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DGRW(米国株クオリティ配当成長ファンド)への投資を検討してみた

ウィズダムツリーウェブサイトイメージ3. 商品選択と組み合わせ




今回は配当成長株ファンドである「DGRW」について調べてみます。DGRWは米ウィズダムツリーのETFで、米国の大型株のうち、成長性のある配当金支払い銘柄300社に投資します

WisdomTree U.S. Quality Dividend Growth Fund | WisdomTree

書籍「ファクター投資入門」では「配当はファクターになりえない」と述べられる一方で、銘柄のクオリティ(収益性の高さ)はファクターとして利用できると紹介されています。

また、質の高い配当銘柄への投資は、特に景気後退期の強さを期待できるので、シーゲル教授が述べる「下落相場でのプロテクター」になりえるように感じます。

というわけで、「クオリティを根拠にする配当を重視するETF」を探すと「DGRW」が候補の1つになります。なので、DGRWについて調べてみた、というのが今回のお話です。

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DGRWはどんな商品なの?

改めて、DGRWは米ウィズダムツリーのETFで、米国の大型株のうち、成長性のある配当金支払い銘柄300社に投資します。

DGRWは銘柄の選別を配当のほか、クオリティ(株主資本利益率(ROE)と総資産利益率(ROA))の過去3年平均でチェックしており、選択をクリアした銘柄300社の構成比率を配当加重方式にて決定します。つまり、「企業がどれだけ効率的に利益を生み出せか」という基準で投資する銘柄を選別し、企業が年間に支払った配当金総額を基準に、どの企業にどの比率で投資するかを決めるのです。

この特徴からも、DGRWが一般的なインデックスファンドとは異なる「スマートベータETF」であることがわかります。

DGRWの構成銘柄とセクター別比率はこちら(2020年6月末時点)。

DGRWの上位構成とセクター比率(2020年6月末)

セクター比率を見ると、情報技術が25%と多くなっていますね。一方、高配当株ETFによく含まれやすい金融やエネルギーはかなり比率が低くなっています

この比率はもちろん、将来的には変わる可能性に留意。

その他、DGRWの一般的な特徴は以下の通り。

DGRW(米国株クオリティ配当成長ファンド)(2020年9月20日時点)
ティッカーDGRW
投資先米国の大型株のうち条件を満たす300社
ベンチマークWisdomTree U.S. Quality Dividend Growth Index
(米国株クオリティ配当成長インデックス)
価格49.16ドル
取引単位1口
購入手数料証券会社に依存
経費率0.28%
純資産約3441億円
(3,309ミリオンドル)
分配頻度毎月
分配金利回り1.99%
運用会社WisdomTree

分配金(配当)について

DGRWはあくまで配当成長に主眼を置いてるので、分配金利回り自体はそこまで高くはありません

DGRWのベンチマークとS&P500の特徴の違い

上記表はS&P500とDGRWのベンチマークとの比較ですが、DGRWの分配金利回りは2.5%と、やや高めながらも定番的な高配当株ETFよりは低めになっています。

配当成長株のコンセプトは、「企業が高成長を遂げることで株価が上昇することで、過去に買った口数が将来受け取る分配金(配当金)の利回りは高くなるだろう」と考えることができます。その配当成長が持続する根拠として、クオリティ(株主資本利益率(ROE)と総資産利益率(ROA))を活用するわけです。

といったあたりで、DGRWは単なる高配当株ETFなんかよりも割と根拠がしっかりしてるように思います。

パフォーマンス

以下はDGRWの株価の成長(配当再投資あり)を調べたものです。

DGRWの株価成長(配当再投資あり)

DGRWの再投資後の株価はVOO(S&P500)とほぼ近似しています。これは、DGRWの上位構成銘柄にアップルやマイクロソフトなどの大型グロース株が含まれるほか、近年足をひっぱりやすい金融やエネルギー関連株が少ない点が効いています。

VOOと類似しているという点で、敢えてDGRWを選ぶ根拠は弱くなってしまうものの、期間内では最大ドローダウンとパフォーマンスのばらつき(標準偏差)がわずかに抑えられた点で、DGRWを選ぶメリットはありました

あとは、上述のとおりにDGRWの分配金が少し多い点を評価するかどうかですね。

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まとめ

  • DGRWは米国の大型株を対象に、配当の成長を期待できる銘柄を選別して投資するETF
  • DGRWの配当金利回りはS&P500より少し高い程度で、必ずしも高利回りとは言えない。が、株価が成長することで、過去に買った口数が受け取る分配金利回りは高利回りになっていくだろうと考える
  • DGRWには大型のグロース株が含まれるため、株価の上昇も期待できる。ただ、株価のパフォーマンスはVOOなど、S&P500連動の伝統的なインデックスファンドと類似している

結論としては、DGRWはS&P500連動の投信と類似性が高いものの、下落を多少抑えられる可能性がある点と分配金利回りがちょい高めという点でメリットがありそうだとわかりました。

S&P500の軍門に降りたくない人(= 筆者)にとって、DGRWは良い選択肢だと思いましたw