つみたてNISAで国内株式に投資する際、最初にチェックしたい商品が「ニッセイTOPIXインデックスファンド」ですが、その強力なライバルの1つが「eMAXIS slim 国内株式(TOPIX)インデックス」です。
eMAXIS slim 国内株式(TOPIX)インデックスを運営する三菱UFJ国際投信は「eMAXIS slim」シリーズを「業界最低水準の運用コストを目指す」と標榜しています。
eMAXIS slim 国内株式(TOPIX)インデックスは、今後ニッセイTOPIXインデックスファンド以上の人気を獲得するかもしれない、期待できる商品の1つなんです。
この記事では、eMAXIS slim 国内株式(TOPIX)インデックスの特徴と類似ファンドとの違いを紹介。
また、乱数シミュレーションや過去の実績から求めた、将来の成績と下落幅の予想数値も併せて紹介します。
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eMAXIS slim 国内株式(TOPIX)インデックスとは
eMAXIS slim 国内株式(TOPIX)インデックス(協会コード:03317172)は、三菱UFJ国際投信が運用する、つみたてNISA対応の投資信託です。
eMAXIS slim 国内株式(TOPIX)インデックス | 三菱UFJ国際投信
eMAXIS slim 国内株式(TOPIX)インデックスは、低コストインデックスファンドシリーズ「eMAXIS slim」の1つで、TOPIX(東証株価指数)に連動します。
東証株価指数(とうしょうかぶかしすう、英語: Tokyo stock price index、TOPIX(トピックス))とは、東京証券取引所第一部上場株式銘柄を対象として、同取引所が1秒毎に、算出・公表している株価指数である。日経平均株価と共に日本株のベンチマークとして普及している。
出典:東証株価指数 | wikipedia
信託報酬や純資産などの基本情報
情報は2019年1月23日現在(マザーファンドの純資産は2017年3月27日現在)。
購入手数料 | 0% (ノーロード) |
信託報酬 実質コスト |
0.17172% →0.1674% (2019年2月15日予定) – |
信託財産留保額 | 0% |
換金手数料 | 0% |
運用期限 (償還日) |
無期限 (償還なし) |
基準価額 | 三菱UFJ国際投信公式 モーニングスター |
純資産(ベビー) 純資産(マザー) |
23億円 2,964億円 |
SBI証券ランキング つみたてNISA 設定件数 |
11位以下 (2018年4月) |
マザーファンド「TOPIXマザーファンド」は、eMAXIS 国内株式(TOPIX)インデックスや、eMAXIS バランス(8資産均等型)と共有しています。
2017年3月時点のマザーファンドの純資産は約2,964億円と巨大な資産を保有しています。
2018年4月の決算で、eMAXIS slim 国内株式(TOPIX)インデックスは分配金を出しませんでした。
おそらく今後も分配金は出さないはずです。
日経平均インデックスとTOPIXインデックスの違い
eMAXIS slim 国内株式(TOPIX)インデックスの有用性を考える際に、確認しておきたいのはその投資先です。
eMAXIS slim シリーズの「国内株式インデックス」には、2種類あります。
- 国内株式(TOPIX)インデックス
- 国内株式(日経平均)インデックス
TOPIXと日経平均の違いは以下の記事でも述べましたが、同じ国内株式でも投資対象銘柄数が異なります。
指数 | 構成銘柄数 |
TOPIX | 2,085 |
日経225 | 225 |
日経平均 | 225 |
JPX日経400 | 400 |
東証1部に上場する全銘柄から構成されるTOPIXは、2,000銘柄以上から構成され、特に分散性が高い点が特徴です。
インデックス投資の1つの方策である「分散投資」を心がけるなら、国内株式(日経平均)インデックスよりも国内株式(TOPIX)インデックスを選べば良いです。
TOPIXに投資する類似商品との比較
eMAXIS slim 国内株式(TOPIX)インデックスのライバル商品には、以下のような商品があります。
- <購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド(ニッセイアセットマネジメント)
- たわらノーロードTOPIX(アセットマネジメントOne)
いずれもTOPIXを構成する銘柄を投資対象にする投資信託で、下表は信託報酬と純資産の比較です。
商品名 | 信託報酬 | 純資産 |
---|---|---|
eMAXIS slim TOPIX |
0.17172 | 23億円 |
ニッセイ TOPIX |
0.17172 | 168億円 |
たわら TOPIX |
0.1836 | 5億円 |
2018年5月時点では、信託報酬が低く、純資産の多い「<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド」がベストな選択肢です。
しかし、eMAXIS slimシリーズは「業界最低水準の運用コストを目指す」と標榜していますから、今後の信託報酬引き下げに期待して選ぶの一興です。
検証:20年後の運用成績を算出
乱数シミュレーション(モンテカルロ法)を用いて、eMAXIS slim 国内株式(TOPIX)インデックスに20年間、毎月1万円ずつ積み立てた場合の予想成績を紹介します。
以下で述べる計算結果は、あなたの将来の運用成績を保証・約束するものではありません。
eMAXIS slim 国内株式(TOPIX)インデックスのリスクとリターン
ベンチマークであるTOPIX(配当込み)の過去20年間のデータを使います。
myINDEXによると、2018年4月30日時点で
- リターン:3.2%
- リスク:17.7%
です。
- リターン:年利回りのこと
- リスク:リターンの標準偏差(1σ)のことで、リスクが大きいほど、リターンの触れ幅も大きくなります
今回は信託報酬(0.17172%)を引き、
- リターン:3.02828%(3.2% – 0.17172%)
- リスク:17.7%
にて計算します。
計算結果:20年後の推定成績
計算回数 | 1,000回 |
運用年数 | 20年 |
総投資金額 | 240万円 (1万円 × 12ヶ月 × 20年) |
最高評価額 | 2,137万円 (+1,897万円) |
最低評価額 | 64万円 (-176万円) |
平均評価額 | 325万円 (+85万円) |
元本割れ回数 | 372回 |
元本割れ確率 | 37.2% |
20年後の成績は240万円の積み立てに対し、64万円~2,137万円と大きくばらつきました。
ただ、この結果は過去の数値に基づく乱数計算なので、単なる数字遊びとしてご覧ください。
eMAXIS slim 国内株式(TOPIX)インデックスの「見込み最大損失額」
myINDEXのリスクとリターンを使って、eMAXIS slim 国内株式(TOPIX)インデックスに投資した時に生じうる「見込み最大損失額」を算出しました。
これは、仮に1年間で「リーマンショック級の下落」を経験した際に、投資額のいくらを失うかを求めたものです。
過去のデータに基づく算出ですので、目安としてご覧ください。
リターン(%) | 3.02828 |
リスク(%) | 17.7 |
見込み最大損失額 (投資額の%) |
32 |
計算上、eMAXIS slim 国内株式(TOPIX)インデックスは、1年間で投資額の32%の評価損を抱える可能性があります。
仮に100万円積み立て後に酷い相場を経験すると、1年後に68万円になっている計算です。
参考までに、2008年のリーマンショック時のTOPIXのリターンは-40.6%でした(myINDEXのデータベースによる)。
国内株式に投資する商品ですので、為替リスクはないものの、それでも値動きの大きい商品です。
eMAXIS slim 国内株式(TOPIX)インデックスへ投資する際には、その程度の損失可能性も視野に検討なさってください。
つみたてNISAでeMAXIS slim 国内株式(TOPIX)インデックスを選ぶと同時に、個人向け国債のような低リスク商品への積み立てるのも1つの案です。
eMAXIS slim 国内株式(TOPIX)インデックスへの投資はオススメか
2018年5月5日現在、TOPIXに連動する投資信託のうち、eMAXIS slim 国内株式(TOPIX)インデックスは最も低コストに運用できる商品です。
ただ、上述のとおり、純資産では<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドに劣りますから、
- 教科書的に選ぶなら:<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド
- 信託報酬の引き下げを期待するなら:eMAXIS slim 国内株式(TOPIX)インデックス
と選べば良いと筆者は考えます。
eMAXIS slim 国内株式(TOPIX)インデックスはどこで購入できる?
購入できる証券会社リスト
eMAXIS slim 国内株式(TOPIX)インデックスは下記の金融機関にて購入できます。
- SBI証券
- 岡三オンライン証券
- auカブコム証券(旧:カブドットコム証券)
- GMOクリック証券
- 松井証券
- マネックス証券
- 楽天証券
- ジャパンネット銀行
SBI証券で購入するとポイントが付くのでお得
SBI証券でeMAXIS slim 国内株式(TOPIX)インデックスを購入すると、投資信託の残高に応じてポイントが付与される「投信マイレージサービス」を利用できます。
仮に20年後の積立額が325万円になった場合、現行制度では1年間で年率0.05%のポイントをもらえますので、年間1,625ポイント(1,381円相当)付与されます。
このポイントは500ポイントから現金に交換できるほか、美味しい食べ物や他のポイントサービスとの交換などにも使えますので、他の証券会社で購入するよりもちょっぴりお得です。
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まとめ
- eMAXIS slim 国内株式(TOPIX)インデックスは低コストで日本のTOPIX(東証株価指数)を構成する企業に投資できる商品
- eMAXIS slim 国内株式(TOPIX)インデックスと<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックススファンドでは、信託報酬は同じだが、後者のほうが純資産が多い
- 株式へ投資する商品なので、1年間で投資額に3~4割を失う可能性もある。リスクが大きいと感じるなら、バランスファンドを選んだり、個人向け国債も活用して、ポートフォリオのバランスを取ろう
後発、ということもあって、人気では<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックススファンドに劣ります。
が、三菱UFJ国際投信は、eMAXIS slim 先進国株式インデックスの驚異的な信託報酬引き下げの例もありますから、今後の動向には期待したいファンドの1つです。