この記事ではアメリカを中心に先進国と一部新興国のREIT(不動産投資信託)に投資する「ニッセイグローバルリートインデックスファンド」について解説します。
ニッセイグローバルリートインデックスファンドは、日本以外の先進国のみならず、新興国のREITも網羅している点が「特徴」です。
出典:ニッセイグローバルリートインデックスファンドで、アメリカのREITを練習してみる | カン・チュンドのインデックス投資のゴマはこう開け!
筆者自身もニッセイグローバルリートインデックスファンドに投資しているため、今回は詳しく見てみたいと思ったわけです。
投資先知らずに投資している筆者w
以下、詳しく見ていきましょう!
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ニッセイグローバルリートインデックスファンドの特徴
ニッセイグローバルリートインデックスファンド(協会コード:2931313C)はニッセイアセットマネジメントが運用する投資信託の1つで、日本を除く全世界のREIT(不動産投資信託)に投資します。
<購入・換金手数料なし>ニッセイグローバルリートインデックスファンド | ニッセイアセットマネジメント
この商品は<購入・換金手数料なし>シリーズに属しています。
信託報酬や純資産などの基本情報
購入手数料 | 0% (ノーロード) |
信託報酬 実質コスト |
0.2916% 0.481% |
信託財産留保額 | 0% |
換金手数料 | 0% |
運用期限 (償還日) |
無期限 (償還なし) |
基準価額 | ニッセイAM公式 |
純資産(ベビー) 純資産(マザー) |
62億円 71億円 |
SBI証券ランキング つみたてNISA 設定件数 |
対象外 |
ニッセイグローバルリートインデックスファンドのマザーファンドは「ニッセイグローバルリートマザーファンド」といい、本商品と適格機関投資家向けファンド1本とみ共有しています。
そのため、マザーファンドの純資産はニッセイグローバルリートインデックスファンドより少し多い程度です。
先進国REITと新興国REITに投資
というわけで、「ニッセイグローバルリートマザーファンド」の投資先を確認しましょう。
主要な投資先はアメリカ、オーストラリア、欧州などですが、南アフリカ、メキシコなどの国もわずかに含まれています。全体としてはアメリカのREITが7割を占めていますので、大局的にはアメリカの影響を大きく受けます。
ちなみに米国REITの過去の実績を見ると、株式同様に値上がりしてきたことがわかります。
一方、新興国REITを投資対象とする「eMAXIS 新興国リートインデックス」は南アフリカやメキシコに加え、トルコやタイ、マレーシアにも投資しています。そういう意味では、ニッセイグローバルリートマザーファンドは「先進国REIT + 新興国REITの一部」を投資対象にしている、と言えます。
将来予想
アセロラを使って、ニッセイグローバルリートインデックスファンドの将来を予測してみましょう。アセロラの元データはJPモルガンアセットマネジメントの超長期マーケット予測2019を利用しています。
グローバルリート | |
---|---|
リターン | 4.50% ※信託報酬は考慮せず |
リスク | 17.75% |
1年間の見込み損失額 | 投資額の31% |
※JPモルガンAMの超長期マーケット予測2019のデータを利用
この数値は厳密には米国REITの予想パフォーマンスですので、計算結果は参考程度にしかなりません。
参考までに、myINDEXのデータによると、S&PグローバルREITインデックス(国内ETFの2512のベンチマーク)の過去30年のパフォーマンスは「リターン:7.9、リスク:18.9%」でした。おそらくグローバルREITのリスクは20%前後で、ほとんど株式と変わらない値動きをする商品だと言えると思います。
ここでは、ニッセイグローバルリートインデックスファンドに毎月1万円を20年間積み立てた場合の将来予測を求めてみました。以下で述べる結果は、あなたの将来の運用成績を保証しませんので参考程度にご利用ください。
出典:JPモルガンAMの超長期マーケット予測2019のデータを利用しアセロラで算出
出典:JPモルガンAMの超長期マーケット予測2019のデータを利用しアセロラで算出
この計算では、240万円(毎月1万円 × 12ヶ月 × 20年)の積み立てに対し、中央値で345.2万円、平均393.7万円の運用成績になりました。
一方、ニッセイグローバルリートインデックスファンドの20年後の元本割れの確率は23.6%でした。元本が割れて終わった場合、下位10%の運用成績は191万円(-49万円)ですので、大きく元本を割り込む可能性は捨てきれません。
投資判断
ニッセイグローバルリートインデックスファンドは商品性としては問題ありませんので、アセットアロケーションにREITを含めるかどうか、が判断のポイントですね。
- リターンを追及する場合:REITをふくめて良い。ハイリスク商品である株式とREITを組み合わせることで、リターンを保ったまま分散効果(リスクの低減)を期待できる
- 損失回避を重視する場合:REITは不要。安全性を重視するなら個人向け国債や純金ETFなどを組み入れる。リートを入れると必然的にポートフォリオのリスクが高くなる
なお、以下の点も判断材料になると思います。
- ニッセイグローバルリートインデックスファンドはつみたてNISAやiDeCoを通じて購入できないので、基本的にはそちらの非課税枠で買える商品を優先してOK
- 8資産均等型のように最初からリートを含むバランスファンドもありますので、そういったケースでは買う必要はありません
購入できる金融機関
- 岩井コスモ証券
- エイチ・エス証券
- SBI証券
- 岡三オンライン証券
- auカブコム証券(旧:カブドットコム証券)
- GMOクリック証券
- 東海東京証券
- フィデリティ証券
- ほくほくTT証券
- 松井証券
- マネックス証券
- 楽天証券
ニッセイグローバルリートインデックスファンドはつみたてNISAやiDeCoを通じて購入できません。
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まとめ
- ニッセイグローバルリートインデックスファンドは主に米国REITに投資するファンド。わずかながら新興国(南アフリカなど)も含んでいる
- 本商品を買うかどうかは、アセットアロケーションにREITを含めるかどうかで考えると良い
- つみたてNISAやiDeCoを利用している場合には、そちらへの投資を優先しよう。ニッセイグローバルリートインデックスファンドは非課税枠を利用して買うことができないので、その点で優先順位は下げていい
リートのファンドは非課税枠を利用できない点がちょっと残念ですね。
「余剰資金があれば、買って運用する」という扱いになりますが、特にリスクを取ってリターンを追及したいときには本商品を選んでみてはいかがでしょうか。