以前、「投資信託を通じて純金に積み立てる」と述べたところ、「純金積立サービスのほうが最終的には儲かるのでは?」とのコメントをいただいたので、検証してみることにしました。
結論を述べると、以下の通りになります。今回はSBI証券の純金積立と投信積立の比較です。
★記事のまとめ
- SBI証券の純金積立サービスと、信託報酬の異なる2つの投資信託を用いて、積立シミュレーションを行った
- 長期の積み立てを考慮すると、純金積立サービスのほうが優位
- 3年以内の投資、低信託報酬の商品を選ぶ、マイレージサービスを活用するといった条件で投信積立が有利になるケースもある
この手のシミュレーションは仮定の置き方で結果が変わることも多いので、鵜のみにせず参考程度にご利用ください。また、基本的に現物の純金積立と投資信託の積立は、抱えるリスクに違いがありますので、一概に比較できない点もご留意ください。
では、一緒に見ていきましょう!
ちなみに記事書いてから気づきましたが、SBI証券の純金積立の投資額は「1,000円から1,000円単位」でしたね笑。100円ずつ再投資できる前提で計算してましたw
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毎月1万円の積み立てで比較してみた
今回の計算では利回りを固定し、月単位に分割しました。投資信託の比較対象とする純金積立はSBI証券の純金投資サービスを利用します。2つの比較でコストとポイント還元のみ考慮し、純金のスプレッドは考慮していません。
田中貴金属などの積み立てに比べるとスプレッドは小さいので、そこまで差異はないと思います。
信託報酬:0.275%
もっとも低信託報酬な商品を参考に、投資信託のコストを0.275%(SMTゴールドインデックスオープン相当)とします。この比較で言えることは以下の通りです。
★下表の解説
- 短期間の投資(120か月)では、投信積立優位
- 長期間の投資(360か月)では、純金積立優位
- 長期間の投資でも、利回りが高い場合(年6%以上)では投信積立が優位
現実的には、積立投資で利回り6%以上取るのは難しいため、運用期間が短いほど投信積立優位で、運用期間が長いほど純金積立優位と考えてよいと思います。
利回り | A:純金積立 (SBI証券) | B:投信積立 (SMTゴールド) | 差額 A-B |
---|---|---|---|
1% | 1246075 | 1256845 | -10770 |
2% | 1310057 | 1322049 | -11993 |
3% | 1377746 | 1390931 | -13185 |
4% | 1449356 | 1463979 | -14623 |
5% | 1525108 | 1541446 | -16338 |
6% | 1605238 | 1623282 | -18044 |
7% | 1689991 | 1710056 | -20065 |
8% | 1779628 | 1802067 | -22439 |
利回り | A:純金積立 (SBI証券) | B:投信積立 (SMTゴールド) | 差額 A-B |
---|---|---|---|
1% | 4142965 | 4086568 | 56397 |
2% | 4853683 | 4794237 | 59447 |
3% | 5717685 | 5658643 | 59042 |
4% | 6770473 | 6720015 | 50458 |
5% | 8055914 | 8027514 | 28400 |
6% | 9628188 | 9645013 | -16825 |
7% | 11554192 | 11654186 | -99995 |
8% | 13916480 | 14161069 | -244616 |
★計算条件
- 純金積立:手数料2%、購入時ポイント還元1%(翌月再投資※)、預かり手数料なし、預かり資産のポイント還元なし
→SBI証券の積み立てサービス相当 - 投信積立:手数料0%、購入時ポイント還元なし、信託報酬0.275%、預かり資産のポイント還元0.05%(翌月再投資)
→SMTゴールドインデックスオープン相当
※ポイントの再投資はできないが、ポイントと同額の現金を投資すると仮定
信託報酬:0.99%
次はもっとも人気商品を参考に、投資信託のコストを0.99%(三菱UFJ純金ファンド相当)とします。この比較で言えることは以下の通りです。
★下表の解説
- 短期間の投資(120か月)では、純金積立優位
- 長期間の投資(360か月)では、純金積立優位
- 投信の資産が1000万円を超えると、投信マイレージのポイント還元増のため、投信積立が有利に
計算上、利回り7%以上で毎月1万円の積み立てを30年継続できた場合、資産1000万円を超え、投信マイレージのブーストを期待できます。が、そこまで該当サービスが継続しているかは不明ですねw
利回り | A:純金積立 (SBI証券) | B:投信積立 (三菱純金F) | 差額 A-B |
---|---|---|---|
1% | 1246075 | 1212601 | 33474 |
2% | 1310057 | 1275088 | 34968 |
3% | 1377746 | 1341227 | 36519 |
4% | 1449356 | 1411369 | 37987 |
5% | 1525108 | 1485611 | 39497 |
6% | 1605238 | 1564189 | 41049 |
7% | 1689991 | 1647514 | 42477 |
8% | 1779628 | 1735702 | 43926 |
利回り | A:純金積立 (SBI証券) | B:投信積立 (三菱純金F) | 差額 A-B |
---|---|---|---|
1% | 4142965 | 3716436 | 426529 |
2% | 4853683 | 4351423 | 502260 |
3% | 5717685 | 5129682 | 588003 |
4% | 6770473 | 6089511 | 680962 |
5% | 8055914 | 7278396 | 777518 |
6% | 9628188 | 8760324 | 867864 |
7% | 11554192 | 11644044 | -89812 |
8% | 13916480 | 14530302 | -613822 |
★計算条件
- 純金積立:手数料2%、購入時ポイント還元1%(翌月再投資)、預かり手数料なし、預かり資産のポイント還元なし
→SBI証券の積み立てサービス相当 - 投信積立:手数料0%、購入時ポイント還元なし、信託報酬0.99%、預かり資産のポイント還元0.1% or 0.2%(翌月再投資)
→三菱UFJ純金ファンド相当
※ポイントの再投資はできないが、ポイントと同額の現金を投資すると仮定
検証結果をまとめると
今回の結果をまとめると以下のようになります。
★検証結果まとめ
- 基本的には純金積立が優位
- 低信託報酬の商品を選んだ場合と、投信マイレージのブーストがかかった場合(1000万円以上に達した場合)に限り、投信積立が有利になる場合もある
余談ですが、積立年数が3年以内の場合は、どんな条件でも投信積立が有利な結果になりました。つまり、積立投資の時間軸と、純金に対する期待利回りで商品選定するのがよさそうです。
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まとめ
- SBI証券の純金積立サービスと、信託報酬の異なる2つの投資信託を用いて、積立シミュレーションを行った
- 長期の積み立てを考慮すると、純金積立サービスのほうが優位
- 3年以内の投資、低信託報酬の商品を選ぶ、マイレージサービスを活用するといった条件で投信積立が有利になるケースもある
疲れたので楽天カードを利用した積み立てとの比較はまた今度w