「米国分散投資戦略ファンド」が3月の暴落を克服してて驚く

4. 投資信託・ETF商品解説




三井住友DSアセットマネジメントの「米国分散投資戦略ファンド」というレバレッジファンドが2020年3月の株価下落をうまく克服してて驚きました。中身を確認してみると、米国債と米国モーゲージ債中心にレバレッジをかけており、株価の大幅な下落を回避していたためです。

感覚的には米国ETFの「TMF(Direxionデイリー20年超米国債ブル3倍)」に近い商品です。ただ、株やREITも少量抱えることで、価格変動の低減を図っているのも特徴です。

米国分散投資戦略ファンドの信託報酬は1%超と高いので、コストの高さには十分にご留意ください。

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というわけで、以下詳しく見ていきましょう!

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米国分散投資戦略ファンドとは

米国分散投資戦略ファンドとは、米国の株式や債券、不動産投資信託(REIT)のほか、純金(コモディティ)に分散投資を行うバランスファンドです。昨今のブームである、いわゆる「レバレッジドバランスファンド」ですが、運用そのものは機動的に配分変更を行うアクティブファンドです。

米国分散投資戦略ファンド | 松井証券(松井証券の特集ページ)

レバレッジの度合いの異なる3つのファンドから成り立ちます。

★3つの米国分散投資戦略ファンド

現在までの資産配分は以下の通り。以下は5倍コースの配分で、比率が500%になっていますが、他のコースも同様で、米国10年債とモーゲージ債が主要な資産となっています。

米国分散投資戦略ファンド(5倍コース)の資産配分

米国分散投資戦略ファンド(5倍コース)の資産配分(出典:https://www.daiwasbi.co.jp/fund/summary/1962/

【モーゲージ債とは】
住宅ローン債券(MBS)や商業施設を担保にしたローン債券(CMBS)のことです。リーマンショック以降は政府保証が付いており、比較的安全な債券として認知されています。

アセットアロケーションの見直しは毎月行われています。目論見書によるとこの見直しには、過去の相場やマクロなデータをインプットとした機械学習を行い、そこから将来の状況を予想して配分を決める、といったプロセスで行われているそうです。

こういう機械的なファンドの登場が、2020年3月の暴落相場みたいな原因にもなるのですが。

というわけで、この米国分散投資戦略ファンド基準価額がすごいのです。

この基準価額の推移を見よ!!

というわけで、ここでは米国分散投資戦略ファンド(5倍コース)の2020年4月7日までの基準価額を紹介します。

試験的にJavascriptで表示させています。

米国分散投資戦略ファンド(5倍コース)の基準価額

なんと、2020年3月の株価下落分をすべて取り戻してるではありませんか!

2020年の株式市場クラッシュ
2020年2月、新型肺炎に端を発した世界的な混乱がきっかけで、株価はかつてない速さで下落しました。米国S&P500指数は最高値更新からわずか数日で10%超の下げを記録しました。 ★「2020年...

筆者が確認した範囲では、グロ3(グローバル三分法3倍)やグローバル5.5倍バランスファンド、ウルトラバランスに楽天米国レバレッジバランスファンドなどよりも高いパフォーマンスになってます。

これは米国債と米国モーゲージ債の比率が高いためでしょうね。どちらの商品も、2020年3月の相場では一時的に売られましたが、4月に入ってからは米国の金融緩和の影響もあって買われています。

楽天米国レバレッジバランスファンドも米国債の比率が高いはずなんですが、米国株が足引っ張りすぎなんでしょうかね。

信託報酬は高いが悪くはない

米国分散投資戦略ファンドの問題点といえば信託報酬ですね。つみたてNISA対象のインデックスファンドに見慣れると吐き気がするほどに高い(笑)

★3つの米国分散投資戦略ファンドの信託報酬

  • 1倍コース:1.3225%
  • 3倍コース:1.6025%
  • 5倍コース:1.8825%

1倍コースはおそらく実質利回りは1%以下ぐらいになってしまうので、狙うならどーんと5倍コースかなw

現状、米国債やモーゲージ債の急激な金利急騰(価格の下落)はおそらくないと思うので、株価やREITの価格が戻った分だけ安定的に利益が出るんじゃないですかね?とは思います。

感覚的には、海外ETFのTMF(Direxionデイリー20年超米国債ブル3倍)に投資するのと近いと思います。以下はTMFの最近6か月の株価推移ですが、チャートの形が似てると思いませんか?

TMFの最近6か月の株価推移

出典:https://jp.tradingview.com/symbols/AMEX-TMF/

米国分散投資戦略ファンドはつみたてNISAやiDeCoを使って購入できないので、資産形成の本命にはなりえませんが、リスクなどを知ったうえで遊び心で投資するのも一興かと思います。

なお、投資リスクとしては米国で金利の急上昇が起こった場合には、債券価格は大きく下がるため、本商品の基準価額も大きく下がる可能性がある点に注意してください。個人的には「モーゲージ証券」の中身が気になります。なぜなら、質の悪いモーゲージ債を抱え込んで困っているファンドもあるのですから。

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まとめ

  • 三井住友DSアセットマネジメントの「米国分散投資戦略ファンド」を解説。米国の債券(米国債とモーゲージ債)を中心に、株式やREITなどの広く投資
  • 債券重視の投資を行っていたため、2020年3月の株価下落をうまく切り抜けた
  • 債券金利の動向に注意。感覚的にはTMF(米国債3倍)への投資に近い

最初、米国分散投資戦略ファンドを見つけたときは「すごっ」と思いましたが、記事を書いてみた後としては「ただの米国債ETF(例えばIEFや国内の1482など)やTMF買っとけばいいじゃん」となりました。信託報酬が高いので、そのコストを許容できるかですね。

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