現在話題になってるウクライナ情勢を中心に、物価の話を交えながら積立投資の話を考えてみます。
結論を述べると、「どうもしない(今まで通り積み立てを継続する)」に決まってるんですが、インスタ等で「不安に思う」とコメントいただくこともあったので、文章としてまとめたいと思いました。
割と知られている話でもありますが、戦争で株価が劇的に悪くなることはなく、むしろ数か月後には何もなかったかのように反転上昇していたりします。
株価に対しては、戦争などの地政学的な有事よりも、金融危機の方が圧倒的に大きな影響を与えることがよくわかります。
だから、わたしたちは下手にポジションを動かさずに、積み立てを継続するのがベストだと考えています。
以下、もうちょっと違う観点から、話題を紹介します。
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戦争で株価はダメにはならない
というわけで、20世紀の先進国の株式と債券のパフォーマンスを見ていこうと思います。20世紀は二度の世界大戦があり、負けた国の国土は文字通り灰塵と化した時代です。
はい、みんな大好き、シーゲル先生のあの図です。
出典:Stock for the Long Run(5th edition)
この図を見て、何か思うことはないでしょうか?
★グラフが示すもの
- 掲載されたすべての国で、株式の実質利回りはプラスの収益である
- 債券の実質利回りは、プラスの国とマイナスの国がある
- 債券の実質利回りがマイナスの国は、戦争の敗戦国・もしくは大規模な戦闘が行われた国である
ポイントは、戦争で壊滅的に負けた国であっても、超長期の株式の実質利回りはプラスである点です。もちろん、これは超長期の利回りなので、数年単位ではマイナス利回りになることもあります。ですが、それは別に戦争がなくても同じです。
一方、債券の実質利回りは戦争の敗戦国、もしくは激戦地で国土が荒廃した国でマイナスになりました。これは国の資本が失われることで戦後にハイパーインフレが生じ、債券が紙くずになってしまったためです。
という過去の事実を踏まえると、現在のロシア・ウクライナの戦争に直接関与していない国の株価は一時的には下がっても、大局的には問題がない(戦争が原因で下がり続けることはない)と予想できます。
このあたり、「株価がなぜ決まるか」を考えると、納得いく気がします。
株価が下がり続けるということは、企業の売り上げがどんどん先細って無くなってしまうような状況です。現在の局地的な戦闘で、世界の企業の売り上げがなくなるようなことはきっと無いですよね。
これらを踏まえ、「今回の戦争が株価に与える影響は限定的で、積み立て投資はそのまま継続」との考えに至ってます。
ちなみに、「証券市場の真実」という本にはアメリカや日本を含む、先進国の1900~2000年の株価推移が掲載されています。古い本ですが、その分ネットには落ちてない興味深い話が掲載されているので、市場の歴史が知りたい方にはオススメです。
この記事は、「証券市場の真実」を見た上で書いています。
それよりも物価高に警戒すべき?
ところで、ロシアはエネルギー資源、ウクライナは小麦などの食料資源で影響力のある国です。というのもあって、原油価格や小麦価格を含めたコモディティ価格が上昇しています。
もしかしたら、戦争そのものよりも物価高が今後数年にわたって悪い影響を及ぼすかもしれません。
現在株価が下落し、長期金利が高止まりし、コモディティ価格が上がっている原因はインフレと金融引き締めであり、ウクライナではない。
現在の状況を、1970年代のスタグフレーション時代の再来に重ねる話もちらほら見かけます。現在のCPI(消費者物価指数)で見たインフレ率は年率換算で7%で、1970年代と同水準です。
個人的には、アメリカはどうなるかわかりませんが、日本はスタグフレーションに向かって突き進んでいると思うんですよね。
原材料価格の上昇は日本にも確実に波及してくるはずですが、日本企業は「企業努力」で物価上昇を吸収しようとしがち。現政権は賃上げ云々と言いつつも、ここまでの実績はおそらく株価を下げただけです。
今後数年は厳しい厳しい状況が続くと思うんです。ここ数年がんばれるかで、将来安泰か暗いかはかなり変わると予想しています。
今までの知識総動員でがんばっていかねば。。
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まとめ
- 戦争の影響は一時的。長期的にみれば、右肩上がりの株価のノイズである
- 積立投資はそのまま継続。慌ててポジションを動かしたりしない
- 今警戒すべきは、物価高から生じるスタグフレーションかもしれない。個人的には一番これが怖いです
というわけで、なかなか明るい話題のない今日この頃ですが、生き延びるために一緒に頑張っていきましょうってことで。
世界の株価が10年ぐらいヨコヨコでも、積立投資で積んでいけば、その後は爆益間違いなしっすよ!