2020年に設定された「ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)」についてみていきます。ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)は全世界株式ファンドではありますが、GDP比に基づいて資産クラスの比率が設定されるため、一般的な商品よりも先進国株式の比率が小さく、新興国株式の比率が大きくなっているのが特徴です。
残念ながら、このファンドはあまり話題になりませんよね。
2020年11月末時点での、ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)の純資産は2億円ほどと、まだ投資するには心元ないです。
他のGDP型全世界株式の話題は以下よりご覧ください。

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ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)の基本的な特徴
信託報酬等
購入手数料 | 0% (ノーロード) |
信託報酬 実質コスト | 0.1144% – |
信託財産留保額 | 0% |
換金手数料 | 0% |
運用期限 (償還日) | 無期限 (償還なし) |
基準価額 | ニッセイAM公式 |
純資産(ベビー) 純資産(マザー) | 2億円 -億円 |
ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)のマザーファンドは、ニッセイ外国株式インデックスファンドやニッセイ新興国株式インデックスファンドなどと共有しています。
資産配分
ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)の資産配分は以下の画像の通り。
国内株式の比率の少なさは時価総額の全世界株式インデックスと同じですが、先進国株式(主に米国株)と新興国株式(主に中国株)の比率が大きく異なります。GDP型の名前の通り、GDPの比率でこの3つの資産クラスの比率が決められています。
資産配分における新興国株式の比率が40%はすごいですね。emaxis slim 全世界株式(3地域均等型)でも33%なので、ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)はそれ以上に新興国株式に重点的に投資することになります。
ファンドを見て感じること
さて、ファンドのスペックやコンセプトから商品性を評価してみましょう。
ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)は信託報酬が十分に低いこともあって、選択に値する商品です。ただし、現時点では純資産が少ないことから、運用を途中でやめてしまう償還リスクがあります。
しかし、マザーファンドは他の商品と一緒なので簡単に運用をやめるとは思いませんが。
運用が続く限り、純資産は増えていくと思うので、重要なのは投資に値する商品のコンセプトでしょうか。
ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)は先進国株式の比率が少ないという特徴から、米国株式の値上がりの恩恵が小さくなっています。一方、新興国株式の約4割を占める中国株式ほか、台湾や韓国、インドなどアジアの工業国の株高の恩恵を受けやすくなっています。
この特徴から、ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)は、どちらかと言えば今後中国を中心とするアジア市場の拡大で、株価も大きく伸びるだろうと予想した時に向いている商品です。一方、米国株式は将来にわたって堅実に成長し続けると考える場合には、別の商品が良いです。
大切なのは、市場よりも株価がどうなると思うか、ですね。
と考えると、米国市場が未だ健在である2020年現在は、ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)の人気が伸びにくいのもわかります。本商品よりも時価総額の全世界株式を選んだほうが良い成績になるのですから。
個人的には本商品を選ぶならば、先進国株式ファンドと新興国株式ファンドを50%ずつの比率で持つことを考えます。
というのも、将来予測によると2050年頃の新興国のGDP比率は8~9割に達する見込みであることから、ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)も将来はほとんど新興国株式に投資するファンドになってしまうかもしれないからです。
そのため、ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)はちょっと選ばないですね。つみたてNISAが終わる頃にどんな偏った資産配分になるのか・・・という怖さがあります。
なお、2020年~2030年頃にかけてはニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)が他の時価総額型の全世界株式より良い成績になるかもしれないですね。2020年11月時点の米国と中国の相場から見ると、GDP型は時価総額型よりも良い配分だと思います。
ただし将来はわかりません。良いのは今だけかもしれません。
投資上の留意点
ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)は一般的な時価総額型の全世界株式に比べて値動きが大きくなる可能性があります。割とリスク選好度の高い方向けの商品であるとも言えます。
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まとめ
- ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)はGDP比に基づいて資産クラスの比率が設定される。一般的な時価総額型に比べて先進国株式の比率が小さく、新興国株式の比率が大きい
- 一般的な時価総額型に比べて、GDP型バスケットは米国株式の影響が小さく、中国株式や台湾株式などアジア株式の影響が大きい。将来のアジア株式の株高を期待する人向け
- 2050~2060年頃には世界のGDP比の8~9割が新興市場に偏る可能性がある。その場合、GDP型バスケットはほぼ新興国株式に投資することになるかもしれない
余談ですが、米国株が上昇するか新興国株が上昇するかはある意味シーソーのような関係にあります(過去の相場はそうでした)。そのため、どちらかの市場の成長を取るという意味で、ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)の配分は時価総額型よりも良いと思ってます。
でも、上述のように、将来的に新興国株式に偏っていくのはよろしくないですね。本商品に思うのはそんなところです。
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