先進国株式への投資はニッセイ外国株式インデックスファンド。そう思っていた時代がありました。しかし、最近になってこの公式は崩れ去っていました。
2019年5月現在、先進国株式への投資は「eMAXIS slim 先進国株式インデックス」が正解です。
理由は、2018年に何度か行われた、驚異的な信託報酬の引き下げ。
- 引き下げ前:年率 0.20412%(2017年末時点)
- 引き下げ後:年率 0.11772%(2018年11月1日時点)
ニッセイ外国株式インデックスファンドや、他の類似ファンドを圧倒する低コスト!投信ブロガーが選ぶ「Fund of the year 2018」でも堂々の1位を獲得しました。
投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018
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「eMAXIS slim 先進国株式インデックス」とは
eMAXIS slim 先進国株式インデックス(協会コード:03319172)は、三菱UFJ国際投信が運用する、つみたてNISA対応の投資信託です。
eMAXIS slim 先進国株式インデックス | 三菱UFJ国際投信
eMAXIS slim 先進国株式インデックスは、低コストインデックスファンドシリーズである「eMAXIS slim」シリーズの代表的商品で、同シリーズの中で特に販売件数の多い投資信託です。
信託報酬や純資産などの基本情報
出典:eMAXIS slim 先進国株式インデックスの目論見書より
情報は2019年6月4日現在(マザーファンドの純資産は2018年6月現在)。
購入手数料 | 0% (ノーロード) |
信託報酬 実質コスト | 0.107892%(※) 0.276% |
信託財産留保額 | 0% |
換金手数料 | 0% |
運用期限 (償還日) | 無期限 (償還なし) |
基準価額 | 三菱UFJ国際公式 モーニングスター |
純資産(ベビー) 純資産(マザー) | 404億円 3,330億円 |
直近分配金 | 0円 |
SBI証券ランキング つみたてNISA 設定件数 | 5位 (2019年5月) |
eMAXIS slim 先進国株式インデックスは2018年4月の決算で分配金は出しておらず、おそらく今後も分配金は出さずに運用するはずです。
2019年6月25日に信託報酬引き下げ!
eMAXIS slim 先進国株式は2019年6月25日に信託報酬を0.109%(税別)から、0.0999%(税別。税込で0.107892%)に引き下げる予定です。
実質コストは「0.276%」
2018年6月26日付けの運用報告書(全体版)によると、eMAXIS slim 先進国株式インデックスの実質コストは0.276%と、ニッセイ外国株式インデックスファンド(0.269%、2019年1月公表の運用報告書より)を0.007%ほど上回りました。
また、実際に支払った信託報酬は0.184%(1万口あたり20円)と、標榜値よりは少し高めになっています(参考までに、ニッセイ外国株式インデックスファンドは0.20412%)。
マザーファンドは3000億円超の巨大ファンド
マザーファンド「外国株式インデックスマザーファンド」は、eMAXIS slim バランス(8資産均等型)やeMAXIS 先進国株式インデックスなど、三菱UFJ国際投信の著名なインデックスファンドと共有しています。
日本を除く先進国(主にアメリカ)に投資できる商品
eMAXIS slim 先進国株式インデックスは日本を除く先進国に投資できる投資信託です。投信ブロガーらが資産形成に利用する「MSCI コクサイインデックス」に連動しており、アメリカ株式、EUと環太平洋の国(日本を除く)の株式で運用されます。
- eMAXIM slim 先進国株式インデックスに投資すると、あなたのお金は外国株式インデックスマザーファンドへ
- 外国株式インデックスマザーファンドから日本を除く先進国の株式へ投資
先進国株式の内訳は、約65%をアメリカが占め、残りはユーロ圏やカナダなどの株式です。
出典:https://emaxis.jp/pdf/geppou/252653/252653_201902.pdf
投資先の国を着色した地図にするとこんな感じで、日本は含まれません。
先進国株式(日本のぞく)の投資範囲。地図はピザロより
2019年にベンチマークを「配当込み」指数へ
eMAXIS slim先進国株式インデックスのベンチマークは、2019年4月に「MSCIコクサイインデックス(配当込み)」に変更されました。この変更は月次レポート・運用報告書の表示方法に影響するもので、運用成績の良し悪しには一切関係ありませんので、私たちは気にしなくて大丈夫です。
先進国株式に投資できる商品の中で最も良い運用成績(2019年6月4日時点)
2019年6月現在、MSCIコクサイインデックスに連動する投資信託は多数販売されており、「つみたてNISA」の代表的な商品の一部を抜粋しただけでもこの通り。
- ニッセイ外国株式インデックスファンド(購入・換金手数料なし)
- たわらノーロード 先進国株式
- iFree 外国株式インデックス
- つみたて先進国株式
※その他のファンドは「MSCI コクサイインデックス」のページで比較
これらの商品と比較したときにeMAXIS slim 先進国株式インデックスの魅力は信託報酬の驚くほどの低さです。
商品名 | 信託報酬 |
---|---|
eMAXIS slim | 0.11772% →0.107892% (2019年6月25日~) |
ニッセイ外国 | 0.11772% →0.107892% (2019年6月27日~) |
たわらノーロード | 0.216% |
iFree 外国 | 0.2052% |
つみたて先進国株 | 0.216% |
この比較に基づく限り、eMAXIS slim 先進国株式インデックスは「たわらノーロード先進国株式」などよりも0.1%利回りが高いことを意味します。教科書的に儲かりやすい商品は「eMAXIS slim 先進国株式インデックス」なのです。
2019年6月4日時点で、主要な4ファンドの成績を比較すると以下の通り。微妙な差ではありますが、eMAXIS Slim先進国株式インデックスが若干成績が良い傾向があります。
出典:モーニングスター
- eMAXIS Slim先進国株式インデックス:+13.23%
- ニッセイ 外国株式インデックスファンド:+13.07%
- たわらノーロード先進国株式:+13.04%
- iFree外国株式インデックス(H無):+13.05%
この結果からも、「先進国株式インデックスファンドはどれが良いか」と問われたら、eMAXIS slim 先進国株式インデックスを挙げるのがベストです。
ちなみに、純資産の流出入からもeMAXIS slim 先進国株式インデックスのほうが選ばれている傾向が見て取れます。
出典:SBI証券のデータを用いて筆者作成
これはニッセイ外国株式インデックスファンドとeMAXIS slim 先進国株式インデックスの資金流出入量の経過を比較したものです。資金流出入量は必ずしもファンドの人気を反映するとは限りませんが、2019年以降はeMAXIS slim 先進国株式インデックスのほうがお金が集まりやすい(≒ eMAXIS slim 先進国株式インデックスが人気)と言えます。
他のeMAXIS slimシリーズとの違い
混乱しやすい他のeMAXIS slimシリーズとの違いを簡単に表にまとめます。
商品名 | 日本 | 先進国 | 新興国 |
---|---|---|---|
先進国株式インデックス | × | ○ | × |
国内株式インデックス | ○ | × | × |
新興国株式インデックス | × | × | ○ |
全世界株式(除く日本) | × | ○ | ○ |
全世界株式(3地域均等型) | ○ | ○ | ○ |
全世界株式(オール・カントリー) | ○ | ○ | ○ |
「日本を除く先進国のみに投資したいなら、eMAXIS slim 先進国株式インデックスを選びましょう」ということですね。
将来予測
乱数シミュレーション(モンテカルロ法)を用いて、eMAXIS slim 先進国株式インデックスに20年間、毎月1万円ずつ積み立てた場合の予想成績を紹介します。以下で述べる計算結果は、あなたの将来の運用成績を保証・約束するものではありません。
乱数シミュレータによる将来予測
ベンチマークであるMSCIコクサイインデックス(円)の過去20年間のデータを使います。筆者作成のモンテカルロシミュレータ(アセロラ)を用いました。リターンからは信託報酬(0.107892)分を引いて計算します。
- リターン:3.89%(4.0% – 0.107892%)
- リスク:19.25%
- リターン:年利回りのこと
- リスク:リターンの標準偏差(1σ)のことで、リスクが大きいほど、リターンの触れ幅も大きくなります
出典:筆者作成のアセロラにて算出。リターン:3.89% / リスク:19.25%
出典:筆者作成のアセロラにて算出。リターン:3.89% / リスク:19.25%
この計算によると、20年後の運用成績は240万円の投資に対し、中央値で311.5万円、平均値で367.5万円と求まります。最も運用成績が悪い結果は240万円の投資に対し、75万円の評価額でした。また、20年後の元本割れの確率は29.5%です。
専門家によるMSCIコクサイインデックスの見通し
JPモルガンAMの超長期マーケット予測2019によると、eMAXIS slim 先進国株式インデックスと同じカテゴリである「日本を除く先進国株式(為替ヘッジなし)」の今後10~15年程度の年リターンは約4%(幾何リターン)と見積もられています。
J.P.モルガンの超長期マーケット予測 | JPモルガンアセットマネジメント
同予測では、日本や新興国株式のほうがやや高いリターンになるだろうと推定しています。例えばeMAXIS slim 国内株式(TOPIX)やeMAXIS slim 新興国株式インデックスをポートフォリオに組み入れると、より高いリターンを見込めるかもしれませんね。
なお、日本株式も新興国株式もリスクある資産です。逆にリスクを抑えるなら国内債券や為替ヘッジつきの先進国債券を組み入れると資産全体の値動きは緩やかになります。
見込み最大損失額:株安 + 円高(為替)のコンボに注意
eMAXIS slim 先進国株式インデックスに投資した時に生じうる「見込み最大損失額」は投資額の34.6%(= 3.89 – 19.25 * 2)です。リーマンショック(2008年)では、MSCI コクサイインデックスは52%の下落を経験しました。日本は株安時に為替が円高になりやすいため、先進国株式に投資するeMAXIS slim 先進国株式インデックスは株安と円高に伴って大きく値を下げる可能性があるのです。
もし、損失を抑えて運用したいならば、たわらノーロード先進国株式<為替ヘッジあり>を選んでください(eMAXIS slim シリーズには為替ヘッジ商品がありません)。eMAXIS slim 先進国株式インデックスと同じ投資先ながら、為替のリスクを低減している商品です。
eMAXIS slim 先進国株式インデックスはどこで購入できる?
つみたてNISA・特定口座で購入するなら
購入できる金融機関リスト(2019年6月時点)
- SBI証券
- 岡三オンライン証券
- auカブコム証券(旧:カブドットコム証券)
- GMOクリック証券
- ジャパンネット銀行
- 松井証券
- マネックス証券
- 楽天証券
- 岩井コスモ証券
- SMBC日興証券
- フィデリティ証券
- 三菱UFJ国際投信ダイレクト(mattoco)
2019年なら楽天証券が良いと思う
インデックスファンドはSBI証券か楽天証券で買うのが鉄板ですが、最近は楽天スーパーポイント関連のサービスが多い楽天証券のほうがお得な状況にあります。
★楽天証券でeMAXIS slim 先進国株式インデックスを買うメリット
- 楽天スーパーポイントとの連携サービス(ポイントでeMAXIS slim 先進国株式インデックスを買える)
- 楽天カードを利用した投信積立サービス(楽天スーパーポイント1%還元)
- スマホからの購入対応
SBI証券の場合、ポイントサービスの利便性で遅れを取っていますが、その代わりつみたてNISA関連のキャンペーンが多いといった特徴があります。キャンペーンを使ってお得に運用を始めたいなら、SBI証券もオススメです。
iDeCo(個人型確定拠出年金)で購入するなら
iDeCoでeMAXIS slim 先進国株式インデックスを購入できる証券会社は以下の3社です。
- SBI証券(セレクトプランのみ)
- マネックス証券
- 松井証券
例えば、SBI証券のセレクトプランならeMAXIS slimシリーズの取り扱いが多いので、同シリーズが好きなら選ぶ価値があります。
SBI証券の総合口座とSBI証券のiDeCoの口座は別物なので、口座開設時にはご注意ください。
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まとめ
- eMAXIS slim 先進国株式インデックスは日本を除く先進国株式(主にアメリカ)に投資する商品
- 日本を除く先進国株式に投資できる商品は多い。eMAXIS slim 先進国株式インデックスはその中で最も低い信託報酬で話題に
- あなたがこれから先進国株式に投資するなら、eMAXIS slim 先進国株式インデックスを選ぼう
0.1%台の信託報酬は本当にすごいです。「Fund of the year 2018」でも選ばれ、資産形成の標準的な投資信託の1つになりましたね。
ぜひ、楽天証券やSBI証券などを利用し、eMAXIS slim 先進国株式インデックスの優れた運用を体験してみてください。