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アセットアロケーションにREIT(不動産投資信託)を含めるかどうかを評価してみた

FTSE NAREIT All REITs Index3. 商品選択と組み合わせ




結論から述べると、REIT(リート。不動産投資信託)を含めることで、リターンを保ったままリスクを低減することができます

債券や株式のような伝統的な資産に比べると歴史が短いものの、アセットアロケーションに少量加えておくと良い気がしてきました。

では、詳しく。

REIT(リート)と言えば、割と毎月分配型投信のイメージがありますが、インデックス投資においてももちろんREITに投資する投資信託があります。

今回は、

  • 過去の実績データ
  • 将来の予測データ

の2つを用いて、日本株 + 先進国株のアセットに先進国REIT(米国REIT)を加えたらどうなるかを検証してみました。

本当はもっとアセットの数を増やしたいのですが、それをするにはエクセルでVBA組んだほうが良さそうなので、それはおいおい作ったら、ってことにしておきます。

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ケース1:過去の株式にREIT(不動産投資信託)を混ぜる

野村アセットマネジメントの投信アシストのデータと三菱UFJ国際投信のeMAXISの相関係数のデータを利用し、REITを含めたときのリスクとリターンの値を求めてみました。

投信アシスト | 野村アセットマネジメント

相関係数 | 三菱UFJ国際投信

リスクとリターン(投信アシストより。2019年3月22日時点)
リターンリスク
日本株4.6%17.5%
先進国株9%18.8%
先進国REIT9.2%21.9%

その結果が以下のグラフです。

アセットアロケーションにREITを追加(過去データ)

最も低リスクになるポイントは、日本株60%、先進国株20%、REIT20%のアセットアロケーションで

  • リターン:6.4%
  • リスク:16.47%
  • シャープレシオ:0.389

となります。

実はこのリスクリターンはREITを入れずとも実現できるもので、日本株60%、先進国株40%でも以下のように実現することができます。

  • リターン:6.4%
  • リスク:16.48%
  • シャープレシオ:0.386

つまり、ここで用いた過去のデータを使う限りは、わざわざREITをアセットアロケーションに含める必要はありません

先進国株の利回り(9%)以上を目指す際に、REITを入れると0.2%上乗せできた、という程度ですね。

リスクも大きく増えているわけですが・・・。

ケース2:将来予測データにREIT(不動産投資信託)を混ぜる

JPモルガンアセットマネジメントの超長期マーケット予測2019を利用して、日本株式と先進国株式(除く日本)に米国REITを混ぜたときのリスクとリターンを求めてみました。

J.P.モルガンの超長期マーケット予測 | JPモルガンアセットマネジメント

リスクとリターン(超長期マーケット予測より。2019年3月22日時点)
リターンリスク
日本株5%18%
先進国株4%19.25%
米国REIT4.5%17.75%

その結果が以下のグラフです。

アセットアロケーションにREITを追加(将来予測データ)

過去の実績(投信アシストのデータ)に比べると、データの分散が狭くなっていますね。

こちらのデータでは、最も低リスクになるポイントは、日本株40%、先進国株20%、REIT40%のアセットアロケーションで

  • リターン:4.6%
  • リスク:16.32%
  • シャープレシオ:0.282

となります。

こちらのデータではREITを含めたほうが全体的にリスクを下げることができます

もし、日本株と先進国株のみでアセットアロケーションを組んだ場合には、リターン4.7%でリスクは17.65%にとどまります。

他の2つに比べ、REITのリスクが低いために、だいたい1%のリスクの減少が見込めるってことですね。

で、結局どうすればいいの?

残念ながら、将来のことを完璧に予想するのは難しいのですが、筆者個人はREITは別に含めなくても良いとおもっています

REITを含めても含めなくても将来への備えはできるので、無いほうが簡単かなーぐらいの理由です。

現金と世界株を半々で持ったら簡単だよね、ぐらいの理由。

いつも引用する長期のトータルリターンの図ですが、株式や債券の場合には過去200年間に積み重ねてきた実績があります。

出典:https://style.nikkei.com/article/DGXMZO97637130U6A220C1000000

実はREITも同じように過去値上がりし続けてきています。

これは「FTSE NAREIT All REITs Index」という米国REITの指数です。

FTSE NAREIT All REITs Index

出典:https://www.reit.com/data-research/reit-indexes/annual-index-values-returns(英語)

これを見ると、REITもまたインフレ耐性があり、「株式のようなもの」と評価できると思います。

比較的リスク・リターンの高い商品ですから、どちらかといえば積極的に超過利益を取りに行きたいならアセットアロケーションにREITを含めて良い、という考え方ができると思います。

逆にあんまり損をしたくない場合には、REITは不要です。

ブロガーはどうか

資産形成シミュレータ「アセロラ」では、初めてもアセットアロケーションを組みやすいように、何名かのサンプルも利用できるようになっています。

それによると約半数の方がアセットアロケーションにREITを含めていますね。

このあたりは判断分かれるところなんでしょうね。

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まとめ

  • REITの過去と将来予測データを利用し、株式中心のアセットアロケーションにREITを含めるか否かの判断を行なった
  • その結果、過去のデータでは含める意味がなかったが、将来予測データではREITを含めると効果的な運用を見込めそうだった
  • 過去REITは株式同様に値上がりしてきているので、ハイリスクハイリターンな運用を目指すなら、アセットアロケーションに含めて良い

ちなみに日本だと、将来人口が減少するので、不動産価格が下がり、REIT価格も下がるのでは?といった予想もありますよね。

もしREITに投資するなら、日本を含まない先進国REITなど、世界に投資するものが良いと思います。