先日、「楽天証券でiDeCoを始める事に関心があるが、運用などわからないから教えて欲しい」という質問をいただきました。
その時は時間的余力が無かったので、「投資信託を100円から買って、自分で学んで欲しい」との回答をしたのですが、今回改めて記事にしたいと思いました。
結論からいうと、やはり「楽天証券に口座開いて、100円から投資信託買ってみてよ。それで慣れたら楽天証券でiDeCoを始めよう」というところを伝えたいです。
運用を始める前にアセットアロケーションをしっかり組んだとしても、実際運用してみたら「怖い。こんなはずじゃなかった」って思うことって多々あります。
だから、経験値とともに、自身にあった運用を見出せるようになってほしいのです。
以下、楽天証券のiDeCoの特徴、商品ラインナップのポイントと、どのように運用するかを一緒に考えていきましょう。
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楽天証券のiDeCoの特徴
投資信託を買って運用したい人向けの商品ラインナップ
楽天証券のiDeCoの商品ラインナップは、投資信託を買って運用したい人向けに構成されています。
楽天証券に限った話ではありませんが、ネット証券系のiDeCoはどこも投資信託が充実していて、定期預金や保険付帯商品などは1つか2つある程度です。
という状況からも、楽天証券(やネット証券)のiDeCoを使うなら、投資信託の利用を前提に運用を考えます。
たわらノーロードシリーズや楽天バンガードシリーズなど、有名商品ラインナップ
楽天証券のiDeCoの魅力的な商品と言えば、
- たわらノーロードシリーズ(日経225・国内債券・先進国株式・先進国債券)
- 楽天バンガードシリーズ(全米・全世界)
あたりが挙げられるでしょうか。
特に、
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
は個人投資家の人気も高く、このあたりを軸に運用している方も多いはず。
一方、めんどくさがり屋にはセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドも悪くないと思います。
ちなみに元本確保型商品は「みずほDC定期預金」の一本だけなので、やはり投資信託メインでの運用になりますね。
資産運用は楽天iDeCoだけでもいい
楽天証券のiDeCo商品ラインナップは、2018年10月31日時点で、
- 国内株式:6本
- 国内債券:2本
- 国内REIT(不動産投資信託):2本
- 海外株式:5本(うち新興国:1本)
- 海外債券:4本(うち新興国:1本)
- 海外REIT:1本
- 国内外株式:2本
- コモディティ(金):1本
- バランス:5本
- ターゲットイヤー:3本
と、主要な世界の資産セクターをカバーする商品ラインナップになっています。
正直、これらの積み立てだけで資産運用を完結させることも問題なく、「iDeCoへの積み立て + 定期預金・積立定期預金」だけでも老後への備えは十分賄えます。
どんな運用をすればいい?
iDeCo以外の資産運用をやらない場合
以下のファンドのどちらかに積み立てるだけで良いと思います。
- リターン重視なら:楽天・全世界株式インデックス・ファンド(全世界株式への分散投資)
- リスク回避重視なら:セゾン・バンガード・グローバルバランス(全世界株式と債券への分散投資)
投資に関心ない人、あんまり関心を持ちたくないなら、これらに積み立てて、あとはバイアンドフォーゲット(買って、買ったことを忘れろ)です。
もうちょっとしっかり運用したい場合
最初にアセットアロケーションを決める
もうちょっとしっかり考えたい場合には、他の記事でも触れたように、最初にアセットアロケーションを決めます。
アセットアロケーションとは国内債券や国内株式などの比率のことで、ここではまだ具体的な商品名は出ません。
アセットアロケーションとは、運用する資金を国内外の株や債券などにどのような割合で投資するのかを決めることをいいます。アセットとは「資産」、アロケーションとは「配分」という意味を持っています。
資産は、大きく分けて「現預金」「国内株式」「国内債券」「外国株式」「外国債券」「不動産」「商品・金」など、同じような特性を持つ商品のグループを指します。アセットアロケーションは、その人の資産状況やリスク許容度、運用目的などによって人それぞれで適切な配分が異なります。
また、具体的に商品を組み合わせたものをポートフォリオといいます。
私たちは普段日本円資産(円建ての預金や保険など)を保有していますから、アセットアロケーションを考える際には外国株式(先進国株式)を中心に投資先を考えると資産のバランスが取れます。
実際、筆者のアセットアロケーションも先進国株式中心です。
ただし、先進国株式そのものはリスクの高い商品で、1年間で投資額の数十%を失う可能性もあります。
2018年10月は1ヶ月で全世界で約10%の株安になったそうですが、この株安でも「怖い・不安だ」と感じる方も結構いらっしゃいます。
10月世界株安の爪あと
北米、欧州は今日と明日、アジアは明日のみでどこまで戻せるか・・・ pic.twitter.com/rxIxtbyV1X
— 神田卓也 (@KandaTakuya) 2018年10月30日
今月の株価下落。正直なところ・・・
— みらい@たわら最適化バランス太郎 (@instockexnet) 2018年10月23日
そのような場合には先進国債券や国内債券の比率を多めにとります。
ちなみに筆者がオススメする「4資産均等配分」は
- 国内株式:25%
- 国内債券:25%
- 先進国株式:25%
- 先進国債券:25%
のアセットアロケーションです。
このあたりは以下のようなツールを使って決定することが多いです。
投信アシスト(ポートフォリオ分析で遊んでみて)
アセットアロケーションを決めたら、商品(ポートフォリオ)を決める
アセットアロケーションを決めたら、あとは具体的な商品を決定します。
例えば、先ほどの4資産均等配分ならば、
- 国内株式:25%・・・三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド
- 国内債券:25%・・・たわらノーロード国内債券
- 先進国株式:25%・・・たわらノーロード先進国株式 or 楽天・全米株式インデックス・ファンド
- 先進国債券:25%・・・たわらノーロード先進国債券
と、それぞれ対応する商品が決まりますね。
上述の通り、楽天証券iDeCoには定期預金は1つしかないので、預金などの安全商品はiDeCo外で運用することになります。
アセットアロケーションは運用を始めてから変えてもいい
iDeCoは「スイッチング」にて、デメリットなく商品の乗り換えができますので、最初に決めたアセットアロケーションを固持する必要はありません。
そういう意味では、最初はリスクを低めに運用を始めて、慣れてきたら株式重視にお金を割り振るのでも良いと思います。
iDeCoの前に。「予行練習」は特定口座(や「つみたてNISA」)で始めてみよう
iDeCoは、
- 一度入れたお金は60歳(法改正で65歳になるかも)まで出金不可(2018年10月現在)
- 毎月の掛け金の変更は書類(「加入者掛金額変更届」)申し込み
- 掛け金の変更は1年で最大1回のみ
と運用上の条件があり、「やっぱりやめたくなった or 運用条件を変えたくなった」ときの手続きが面倒です。
そこで、筆者個人としては、あなたがまったく運用も投資信託のこともわからないうちは、楽天証券の特定口座(や「つみたてNISA」)で練習してみることもオススメ。
楽天証券の特定口座やつみたてNISA口座なら、
- 100円から投資信託を買えます
- 投資額はいつでも変更できます
- 運用をやめるのもウェブから簡単に操作するだけ
といった運用上の条件がありません。
楽天証券の場合、特定口座やつみたてNISA口座の資産とiDeCoの資産を同じ画面で管理できますので、慣れてきたら
- 楽天証券iDeCoで投資信託を買う
- 楽天証券の特定口座 or つみたてNISA口座で投資信託を買う
と、それぞれのサービスで投資信託を買ってポートフォリオを組むことができます。
特定口座 or つみたてNISA口座なら、eMAXIS slimシリーズのような人気商品も選べますので、iDeCoと特定口座 or つみたてNISAのそれぞれの良いところを生かして運用することも可能になります。
楽天証券iDeCoで発生するコストと支払い方法
- 加入時に支払うお金:2777円(税込み)
- 掛け金を支払っているときに払うお金:167円(税込み・毎月)
- 掛け金を支払っていないときに払うお金:64円(税込み・毎月)
あなたが楽天証券iDeCoに申し込みを行なうと、最初の1回に限り、2,777円の手数料がかかります。
この手数料は初回の掛け金から差し引かれるはずです。
また、毎月積み立てを行なうと、1回の積み立てごとに167円のコストが掛け金から引かれます。
例えば、あなたが毎月1万円積み立てようとしているなら、
- 1回目の積立額:7,056円(1万円 – 167円 – 2,777円)
- 2回目以降の積立額:9,833円(1万円 – 167円)
となります。
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まとめ
- 楽天証券のiDeCoはたわらノーロードシリーズや楽天バンガードシリーズが特徴的。主要なアセットは一通りそろえてある
- 元本確保型商品は定期預金が1つだけなので、預金などの安全資産はiDeCo以外で運用しよう。投資信託の運用に関心がないなら、楽天証券のiDeCoはやめたほうがいい
- しっかり運用を考える際には、最初にアセットアロケーションを考える。株価の下落に不安を感じる人は多いので、最初はリスクを抑えた運用にし、なれたら株式重視に変えてもいい
とりあえず、楽天証券に口座を開設し、100円で投資信託(eMAXIS slim 先進国株式インデックスなど)を買ってみれば良いと思います。
そうすれば、「投信を運用するとどうなるか」がわかってきますから、それから楽天証券でiDeCoを始めても遅くはありません。
投信選びになれたら、「楽天証券のiDeCoより、もっと他のiDeCoがいい」って目移りする可能性だってありますしね!