たわらノーロード先進国債券<為替ヘッジあり>はアメリカやヨーロッパの国債などに投資できる商品です。
為替ヘッジを行なっているため、円とドルや円とユーロなどの為替の変動に伴う値動きを軽減することができます。
最近の筆者、為替ヘッジ付きの外国債券に少し熱い視線を送っています。
というのも、外国株式とヘッジ付き債券は逆相関関係にあり、両者を保有することでリスク分散を図れるからです。
しかし、そうはうまくはいかないようなので、以下、商品の特徴を一緒に見ていきましょう。
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たわらノーロード先進国債券<為替ヘッジあり>とは
たわらノーロード先進国債券<為替ヘッジあり>(協会コード:4731216A)はアセットマネジメントOneが運用するインデックスファンドの1つで、同社の低コストインデックスファンドシリーズ「たわらノーロード」シリーズの1つです。
たわらノーロード 先進国債券<為替ヘッジあり> | アセットマネジメントOne
債券クラスなので、つみたてNISA対象の投資信託ではありません。
信託報酬や純資産などの基本情報
実質コストとマザーファンドの純資産は2018年10月12日の運用報告書に基づきます。
購入手数料 | 0% (ノーロード) |
信託報酬 実質コスト | 0.216% 0.230% |
信託財産留保額 | 0% |
換金手数料 | 0% |
運用期限 (償還日) | 無期限 (償還なし) |
基準価額 | アセマネOne公式 モーニングスター |
純資産(ベビー) 純資産(マザー) | 36億円 5,827億円 |
SBI証券ランキング つみたてNISA 設定件数 | 対象外 |
マザーファンドは為替フルヘッジ外国債券パッシブ・ファンド・マザーファンドといい、他のたわらノーロードシリーズと共有しています。
為替ヘッジ付き債券クラスの筆頭商品(2019年2月時点)
為替ヘッジつきの先進国債券クラスはやや種類が少なめで、eMAXIS slimシリーズや購入・換金手数料なしシリーズでは販売されていません。
2019年2月現在、このクラスでもっと低コストな商品は「りそなAM Smart-i 先進国債券インデックス(為替ヘッジあり)」で、 たわらノーロード先進国債券<為替ヘッジあり>はそれを追います。
とはいえ、純資産ではたわらノーロード先進国債券<為替ヘッジあり>のほうが圧倒的に多いため、償還リスクの低い為替ヘッジ債券ファンドとして、選択肢の筆頭候補とも言える商品です。
投資しているのはアメリカやヨーロッパなど
たわらノーロード先進国債券<為替ヘッジあり>の投資先はアメリカとヨーロッパや一部オセアニアの国々です。
出典:たわらノーロード先進国債券<為替ヘッジあり>月次レポート
先進国株式ほどはアメリカに依存しないものの、それでも資産の半分はアメリカの債券で運用されています。
たわらノーロード先進国債券<為替ヘッジあり>は、大局的にはアメリカの債券市場の動向の影響を受けていると考えて良さそうです。
為替ヘッジの実力を見せてみよ!
出典:たわらノーロード先進国債券<為替ヘッジあり>公式ページより
( ゚д゚) ・・・
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚д゚) ・・・
(つд⊂)ゴシゴシゴシ
_, ._
(;゚ Д゚) …!?
基準価額はご覧の通り、設定来以降ずっと1万円割れが続いています。
ただ、これはたわらノーロード先進国債券<為替ヘッジあり>に問題があるのではなく、ベンチマーク(FTSE世界国債インデックス(除く日本、円ベース、為替ヘッジあり))そのものが低調な結果になっているためです。
たわらノーロード先進国債券<為替ヘッジあり>はたまたま設定されたタイミングが悪かったようです。
日本-米国の場合、米国が金利上昇局面にあるので
・債券価格→下落
・ヘッジコスト→増加ということで、為替ヘッジ債券にはまったく旨味がないw
厳密には先進国債券は米国以外にも投資してるけど、ポートフォリオの半分はアメリカなので・・・
おわた/(^o^)\https://t.co/j1I5wrtDwU
— みらい@招財進寶 (@instockexnet) 2019年2月20日
★たわらノーロード先進国債券<為替ヘッジあり>の成績が振るわない理由
- ポートフォリオの半分を構成する米国債券は、金利が上昇し、債券価格は下落している
- 日本と米国の金利差が開いてきたため、ヘッジコストが増加してきている
為替ヘッジは日本と対象国の短期金利差でおおよそ決まります。
このファンドが設定された2016年10月と言えば、ちょうどトランプ政権誕生直前で、債券市場も「利上げ」が意識され始めた頃でした。
たわらノーロード先進国債券<為替ヘッジあり>の商品自体は悪くありませんが、市場環境は数年前よりも為替ヘッジに不利な状況になったのです。
超長期マーケット予測を利用して将来成績を推定する
JPモルガンAMのデータを利用
というわけで、今回はJPモルガンAMの超長期マーケット予測より、
の値を利用し、毎月1万円積み立てるものとして、投資信託の成績は正規分布すると仮定して計算しました。
以下で述べる結果は、あなたの将来の成績を保障しません。
計算結果:20年後の推定成績
先進国債券 為替ヘッジ | |
---|---|
積立元本 | 240万円 |
中央値 (実現利回り) | 272.7万円 (1.3%) |
複利 (リスクゼロの場合) | 270.8万円 |
平均値 (実現利回り) | 274.2万円 (1.3%) |
最頻値 | 264万円 (171個) |
最大値 | 397.2万円 |
最低値 | 174.6万円 |
20年後 元本割れの確率 | 8.6% |
入力したリターンが1.25%なので、20年運用しても大して増えないですね。
その代わり、リスクも低いため、中央値と平均値の差が小さく、ブレが小さい結果にもなります。
ちょっと利回りのよい国内債券を運用するのと同じようなイメージです。
為替ヘッジで通貨の金利差を取り除いてるわけですから、ヘッジ後の利回りは国内債券とさほど変わらなくなるのが正しいと思います。
ちなみに:為替ヘッジの有無でどう変わる?
JPモルガンAMの超長期マーケット予測では、為替ヘッジの有無に関係なく、リターンの値は同じで、リスクの値だけ異なります。
先進国債券 (除く日本) ヘッジあり | 先進国債券 (除く日本) ヘッジなし | |
---|---|---|
リターン | 1.25 | 1.25 |
リスク | 3.5 | 9.5 |
出典:JPモルガンアセットマネジメント超長期マーケット予測2019
そのため、期待リターンは同じですが、ヘッジの分だけリスクが抑えられた為替ヘッジ有りのほうが、目標利回りに達する可能性が高くなります。
単刀直入に言えば、失敗したくない人のための商品ってことですね。
ただし、過去のデータでは為替ヘッジすることで、結果的に利回りも抑えられているようです。
出典:投信アシスト
ので、
- よりリターンを得たいならヘッジは不要
- (リターンが下がってもよいので)できるだけ大損を避けたいならヘッジあり
になるかと思います。
先に述べたように、今はヘッジ付き債券にとって不利な状況が続いていますので、そのあたりは我慢できる人向けです。
たわらノーロード先進国債券<為替ヘッジあり>の販売金融機関
たわらノーロード先進国債券<為替ヘッジあり>は以下の金融機関で販売しています。
- SMBC日興証券
- SBI証券
- 岡三オンライン証券
- auカブコム証券(旧:カブドットコム証券)
- 長野證券
- 松井証券
- マネックス証券
- 楽天証券
- 千葉興業銀行
- みずほ銀行
今なら、楽天証券で購入することでもっとも還元率を高められます。
リターンの少ない投資信託だからこそ、楽天スーパーポイントの還元などを活用できたらいいですね。
詳しくは下記記事をご覧ください。
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まとめ
- たわらノーロード先進国債券<為替ヘッジあり>は為替ヘッジ付き債券ファンドを選ぶ際の有力商品
- 投資先の約5割はアメリカ。アメリカでは金利上昇に伴い債券価格が下落し、為替ヘッジコストもかかるなど、投資に不利な状況が続いている
- ヘッジすることで、価格変動リスクは抑えられる。為替で損をしたくない人向けの商品
理屈としては、株式と組み合わせることで最高の相性を発揮するのですが、現在は相場の影響であまり儲からないだろう、と予想できる商品です。
どちらかといえば、かなり守るタイプの商品だと思います。
購入するなら1年や2年で利益を得るのではなく、長い目で利用しましょう。