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SPYDはもうじき試される時期がくる(と思う)

3. 商品選択と組み合わせ




ひさびさにSPYDのお話でもしましょうか。

結論から述べると、今後アメリカがリセッション入りし、相応にクラッシュを伴うものであれば、SPYDは再び試される状況になると思ってます。今回の記事では、その理由などを紹介していきます。

ちなみに、記事をご覧になる前に、かず先生のSPYD動画を見ておくと、記事の理解が進むかもです。

かず先生の動画はテクニカル的な面で判断されているので、この記事ではマクロ的な観点から投資タイミングを考えてみます。

では、一緒に見ていきましょー!

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SPYDの特徴を改めて振り返る

「試される」の話をする前に、SPYDの特徴を改めて振り返ってみます。というのも、ETF.comに、MSCIが考えるSPYDのファクターエクスポージャの図があったので、それを紹介したいです。

SPYDのファクター

画像出典:https://www.etf.com/SPYD#overview

この図は、0からマイナス側(Underweight)に振れるとそのファクターと逆の特徴を持つこと、0からプラス側(Overweight)に振れるとそのファクターの特徴を強く持つことを示します。

6つの項目の中で、最も強い特徴を持つファクターは「Yield(配当)」です。SPYDの配当利回りが高いのは周知なので、ここでは説明しません。

その他の特徴として、Value(バリュー株)、Low Size(サイズ。いわゆる小型株効果)が強くプラスで、逆にQuality(クオリティ。投資対象の銘柄の財務が優れていること)がマイナスに触れています。

これらをまとめると、「財務的にはあまり優れていない高配当なバリュー株に、小型株効果が強調される形で投資している」のがSPYDです。

ファクターと景気の関係から予想すると

と、SPYDのファクターを理解すると、各ファクターと景気の関係から、今後のSPYDがどのような推移をたどりそうかも予想できるようになると思うんです。

ファクターと景気の関係を示した図が以下です。緑は強い時期、赤は弱い時期で、色が濃いほど強調されます。

景気サイクルとファクターの関係

画像出典:A Factor Portfolio for the Business Cycle | The Macro Investor

上図において、Early Contraction(早期景気後退期)でサイズファクターは強いマイナスです。加えて、SPYDはクオリティファクターを持たないどころか、財務面で弱さがある銘柄ばかり集めているため、こちらもEarly Contraction(早期景気後退期)に弱いと解釈できます。

このようにSPYDが持つファクターと景気の関係から、SPYDは今後もクラッシュとともに市場平均を上回る大幅な下落が起こりえると予想できます。

「SPYDはもうじき試される時期がくる(と思う)」というタイトルの根拠は、このファクターと現在の景気の位置から予想したものです。

実際のところ、次の景気後退で株価の下落を伴うのか、よこよこに停滞するだけで終わるのかはわかりません。FRBは景気後退など来ないと考えているようですが、相場の雰囲気としては警戒する時期に来てるんじゃないか、とは思います。

ちなみに、バリューはContraction(景気後退期)に強い特性を持ちます。コロナショックの時と違って、次の景気後退ではこれが有利に働くかもしれません

もうちょっと後で買おうか

ここまでの要点をまとめると以下のようになります。

  • SPYDは下落相場に弱い特徴(ファクター)を持つ
  • 景気後退は近い?もし次の景気後退が株価のクラッシュを伴うものなら、SPYDはコロナショック時同様に大きく下落しうる

この条件を元に、SPYDに引き続き投資していくか、別の投資先に乗り換えるかですね。

以前、「下落相場でディスられたくなければ、別のETFに乗り換えたほうが良い」みたいなこと書いてました。もし、他ETFへの乗り換えを検討するなら、今は悪くない時期(株価もよこよこですし)だと思ってます

スマートベータという特徴上、投資判断は人によって分かれる。王道的な商品を選びたい(誰かに文句を言われたくない)なら、SPYDと異なる商品を選ぼう

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一方、SPYDに追加投資するなら、もうちょっと後でしょうか

コロナショックの後、一時的にSPYDが市場平均(VOO)を上回るパフォーマンスを見せた時期がありました。先ほどの景気とファクターの図によると、Early Expansion(早期景気拡大)に相当する時期です。

すなわち、今は追加投資せず、Late Contraction(後期景気後退期)のあたりで仕込んでおいて、その後のEarly Expansion(早期景気拡大)で爆益を狙うって感じですね(言い換えると、SNSで叩かれてる時がちょうど買い時です)。

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まとめ

  • SPYDは下落相場に弱い特徴(ファクター)を持つ
  • 次の景気後退が株価のクラッシュを伴うものなら、SPYDはコロナショック時同様に大きく下落しうる
  • 景気サイクル的には、SPYDへの投資が適したタイミングはもう少し後(来年ぐらい?)

2年前に「SPYDは復活に5年ぐらいかかる」なんて書いてたのですから、そこからの景気サイクルの速さにびっくりします(当時、個人的にはITバブル崩壊からリーマンショックまでのタイムスパンで考えてました)。

2020年時点にもっと知識があれば、コロナショック時のSPYDの下落を予想できたかもですが、当時はまだファクターとかよくわかってなかったですwというか、SPYDの下落がきっかけで勉強し始めたというかwしかたないですね(苦笑

今回は景気後退→株価がクラッシュ前提で書きましたが、そうはならずにゆるゆると行ってほしいですね。