米国大型株(S&P500)と新興市場(NASDAQ総合)の組み合わせ

3. 商品選択と組み合わせ




例えば、VOOとQQQに代表される米国大型株(S&P500)と新興市場(NASDAQ総合)の組み合わせを検証しました。一般に「低金利下ではグロース株が有利」とされており、現在の相場でS&P500指数にNASDAQ総合指数を組み合わせて「保有する」運用は理にかなっているように思います。

そこで、1990年以降のデータを利用し、もしS&P500指数とNASDAQ総合指数を50%ずつ保有していたら、どのような結果を得られたかを検証しました。その結果、基本的にはS&P500指数のみを運用する場合に比べて、パフォーマンスの底上げが期待できました

現在は日本国内の商品であっても、S&P500指数とNASDAQ市場へ投資できるので、わざわざVOOとQQQにこだわらなくてもよいのがいいですね。

以下、一緒にみていきましょう!

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組み合わせポートフォリオの運用成績

今回はそれぞれ指数のデータを用いて検証します(VOOもQQQもあまり過去に遡れないため)。用いたデータは以下の米国株の記事で使ったものと同じです。

米国株式で代表的な3指数の長期パフォーマンスの比較
この記事では、インデックス投資を通じて目にすることが多い、米国株式の代表的な3つの指数について、1990年7月以降の保有期間リターン等を求めたので紹介します。 ★対象の指数 ダウ平...

では、さっそくその結果を紹介しましょう。以下はS&P500、NASDAQ総合指数、そしてその両者を50%ずつ組み合わせた合成ポートフォリオ(以下、合成ポートフォリオと呼ぶ)を2年間運用した時のパフォーマンスです。

米国株(S&P500)、新興市場(NASDAQ総合)、両者を50%ずつ組み合わせた時の保有期間リターン

このグラフから、S&P500とNASDAQ総合指数を50%ずつの比率で保有したポートフォリオは、S&P500以上NASDAQ総合以下の中間的な成績になりやすかったことがわかります。

例外的に、ITバブル崩壊時にはNASDAQ総合よりもS&P500の成績が優れる傾向にありました(2000~2003年頃)。ただ、例外はITバブル前後ぐらいで、他の期間では一貫してNASDAQ総合が強いです。

以下はS&P500とNASDAQ総合指数を50%ずつの比率で保有したポートフォリオと米国10年債金利(名目・実質)との関係です。

米国株(S&P500)、新興市場(NASDAQ総合)、両者を50%ずつ組み合わせた時の保有期間リターンと米国10年債金利の関係

10年債の名目金利が高くなるときに、合成ポートフォリオの成績もなんとなく良くなっているように見えます。一般にグロース株は金利上昇に弱いと言われますので、NASDAQ総合を加えることで金利上昇に弱くなるかと思ってましたが、少し意外な結果です。

なお、最近のグロース株は無形資産(ソフトウェア等)からの収益が大きく、運用コストも低いことから、負債の金利を圧倒的な収益で賄える企業も多いです。そのため、金利が上昇しても収益を圧迫しにくく、金利上昇に強いとの考え方もあります。

現在はむしろ、S&P500に含まれるものの、負債を多く抱えているような伝統的な大型株のほうが金利の変化に弱いのかもしれません。

保有期間リターン

以下は、1990年から2020年までのどこかで、S&P500、NASDAQ総合指数、そして合成ポートフォリオを一定期間保有した時のパフォーマンスを線でつないだものです。

中央値で見た場合、これまで述べたように50%ずつ組み合わせた合成ポートフォリオはS&P500以上、NASDAQ総合指数以下のパフォーマンスを期待できます

米国株(S&P500)、新興市場(NASDAQ総合)、両者を50%ずつ組み合わせた時の保有期間リターン(中央値)

一方、悪かった時のケースはどうでしょうか。以下は「運の悪い」投資家が得られる期待リターンで、1を下回ると元本割れで終わったことを示します。

米国株(S&P500)、新興市場(NASDAQ総合)、両者を50%ずつ組み合わせた時の保有期間リターン(最低値)

運用年数がおおよそ15年を下回ると、S&P500、NASDAQ総合指数、そして合成ポートフォリオも元本割れで終わる可能性があります。これはちょうどITバブルの低迷期間が15年ほどだったことと関係しています。

この時、運用成績は「NASDAQ総合指数 < 合成ポートフォリオ < S&P500」となりましたので、NASDAQ総合指数だけに投資するケースよりも損失を抑えられました。

2020年現在の相場がITバブルの再来なのかはわかりませんが、バブル崩壊の低迷を超えるほどの超長期で保有できるならば、S&P500 + NASDAQという配分は悪くないかもしれませんね。

具体的な商品組み合わせ

ここまで述べたポートフォリオを実現するために、S&P500とNASDAQに連動する商品を選ぶ必要があります。

具体的な商品として「VOO + QQQ」を挙げる方が結構いらっしゃいますが、「iFree NEXT NASDAQ100インデックス」などを用いても良いと思います。その場合は、つみたてNISAでeMAXIS slim 米国株式(S&P500)を買い、特定口座でiFree NEXT NASDAQ100インデックスを買うイメージです。

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まとめ

  • 1990年以降の米国大型株(S&P500)と新興市場(NASDAQ総合)を50%ずつ組み合わた合成ポートフォリオの運用成績を検証
  • ITバブル崩壊後のNASDAQ市場低迷期を除くと、両者を組み合わせることで運用成績の向上を期待できた
  • 具体的な商品組み合わせとして「VOO + QQQ」のほか、「eMAXIS slim 米国株式(S&P500) + iFree NEXT NASDAQ100インデックス」など

NASDAQはコロナショックのどん底で買えたなら、今頃大きな利益を得ていましたね。現在は多くの銘柄が値上がりしてしまったものの、将来にわたって長く保有できるならインデックスファンドで「まとめ買い」も悪くないと思います。

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