は区切られていないので、30年ぐらい継続したら結構な儲けになってるかもしれませんね。
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iTrustインド株式とは
iTrustインド株式(協会コード:42311184)は、ピクテ投信が運用するアクティブファンドです。
iTrustインド株式の概要がわかる販売ランディングページ | ピクテ投信
信託報酬や純資産などの基本情報
購入手数料 | 0% (ノーロード) |
信託報酬 実質コスト | 1.48344% 1.251% |
信託財産留保額 | 0% |
換金手数料 | 0% |
基準価額 | 公式サイト |
純資産(ベビー) | 17億円 |
信託期間 | 無期限 |
iTrustインド株式の信託報酬はインド関連の株式ファンドの中では最低水準の1.418%(税抜)です。ただ、昨今のインデックスファンドからすると、ややコスト高な感じは否めないです。
出典:https://www.pictet.co.jp/~/media/Files/PDF/all_funds/iindia/k/iindia_K_20190615
iTrustインド株式のマザーファンドは「ピクテ-インディアン・エクイティーズ」といい、本商品のためだけに運用されているファンドです。純資産は17億円(2020年10月時点)と、やや少なめになっています。
また、本マザーとは別に、調整用として「ピクテ-ショートターム・マネー・マーケットJPY」も運用されています。こちらは日本国内の短期金融資産で運用するもので、ファンドの損益には影響を与えないものです。
ポートフォリオの特徴
iTrustインド株式はインド株式の比較的時価総額の大きな株式に投資します。保有銘柄数は「26」と、比較的少数の銘柄に集中投資する点で特徴的です。
- 主にインド企業(インドに本社を置いている企業または主たる事業をインドで行っている企業)の株式に投資します。
- モーリシャス籍の投資法人を通じて、インド企業の株式に間接的に投資することがあります。
- 主として上場株式に分散投資します。
出典:iTrustインド株式目論見書
インドの代表的な株価指数である S&P BSE SENSEXに比べると、iTrustインド株式のポートフォリオは金融関連銘柄に偏っているのが特徴的です。一般に金融銘柄は「高配当 + 低成長」であることが多いのですが、人口増加に伴うユーザーの増加などを期待して比率を高めているのかもしれません。
一方、iTrustインド株式には素材やエネルギーなどの伝統的な業種の銘柄が少なく、金融を除くといわゆるニューエコノミー銘柄への投資比率が高めです。ハイテク銘柄のほかにも情報技術やヘルスケア銘柄が含まれており、将来の株高期待を持てます。
具体的な保有銘柄例は以下の通りです。
★iTrustインド株式の主な保有銘柄(2020年10月)
- HCLテクノロジーズ
- インフォシス
- HDFC銀行
- トレント・ファーマシューティカルズ
- マルチ・スズキ・インディア
パフォーマンス
2020年10月現在で、iTrustインド株式のパフォーマンスは基準価額が1万円を割れており、設定来リターンがマイナスになっています。これはインドの株式市場そのものが低迷したためです。
ベンチマークとの比較も見てみましょう。
iTrustインド株式はベンチマークを持ちませんが、参考指数として「MSCIインド10/40株価指数」を利用しています。
The MSCI India 10/40 Index is designed to measure the performance of the large and mid cap segments of the Indian market.
MSCI インド10/40指数はインド市場の中~大型株のパフォーマンス測定するためにデザインされている。
以下はMSCIインド10/40株価指数とiTrustインド株式の比較で、iTrustインド株式はMSCIインド10/40株価指数にパフォーマンスで劣っています。計算してませんが、おおよそコスト分だけ劣ってる感じでしょうか。
ただ、インド市場に投資できる投資信託やETFはあまり多くないため、コストに目をつむって投資するメリットはあるかもしれません。なお、現在の運用を過去10年間にさかのぼって再現すると、長い目では指数を上回るとの自信をのぞかせています。
当ファンド(iTrustインド株式)では、中長期的に成長が期待できるインド株式の中でも特に個別企業のファンダメンタルズに注目した厳選投資を行っています。2019年2月末時点の当ファンドのポートフォリオの状況をみると、より確信度の高い銘柄に絞込み、26銘柄に投資を行っています。
当ファンドと同様の運用戦略をとるピクテのインド株式運用戦略のパフォーマンスを過去10年間と長期でみると市場平均を上回るリターンを実現しました
余談ですが、長期的なパフォーマンスは「新生・UTIインドファンド」のほうが良いかもしれません。
購入できる金融機関
以下はiTrustシリーズを購入できる金融機関です。
- SBI証券
- 静岡銀行
- マネックス証券
- auカブコム証券(旧:カブドットコム証券)
- 楽天証券
- 東洋証券
- SMBC日興証券
- ソニー銀行
- 松井証券
- 岡三オンライン証券
- ほくほくTT証券
- GMOクリック証券
- FFG証券
- 西日本シティTT証券
- フィデリティ証券
- 大光銀行
- 伊予銀行
- 四国アライアンス証券
- 北洋証券
iTrustインド株式はつみたてNISAやiDeCoでは買えません。
一般NISAは利用できますが、2019年9月現在では、一般NISAは2023年の制度ですので、今から一般NISAを選ぶのはちょっとメリットが乏しいように感じます。
個人的には、つみたてNISAで別の投資信託を購入し、iTrustインド株式は課税口座(特定口座)で買うことをオススメしたいです。
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まとめ
- iTrustインド株式は成長を見込めるインド株式に投資。銘柄数は25銘柄前後と比較的集中投資
- iTrustインド株式は金融を除くとニューエコノミー銘柄への投資が多い。素材やエネルギーなどの伝統的な業種を減らしている点で好印象
- ベンチマークはないが、MSCIインド10/40株価指数を参考指数としており、おおよそコスト分だけパフォーマンスが劣っている
本商品を含め、iTrustシリーズの販売コンセプトや雰囲気、魅せ方はとても好きなので、運用成績も頑張って欲しいです。
余談ですが、他にインド株式に投資できる商品として、EPI(インド株収益ファンド)やiシェアーズ・コア S&P BSE SENSEX インディアETF(02836)などの海外ETFもあります。低信託報酬のインデックスファンドを利用したい場合には、ETFを活用したほうが良いです。
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