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三菱UFJ国際投信のブロガーミーティングで感じた「eMAXIS slim」シリーズの圧倒的強さ

三菱UFJ国際投信ブロガーミーティング(2019年10月18日) 取材・セミナー等




2019年10月18日に開催された三菱UFJ国際投信のブロガーミーティングに参加したので、その話を紹介します。

主なテーマとしては、

  • eMAXIS slim 米国株式(S&P500)等の信託報酬の引き下げの経緯
  • 商品に関する質疑応答
  • LINEを使った新サービス
  • 二重課税の税制改正に伴う案内

でした。

ミーティングの内容そのものは他の方のブログでも読めますし、筆者Twitterでもリアルタイムにツイートしていたので、今回はそれ以上に感じたことを紹介したいと思います。

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eMAXIS slimシリーズはインデックス投資のデファクトスタンダードになった

今回感じたのはこれです。

三菱UFJ国際投信の商品はインデックス投資のデファクトスタンダードになった(※)

※インデックスファンドに限ります。アクティブファンドの販売戦略は上手くいってないと思います。事実、懇親会でアクティブファンドの売り込みをしていた方がいらっしゃいました。

eMAXIS slimシリーズと他社商品の違い

(ブロガーを通してだが)運用者の顔が見える商品になりつつある

少なくとも、eMAXIS slimシリーズの運用に関して、(ブロガーを通じて)顔を見える商品になりつつあると思います

信託報酬引き下げや商品開発の経緯で事細かに知られているのはeMAXIS slimシリーズぐらいでしょう。

例えば、eMAXIS slim 米国株式(S&P500)の今回のコスト引き下げでは、社内コストの見直しを図ったほか、指数を提供するS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスの偉い方ともいろいろと協議を重ねたそうです。

加えて、今後のさらなる低コスト競争にも追従するために、ファンドが保有する株式の貸し株の可能性などにも言及されています。

こういった細かな事情にアクセスできるインデックスファンドシリーズはeMAXIS slimシリーズぐらいです。

一方で、他社の活動・方針はよくわからない

一方で、他の運用会社がどんな取り組みをしているか、何を考えているかが正直なかなか見えてきません

ニッセイアセットマネジメントや楽天投信あたりはたまにリリースを出したり、イベントに顔を出したりしていますが、三菱UFJ国際投信のように偉い人が直々に説明するような機会はまずありません。

せいぜい担当者レベルか、もしくは販促の人が投資セミナー等で登壇するぐらいです。

そのため、各社の投資信託について、実は感じてるけど解決される機会のない疑問って結構あると思うんです。

例えば、筆者が適当に感じている疑問を挙げてみると、

  • SBI・VOOはコスト的にやっていけるんでしょうか。もしかして赤字前提の自爆サービスなのでしょうか
  • 楽天全世界はしばしばコストの高さが話題になりますが、それはどういった理由でしょうか
  • 某社や某社のようにほとんと差異のないバランスファンドを量産するのはなぜでしょうか

などいろいろありますが、こういった疑問が解消される機会はほとんどないのです。

eMAXIS slimシリーズは圧倒的な存在感を持つ商品になりつつある

というわけで、

  • 時には偉い人が出てきてまで、商品が抱える事情や今後の方針などを詳しく説明をしてくれる商品
  • 運営方針などよくわからないけど、とりあえず低コストな商品

のどちらを選ぶか、と言われたらおそらく前者です。

少なくとも本イベントに参加されるブロガーの方の多くは同社の姿勢を好意的に受け取っており、そのことをブログでも好意的に紹介しています。

そして、それをTwitter経由で多くの個人投資家さんがさらに閲覧するわけです。

その積み重ねの結果、eMAXIS slimシリーズは多数の比較で買われる商品から、商品のブランドで買われるポジションになりつつあると感じたわけです

もちろん、「(自社からは積極的に動かないという)信託報酬引き下げに対する姿勢」を嫌う方はいらっしゃるでしょうが、これから入ってくる初心者にとっては圧倒的な存在感・優位性を獲得しつつあると感じます。

言い換えると、東北投信のようなブログで「三菱よりも別の商品がいいよ」と提案するには相応の理由が必要になってきたと感じます。

  • みんなeMAXIS slimの何かを買ってますよね?
  • しかも信託報酬も低いですよね?
  • トラッキングエラーも少ないですし
  • なぜ、eMAXIS slim以外が良いのですか?

eMAXIS slimシリーズは「購入・換金手数料なし」のように「あの商品はいいけど、この商品はちょっと」みたいなアンバランス感がないのも「にくい」ところです。

これらを統括して、最近はeMAXIS slimシリーズが事実上、インデックス投資の標準的な商品になったと強く感じたのが今回のブロガーミーティングでした。

それでもやっぱり気になるところ

eMAXIS slimシリーズの資産残高推移

eMAXIS slimシリーズ以外はどうするんだろう?

eMAXIS slimシリーズは低コストですが、それ以外に高コストなアクティブファンドを多数抱え、必ずしも会社の商品全体として低コスト化に取り組んでいるわけではない点が気になる部分だと思います。

おそらく、他の高コストな商品からの手数料がeMAXIS slimシリーズを支えている部分ってあると思うんです。

三菱UFJ国際投信は「日本のバンガード(※)を目指す」と発言していますが、未だそのコスト面の「矛盾」を抱える時点で、「日本のバンガードになれた」と評する投資家はいないと思います。

メモ

※低コストETFで著名なVOOやVTIなどを擁する米国の資産運用会社。インデックス投資の父であるジョン・ボーグル氏設立

eMAXIS fatシリーズの動向にも注目したい

ミーティングで話題に出た「eMAXIS fatシリーズ(slimではない、ただのeMAXISシリーズのこと)」をどうするかは、他の投資家に対する同社の姿勢として、注目されるところだと思います。

というのも、最近、複数の投資信託の併合の可能性がにわかに話題になっています。

金融庁が2019事務年度の行政方針に投資信託の併合推進を明記したことで、実質的な解禁以来10年以上にわたり例がない投信併合の実現に向けた機運が高まっている。投信併合は、小規模な投信が多すぎるという日本の投信市場の問題点の改善策の一つとなる

出展:金融庁、投信併合を推進 | 日本経済新聞(2019年10月4日)

eMAXISシリーズの資産残高は全体で4449億円(2019年9月30日時点)あるそうですが、そのうちslimシリーズは1836億円と、まだeMAXIS fatシリーズのほうが純資産が多くなっています。

かつて、slimシリーズが設定された時には、「fatシリーズを買っていた投資家の切り捨てだ」と多くの非難コメントが発せられました。

もしも、「eMAXIS fatシリーズ」の信託報酬引き下げやeMAXIS slimシリーズとの併合もあれば、個人投資家の注目度はますます高くなると思います。

いろいろ乗り越えるべき課題があるそうですが、個人的に注目したい部分です。

もしかして、私のマイミッドフィルダーも低コスト化期待していいのでしょうか????さすがに無理かww

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まとめ

  • 三菱UFJ国際投信のブロガーミーティングに参加。eMAXIS slim 米国株式(S&P500)等の信託報酬引き下げ経緯などを紹介
  • (ブロガーを通じて)個人投資家と向き合うことで、eMAXIS slimシリーズが事実上のインデックス投資の標準商品になったと感じる
  • eMAXIS slimシリーズ以外の商品(特にeMAXISシリーズ)についても今後に期待したい

ほんと、他社さんも「販売会社に任せておけばいい」ってノリだとeMAXIS slimシリーズに食われると思います。

実際、つみたてNISAでも明らかにユーザー獲得に失敗している商品ってありますし、そのような商品が今後何十年も運用され続けるかは不安に思うところです。

その点で「過度な低コスト化競争で早期償還とならないように、運用会社として利益を獲得しながらも、低コストと高パフォーマンスを追求していく」と明言する三菱UFJ国際投信は「強い」と思います。

同社の今後ますますの活躍に期待したいです。

お話してくださったブロガーのみなさまもありがとうございました。