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UBS MSCI先進国ESG株式インデックス・ファンド(みらいゲート・先進国ESG)のパフォーマンスについて見てみる

3. 商品選択と組み合わせ




ESGは儲かるのか?」をテーマに、「UBS MSCI先進国ESG株式インデックス・ファンド(みらいゲート・先進国ESG)」のパフォーマンスを調べました。

ESG(環境・社会・ガバナンス)とは、兵器開発とか、化石燃料とか、社会にとって「良くない」企業への投資はやめよう的なやつです。

投資家にとっては社会に良いか悪いかよりも「儲かるか儲からないか」のほうが重要だと思うんです(違いますか笑)。一説にはESGスコアが高いほど株式のリターンは上がるのでは?という話もありますが、正直よくわからないです(ESGファクターというらしいですね)。

結論から述べると、ESG云々以前に、投資信託の信託報酬高いとあんまり意味ないよねwってオチになります。しかし、「UBS MSCI先進国ESG株式インデックス・ファンド」は多少ボラティリティが抑えられているなどのメリットもあり、「全くダメ」ではなさそうに感じました。

では、一緒にみていきましょう!

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UBS MSCI先進国ESG株式インデックス・ファンドについて

ファンドの仕組みついて

UBS MSCI先進国ESG株式インデックス・ファンド(みらいゲート・先進国ESG)はUBSアセットマネジメントが運用する投資信託で、日本を含む先進国株式のうち、ESGスコアの高い企業300社超に投資します。

UBS MSCI先進国ESG株式インデックス・ファンド | UBSアセットマネジメント

ファンドの仕組みは以下の通り。

UBS MSCI先進国ESG株式インデックス・ファンドの仕組み

UBS MSCI先進国ESG株式インデックス・ファンドは欧州上場のETF「UBS MSCIワールド・ソーシャリー・レスポンシブル・UCITS ETF」に投資しており、そのETFを通じて先進国株に投資されています。

2021年2月末時点での上位構成銘柄等も見てみましょう。

UBS MSCI先進国ESG株式インデックス・ファンドの上位構成銘柄等

このファンド、一般的な先進国株式ファンドの上位を占める「GAFAM」のうち、マイクロソフトにしか投資していません。2番目に比率が大きいのはテスラと、結構顔ぶれが異なります。

UBS MSCI先進国ESG株式インデックス・ファンドのセクターに注目すると、一般的な先進国株式ファンドに比べて、一般消費財やヘルスケア、生活必需品などの比率が多く、情報技術やエネルギー、公益などのセクターが抑えられています。

エネルギーや公益が少ない理由は二酸化炭素の排出と繋がるのでわかりやすいのですが、情報技術の比率も減っているのはちょっと意外です。半導体等の資源を大量に使うのがダメなのかな?

MSCIワールドSRIロー・カーボン・セレクト5%イシュアー・キャップド・インデックスについて

UBS MSCI先進国ESG株式インデックス・ファンドはベンチマークに「MSCIワールドSRIロー・カーボン・セレクト5%イシュアー・キャップド・インデックス(MSCI World SRI Low Carbon Select 5% Issue Capped Index)」を採用しています。

長くて覚えられない・・

MSCIのファクトシートによると、MSCI World SRI Low Carbon Select 5% Issue Capped IndexはMSCI World Index(一般的な先進国株式のベンチマーク)よりも高い成績を出せています(下図)。この図からは「やっぱりESGは成績が良い」って話になりそうですね。

MSCIワールドSRIローカーボンセレクト5%イシューキャップドインデックスのパフォーマンス

出典:https://www.msci.com/documents/10199/65ad7460-8d04-7d2c-791c-cdbbffc5465f

信託報酬

最後に大切な信託報酬のお話。

UBS MSCI先進国ESG株式インデックス・ファンドの信託報酬は0.4345%程度です。これは、投資先のUBS MSCIワールド・ソーシャリー・レスポンシブル・UCITS ETFのコスト(0.22%)を含みます。

この信託報酬は2021年現在の信託報酬の最低水準ではありませんが、比較的低い部類だとは思います。

パフォーマンスについて

設定来以降の運用成績

UBS MSCI先進国ESG株式インデックス・ファンドのパフォーマンスも見てみましょう(って、これが本題でしたね)。

今回は一般的な先進国株式ファンドとして、ニッセイ外国株式インデックスファンド(信託報酬は0.1%程度)を比較に利用します。UBS MSCI先進国ESG株式インデックス・ファンドは信託報酬が0.3%ほど高いので、そのコストに見合ったパフォーマンスを出し続けない限り、ニッセイ外国株式インデックスファンドに負けます

というわけで、そのグラフが以下。

UBS MSCI先進国ESG株式インデックス・ファンドのパフォーマンス

UBS MSCI先進国ESG株式インデックス・ファンドはコロナショックのタイミングではニッセイ外国株式インデックスファンドを上回ったものの、全体的にパフォーマンスに劣ることが多いように見えます。

成績差を取ると以下の通り。青い線が上に振れた場合は、UBS MSCI先進国ESG株式インデックス・ファンドが負けている時です。

UBS MSCI先進国ESG株式インデックス・ファンドとニッセイ外国株式インデックスファンドのパフォーマンス差

このグラフからは信託報酬で負けているとは言い切れないものの、なんとなくUBS MSCI先進国ESG株式インデックス・ファンドの成績はニッセイ外国株式インデックスファンドに劣り続けそうにも見えます。ベンチマークレベルではESGが勝っていたため、どうしても信託報酬で成績が下がる分、「ESGは高パフォーマンス」のメリットが薄れるように感じます。

下落率が抑えられている?

ところで、ESG投資にはボラティリティを抑える効果があるとされています。

一般に ESG 投資は、中長期的な観点での投資資金を呼び込むといわれており、これにより将来の価格変動リスク抑制に繋がることが期待されている。

出典:ESG投資とスマートベータ | 三菱UFJ信託銀行(pdf)

そこで、ファンドの下落率も見たのが以下のグラフです。

UBS MSCI先進国ESG株式インデックス・ファンドの下落率

下落率で見ると、UBS MSCI先進国ESG株式インデックス・ファンドのほうが優秀です。といっても、大差はありませんが興味深いです。

期間中の1日あたりの株価変動は、UBS MSCI先進国ESG株式インデックス・ファンドがニッセイ外国株式インデックスファンドよりも少し抑えられていました。「リスクを低減しつつ先進国株式相当のリターンを得る」という目的で使い道があるのかもしれません。

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まとめ

  • UBS MSCI先進国ESG株式インデックス・ファンドは日本を含む先進国株式に投資している
  • ベンチマーク上では、一般的な先進国株式のベンチマークを上回る。しかし、信託報酬の影響もあり、UBS MSCI先進国ESG株式インデックス・ファンドの成績はニッセイ外国株式インデックスファンドに微妙に劣った
  • UBS MSCI先進国ESG株式インデックス・ファンドは下落率では優れる傾向にあった

記事執筆時点でUBS MSCI先進国ESG株式インデックス・ファンドの純資産は4.6億円程度。つみたてNISA対象でもないので、買う人は限られそうなのもデメリットの1つでしょうか。

みらいゲートって愛称を見ると買いたくなりますよね、個人的にw