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フィデリティ・アジア株・ファンドのパフォーマンスを見てみる

3. 商品選択と組み合わせ




フィデリティ・アジア株・ファンド」というアジアの有力株に投資できるアクティブファンドがあります。このファンドは1998年に運用が始まり、現在までに20年以上継続している歴史の長い商品です。

フィデリティ・アジア株・ファンド | フィデリティ投信

この商品、以前も紹介したことがあるんですが、今回改めてパフォーマンスなどをチェックしてみたので紹介します。

筆者は新興国株式のアセットアロケーションの一部にこの商品を使っていて、中国株がちょっとあれな現状でも保有し続けてます。アセットアロケーションをがらりと変えることが無ければ、今後もぼちぼちフィデリティ・アジア株・ファンドに投資していく予定です。

以下、詳しく見ていきましょう!

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投資対象国の確認

フィデリティ・アジア株・ファンドの投資対象国は日本を除くアジアの工業国です(下記地図赤色部分)。アクティブファンドなので、この国の中から優れた企業を探して投資することになります。

フィデリティ・アジア株・ファンドの投資対象国

パフォーマンスの確認

一般的な新興国株式インデックスを上回る優秀な成績

アクティブファンドはインデックスを超えるパフォーマンスがすべてですね。ってことで、さっそくフィデリティ・アジア株・ファンドのここまでの運用成績を見てみましょう。比較対象のインデックスファンドに、野村インデックスファンド・新興国株式(Funds-i 新興国株式)を使ってます。

フィデリティ・アジア株・ファンドのパフォーマンス

ご覧の通りに、フィデリティ・アジア株・ファンドの運用成績が優秀です。この図だけでは誤認しやすいので、成績差も見てみましょう。以下の図において、橙色の線が上向きであればフィデリティ・アジア株・ファンドの成績が優れたことを示します。

フィデリティ・アジア株・ファンドとFunds-i新興国株式の運用成績の差

フィデリティ・アジア株・ファンドは一時的にFunds-i 新興国株式に劣る場面もありましたが、大局的には一般的なインデックスファンドを超える成績を出せています

ちなみにより低コストのeMAXIS slim 新興国株式インデックスと比較しても以下の通り。

フィデリティ・アジア株・ファンドのパフォーマンス(eMAXIS slim 新興国株式インデックスとの比較)

将来も同じかはわかりませんが、少なくともここまでは、フィデリティ・アジア株・ファンドは優秀なファンドだったと言えると思います。

優秀な成績が出た理由

個人的には、フィデリティ・アジア株・ファンドの成績は投資対象の銘柄数の少なさで説明できると思います。2021年6月末時点でファンドの保有銘柄は69銘柄と結構少なめです。

フィデリティ・アジア株・ファンドの保有銘柄リスト(2021年6月末)

例えば、新興国市場では国営企業と民営企業の間で株価のパフォーマンスに大きな差があります(それを使った海外ETFもありますね)。時価総額インデックスはそういうダメな銘柄にも投資してしまう一方で、アクティブファンドならその手の企業は除外もできるはずです。個人的にはそのあたりの選別に期待してフィデリティ・アジア株・ファンドを選んでいます。

また、最近はアジアの工業国と、ブラジルやロシアといった資源国では分けて考えたほうが良いという話もあります。成長著しいアジアの有力企業に集中投資できる点もフィデリティ・アジア株・ファンドを選んだ理由です。

資源国はカナダ株でお腹いっぱい。

最近はちょっと裏目に・・

2021年8月現在では、フィデリティ・アジア株・ファンドの集中投資がちょっと裏目に出ていますね。ここでフィデリティ・アジア株・ファンドの基準価額の下落率も見てみます。

フィデリティ・アジア株・ファンドのパフォーマンス(基準価額の下落率)

過去10年、フィデリティ・アジア株・ファンドの基準価額の下落幅は一般的なインデックスファンド(ここではFunds-i 新興国株式)よりも抑えられていました。この理由は、フィデリティ・アジア株・ファンドの投資先が比較的大型株に限られていた点も大きいと思います。

ですが、最近の下落に限ってはフィデリティ・アジア株・ファンドの下落が大きめです。これは最近の中国ハイテク企業の影響が大きいです。

押し目買い投資家は数カ月にわたる壊滅的な相場下落を経て、ついに中国ハイテク株を手放し始めている

出典:中国株の押し目買い投資家、ついに「限界」に-高値から約6割下落 | Bloomberg

「政治的な締め付けで株価下落」って、これぞカントリーリスクといったところですが、逆張りにはちょうどいいのでぼちぼち買っていこうと思ってますw

結局、おすすめなの?

多少コストがかかっても、新興国株式で超過利益を期待したい場合には、フィデリティ・アジア株・ファンドは選択肢の1つになると考えています。

大型株メインのファンドなので、疑似インデックスファンドになる可能性はありますが、新興国株式は良い銘柄とそうでない銘柄の差が激しいので、選別してアクティブ運用する余地はあると個人的には思っています。

なお、フィデリティ・アジア株・ファンドは以前トウシルでも取り上げられていましたね。

長期にわたって安定した成績を収めている優良な商品も含まれています。例えば、先述した「フィデリティ・アジア株・ファンド」は、リスクも考慮に入れた定量評価指標の楽天証券ファンドスコアでも全評価期間で最高位の「5」を獲得しており、楽天証券ファンドセレクションにも選出しています

出典:リターンを20年以上、出し続けている投資信託ってあるの? | トウシル

基本的なデータ

信託報酬など

フィデリティ・アジア株・ファンドの主な特徴(2021年8月20日現在)
購入手数料0%
(ノーロード)
信託報酬
実質コスト
1.903%
2.227%
信託財産留保額0%
換金手数料0%
運用期限
(償還日)
無期限
(償還なし)
基準価額フィデリティ投信
純資産127億円

隠れコストも含めると、コストが年2%は結構すごいですよね笑。にもかかわらず、一般的なインデックスファンドを上回ってきた点で、新興国株式のパフォーマンスに驚きます。

分配金は?

今のところ、フィデリティ・アジア株・ファンドは分配金を出していません。過去の運用で1回も出してないので、今後も分配金なしでやってくんじゃないでしょうか。

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まとめ

  • フィデリティ・アジア株・ファンドの運用成績をチェック。総コストが2%を超えるけども、eMAXIS slim 新興国株式のパフォーマンスすら超える成績が魅力的
  • パフォーマンスの秘密は、少数の精鋭企業に集中投資していること。成績の足を引っ張りやすい企業が除外されているはず
  • 最近の中国ハイテク企業の締め付けの影響で、一般的な新興国株式インデックスファンドよりも下落率が大きめ

というわけで、フィデリティ・アジア株・ファンドはアリババやテンセント、TSMC等に集中投資したい人向けのファンドとも言えそうですね。カントリーリスクとのお付き合いがちょっと大変ですが、そのリスクが利益の源泉でもあるので、今後もぼちぼち投資していこうと思います。

同じフィデリティ投信のファンドの記事も書いてるので、アクティブファンドに関心があればぜひご覧になってみてください。

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