2018年7月3日より運用が始まった「eMAXIS slim 米国株式(S&P500)」。
運用半年で、つみたてNISAの人気ファンドの1つになりました。
実際、個人投資家も米国株式に投資している方が多いようで、その中には本商品も含まれているはずです。
つみたてNISAで投資しているアセットクラスに関して、アンケートに御協力願います。
回答が4つまでしか作成できないので、追加ツリーに他アセットクラスを添付してます#つみたてNISA
— きしやん@コツコツ熊本の幹事やってます (@oyagakoniosieyo) August 31, 2019
- 世界時価総額比率の株式:19%
- 世界時価総額比率(除く日本)の株式:8%
- 先進国株式(除く日本)の株式:16%
- 米国株式インデックス:57%
総投票数593票
あなたも、この商品について気になっていませんか?
本記事では「eMAXIS slim 米国株式(S&P500)」の特徴や商品性などについて、どこよりも詳しく紹介します。
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eMAXIS slim 米国株式(S&P500)とは
eMAXIS slim 米国株式(S&P500)は三菱UFJ国際投信が設定する投資信託で、S&P500指数を構成する米国株式に投資します。
eMAXIS slim 米国株式(S&P500) | 三菱UFJ国際投信(公式サイト)
S&P 500®は米国大型株の動向を表す最良の単一尺度として広く認められている株価指数である。この指数をベンチマークとする運用資産の総額は9兆9千億米ドルを超え、この指数に連動する金融商品の運用資産額は約3兆4千億米ドルに及ぶ。この指数は米国の主要産業を代表する500社により構成されており、米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしている。
同社の低コスト投資信託シリーズ「eMAXIS slim」に属するファンドの1つです。
信託報酬や純資産などの基本情報
投資先 | 米国株式 |
ベンチマーク | S&P500指数 |
購入手数料 | 0% (ノーロード) |
信託報酬 実質コスト | 年0.0968%(※) 年0.203% |
信託財産留保額 | 0% |
換金手数料 | 0% |
運用期限 (償還日) | 無期限 (償還なし) |
基準価額 | 三菱UFJ国際投信公式 |
純資産 | 319億円 |
つみたてNISA | ○ |
iDeCo | ○ |
※消費税10%対応。2019年11月12日以降の信託報酬
2019年11月12日に信託報酬引き下げ
eMAXIS slim 米国株式(S&P500)は2019年11月12日より信託報酬を引き下げて、年0.0968%で運用される予定です。
業界最低水準の運用コストをめざす『eMAXIS slim(イーマクシス スリム)』信託報酬率の引き下げを実施 | 三菱UFJ国際投信(pdf)
ライバル商品「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」の登場で、大幅なコスト引き下げとなります。
マザーファンド:S&P500インデックスマザーファンド
出典:https://emaxis.jp/pdf/koumokuromi/253266/253266_20190725.pdf
ファンド名 | 投資先 | ベンチマーク | 純資産 | 売買高比率 |
---|---|---|---|---|
S&P500 インデックス マザーファンド | 米国株式 | S&P500 | 364億円 | 2.15 |
eMAXIS slim 米国株式(S&P500)の魅力
eMAXIS slim 米国株式(S&P500)は、2019年10月現在で、業界最低水準の低コストさで米国の著名500銘柄に投資できる投資信託です。
出典:https://emaxis.jp/pdf/koumokuromi/253266/253266_20190725.pdf
主な構成銘柄は、
- マイクロソフト
- アップル
- アマゾン
- フェイスブック
- バークシャー・ハサウェイ
- アルファベット
- JPモルガンチェース
- ジョンソン&ジョンソン
- エクソンモービル
など、超有名企業が並びます。
以下は、iFree S&P500 インデックスを販売する大和証券投資信託委託株式会社がまとめた、S&P500を構成する銘柄の特徴です。
出典:もっと詳しく!S&P500 | 大和投資信託委託株式会社(pdf)
銘柄数だけでいえば、500社とアメリカ企業のごく一部ですが、その時価総額は市場全体の8割を占めています。
しかも、S&P500構成銘柄の多くはグローバル企業で、日本を含むアジアや欧州などからも多くの売り上げを得ています。
投資先はアメリカのみとはいえ、eMAXIS slim 米国株式(S&P500)への投資は、実質世界規模で活躍する有料企業500社への投資とも言えるのです。
eMAXIS slim 米国株式(S&P500)のライバルは?
★主なライバル商品
- iFree S&P500 インデックス:S&P500インデックスと連動
- SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド:S&P500インデックスと連動
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド:全米4000超の銘柄から構成されるCRSP USトータル・マーケット・インデックスと連動
このうち、楽天・全米株式インデックス・ファンドは構成銘柄数が異なりますので、本来は直接的な比較はできません。
eMAXIS S&P 500 | iFree S&P 500 | SBI VOO | 楽天全米 | |
---|---|---|---|---|
投資先 | 全米500銘柄 | 全米500銘柄 | 全米500銘柄 | 全米4000銘柄超 |
純資産 | 319億円 | 84億円 | 27億円 | 588億円 |
信託報酬 | 0.165% →0.0968% | 0.2475% | 0.0938% | 0.162% |
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドとどちらに投資するか
個人的にはeMAXIS slim 米国株式(S&P500)です。
というのも、楽天証券でeMAXIS slim 米国株式(S&P500)を購入すれば、ポイント還元を最大限活用することでSBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドの運用成績を上回る可能性が高いからです。
出典:筆者作成
楽天VTI(楽天・全米株式インデックス・ファンド)との比較
これは以下の記事で行い、楽天・全米株式インデックス・ファンドのほうが若干ハイリスクハイリターンになる可能性を指摘しています。
Portfolio Visualizerという比較ツールで、米国ETFに置き換えて比較したものです。
- Portfolio 1 : VTI・・・$24,175
- Portfolio 2 : VOO・・・$24,461
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド:バンガードのETF「VTI(Vanguard Total Stock Market ETF)」に投資する
- iFree S&P500インデックス:S&P500の構成銘柄に投資するので、類似する米国ETFは「VOO(Vanguard 500 Index Fund)」
この結果は、VOOのほうが若干高くなっており、VOOに類似するeMAXIS slim 米国株式(S&P500)のほうが成績が高くなる可能性があります。
ただ、信託報酬ではeMAXIS slim 米国株式(S&P500)よりも楽天・全米株式インデックス・ファンドのほうが低いので、実際は大差ない気もしますね。
なお、比較記事では小型株を含む楽天・全米株式インデックス・ファンドのほうが若干ハイリスク・ハイリターンになりそうだと結論付けています。
検証:将来の運用成績を算出
乱数シミュレーション(モンテカルロ法)を用いて、eMAXIS slim 米国株式(S&P500)に今後20年間、毎月1万円ずつ積み立てた場合の予想成績を紹介します。
以下で述べる計算結果は、あなたの将来の運用成績を保証・約束するものではありません。
eMAXIS slim 米国株式(S&P500)のリターン
myINDEXのS&P500の過去データ(1998~2017年。2018年7月15日時点)を利用します。
この間のリターン(7.0%)から幾何平均を取ると、毎年の利回りは「4.42%」と求まりました。
この数値を利用して計算します。
計算結果:5~50年後の推定成績
運用年数 | リターン (二段目は投資額) |
5年 | 67万円 (60万円) |
10年 | 150万円 (120万円) |
15年 | 253万円 (180万円) |
20年 | 381万円 (240万円) |
30年 | 737万円 (360万円) |
40年 | 1,284万円 (480万円) |
この結果より、20年後の予想成績は、240万円の投資に対し、381万円前後(141万円の利益)になる可能性があります。
- 通常の積立投信なら、利益141万円の20.315%である約29万円を納税
- つみたてNISAなら、利益は全てあなたのもの!
というわけですね。
なお、他のインデックス同様にeMAXIS slim 米国株式(S&P500)も、できるだけ長期間投資することで、元本割れで終わる可能性を下げられます。
半年や1年で成果を得るのではなく、最低でも「つみたてNISA」の対象期間である20年間は運用し続けるつもりで運用なさってください。
出典:myINDEXのデータを利用して筆者作成
eMAXIS slim 米国株式(S&P500)の「見込み最大損失額」
リターン(%) | 6.4 |
リスク(%) | 18.1 |
見込み最大損失額 (投資額の%) | 29.8 |
※myINDEXのS&P500(円・配当込み)年率平均を利用
参考までに、S&P500インデックスの2008年の下落幅は年間で-50.2%した(1年で半値になったということ!)。
米国株式への投資はオススメか
リーマンショック以降、もっとも運用成績が良い市場は米国株式でした。
2019年現在、米国株式を好む個人投資家が多くいらっしゃる背景には、特に米国市場が大きく利益を上げてきたからです。
出典:ピクテ・グローバル・マクロ・ウォッチ
そのためか、現在の米国は他の市場に比べて割高で、今後は失速を予想する話も出てきています。
出典:ピクテ・マルチアセット・ストラテジー 2019年8月 | 幻冬舎ゴールドオンライン
あなたが特に米国市場一本に投資したい場合には、今後の失速(= パフォーマンスの低下)の可能性も考慮に入れたほうが良いと考えます。
「みんな買ってるから」と安易に選ばずに、あなたの人生プランなどと比べて問題がないかを考えるようになさってください。
なお、2018年以降は米中の貿易戦争や米国のリセッション懸念もあって、難しい相場が続いていますね。
リーマンショックのような金融危機の再来への対策も必要かなと感じます。
eMAXIS slim 米国株式(S&P500)の販売会社
2019年10月16日現在、eMAXIS slim シリーズは下記の金融機関にて購入できます。
- 岩井コスモ証券(インターネット専用)
- SMBC日興証券(ダイレクトコース専用)
- SBI証券
- 岡三オンライン証券
- auカブコム証券(旧:カブドットコム証券)
- GMOクリック証券
- ジャパンネット銀行
- フィデリティ証券
- ほくほくTT証券
- 松井証券
- マネックス証券
- 三菱UFJ銀行
- 三菱UFJ国際投信ダイレクト(mattoco)
- 水戸証券
- 楽天証券
eMAXIS slim 米国株式の購入に適しているのは楽天証券で、ポイント投資も併用して資産の増大化をめざすと良いと思います。
iDeCoで購入できます
eMAXIS slim 米国株式(S&P500)はSBI証券のセレクトプランとマネックス証券のiDeCoにて販売しています。
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まとめ
- eMAXIS slim 米国株式(S&P500)はアメリカの著名インデックスである「S&P500」に連動を目指す
- 直接のライバル「iFree S&P500インデックス」よりも信託報酬が低い。eMAXIS slim 米国株式(S&P500)は毎日3000万円ずつ純資産が増えており、iFree S&P500インデックスを猛追している
- 20年後の予想成績は、240万円の投資に対し381万円前後の評価額を期待できるかも。20年運用するつもりで積み立てよう
このように、すでに人気商品の一端を見せているeMAXIS slim 米国株式(S&P500)。
今後の展開にも大注目ですね!