※記事内に広告を含みます

リバランスの効果について知りえたことをまとめてみる

5. 運用中に悩むこと・リバランス




投資信託の「リバランス」について、今まで知りえたことをまとめてみます。

リバランスは株やREITなど高利回り商品の比率が増えすぎて、資産全体がハイリスクハイリターンに傾むくことを抑えるために行います。

相場次第ですけど、買い持ちするよりも定期的なリバランスを行ったほうが良い結果になるかもしれませんね。

というわけで、詳しくみていきましょう!

[スポンサーリンク]

リバランスの効果

資産の推移で効果を検証

Forbesの記事より、株60%と債券40%のポートフォリオを運用した時に、リバランスの有無でどう変わるか検証したものを紹介します。

リバランスの効果

出典:Does Portfolio Rebalancing Work? | Forbes

上のグラフは1986年1月からの資産推移で、下のグラフは資産配分における株式の比率です。黒い線は定期的にリバランスを行ったときの資産推移で、灰色の線は買い持ち(バイアンドホールド)戦略です。

ITバブルの時(12/00のあたり)は灰色の買い持ち戦略がリバランス戦略を上回ります。この時の買い持ち戦略の株式の比率は80%にも達していて、当初の60/40の比率からかなりずれています。

その結果、買い持ち戦略はITバブル下ではリバランス戦略を上回るものの、バブル崩壊で大きな下落を経験し、リバランス戦略よりも大きくお金を減らします。

リーマンショックの時も同様でした。買い持ち戦略は約37.1%の下落を経験したのに対し、比率を維持したリバランス戦略は約30%の下落にとどまり、その後の株高で利益を伸ばしました。

上昇相場だけ見ると、リバランス戦略は不利なように見えます。しかし、下落相場も込みで考えるとリバランス戦略はトータルで優れた成績を出せるように見えます(これは株100%かバランスファンドかの対比に似ていますね)。

ちなみに、最終的にはリバランス戦略のほうが高いリターンになりました。

バンガードの検証結果

下表では、リバランスの頻度や乖離の大きさと、期待リターン・リスクの関係を示しています。ちなみに「rebalancing events」がリバランスの回数で、リバランスの回数が多いほど、期待リターン・リスクがぶれにくくなる(リバランス回数の少ない右側ほど、期待リターンとリスクがぶれている)との関係が見られます。

この表、バンガードの研究論文が出所らしいんですが、大元は見つけられませんでした。

この検証を元にしているかはわかりませんが、バンガードの公式サイトでは以下のように紹介されています。

Check your portfolio at least once a year. If your current asset mix differs from your target by 5 percentage points or more, rebalance.

(少なくとも年に一度はポートフォリオを確認しましょう。現在の資産構成が目標と比べて5%ポイント以上異なる場合は、リバランスを行ってください)

出典:Rebalancing | Vanguard

リバランスの頻度や目安に迷ったら、これを基準にして良いのでは?と思ってます。

だって、あのバンガードがそう言ってるんだしw

ちなみに、この表においてもリバランスによって期待リターンが底上げされてますね。特に乖離率が10%のときにはリターンが0.2~0.4%ほど上乗せされています(リスクはほぼ変わらないにもかかわらず)。

あまり小刻みにやらない方が成績が向上しやすいことだ図C)。

例えば毎月よりは1年、あるいは3年ごとの方がリターンは上がりやすい。同様に5%乖離でするよりは10%乖離でする方が成績はいい。「小刻みなリバランスは相場の流れに乗る効果が薄れる」

出典:こんな時こそ「リバランス」、資産を守る効果あり | NIKKEI STYLE

リターンの底上げを視野にリバランスをするならば、頻度よりも乖離率に注目したほうがいいのかもしれないですね(リバランスの本質はリスクを抑えることではありますが)。

というわけで個人的には

リバランスもちゃんとやろうと思います。

iDeCoとつみたてNISAという2つの制度を考えた時に、どちらの制度もリバランスと相性の悪い部分があるように感じます。

★非課税制度とリバランスの相性が悪い部分

  • つみたてNISAは買った資産を(気分的に)売りにくい
  • iDeCoは買った資産を売れるが、iDeCo外へ出金できない

そこで、今のところは「iDeCo専用の資産配分」「つみたてNISAと特定口座の資産配分」と2つにわけてそれぞれ管理しています。これでいいのかわからないですけどねw

頻度はバンガードが言うように1年に1回、5%以上の乖離を基準にしてみましょうか。

なお、リバランス用のツールなども作ろうとしてすっかり忘れてた件。

[スポンサーリンク]

まとめ

  • リバランスは、株やREITなど、ハイリスクハイリターンな資産が増えすぎて、下落相場での損失が大きくなるのを防ぐ効果を持つ
  • 「相場に乗る」という意味では、リバランスしすぎないほうが成績が良くなる可能性
  • つみたてNISAもiDeCoも、リバランスと相性の悪い部分があるので、それをうまく避けつつリバランスできたらと

リバランスボーナス?

ちなみにリバランスの効果というと「リバランスボーナス」の話が出てくるんですが、これはあくまで減った資産を買うことで得られたリターンのようです(逆張りの効果)。

リバランス・ボーナスという言葉の語弊。リバランスでボーナスなんて得られません‼️ | イクメン・ファンドマネージャーがFP転身を目指すブログ

今回は「リバランスすることで良い効果があるよ」というテイストで紹介していますけど、相場によっては買い持ちしたほうが儲かる場合もありますよね。なので、リターンを得たいのか、下方リスクを避けたいのかでリバランスをどうするか考えるのが良いのかなと思ってます。