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MSCI ACWI(オールカントリーワールドインデックス)の特徴。先進国と新興国の株式に投資

MSCI ACWIの投資範囲 3. 商品選択と組み合わせ




MSCI ACWIは先進国と新興国の計47カ国の株式から構成される株価指数です。MSCIコクサイインデックスに比べるとマイナーな感のある指数でしたが、eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)が登場したことで、知らぬ間に利用している個人投資家も増えたのでは?と思います。

本記事では

  • ACWIの指数の特徴
  • ベンチマークとする主な投資信託
  • 類似の指数との比較

などを紹介します。

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MSCI ACWI(オールカントリーワールドインデックス)とは

先進国と新興国の計47カ国の株式から算出される株価指数

MSCI ACWIの投資範囲

MSCI ACWIの投資地域のイメージ(厳密な構成国とは異なる場合があります)。色が濃いほど比率が高い。筆者作成のピザロを利用。

MSCI ACWI(オールカントリーワールドインデックス)とは、アメリカのMSCI社が定めた株価指数の1つで、先進国23カ国の株式と新興国24カ国の株式から算出されています。

  • 先進国部分:MSCI ワールドインデックス
  • 新興国部分:MSCI エマージングマーケットインデックス
  • この2つを合算するとMSCI ACWI

日本から利用する場合には日本を除くことが多い(= MSCI ACWI(除く日本))

MSCI ACWI(除く日本)の投資範囲

MSCI ACWI(除く日本)の投資地域のイメージ(厳密な構成国とは異なる場合があります)。色が濃いほど比率が高い。筆者作成のピザロを利用。

MSCI ACWIには日本も含まれていますが、日本の投資信託がベンチマークとして利用する場合には日本を除いていることが多いです。その場合にはMSCI ACWI(除く日本)などと表記されます。

  • 先進国部分(除く日本):MSCI コクサイインデックス
  • 新興国部分:MSCI エマージングマーケットインデックス
  • この2つを合算するとMSCI ACWI(除く日本)

構成国とパフォーマンス

47の国から構成。銘柄数は2700超

MSCI ACWIの構成国は以下の国々です。

MSCI ACWIの構成国(先進国)
アメリカ カナダ オーストラリア ベルギー デンマーク
フィンランド フランス ドイツ アイルランド イスラエル
イタリア オランダ ノルウェー ポルトガル スペイン
スウェーデン スイス イギリス オーストラリア 香港
ニュージーランド シンガポール (日本)
MSCI ACWIの構成国(新興国)
ブラジル チリ コロンビア メキシコ ペルー
チェコ エジプト ギリシャ ハンガリー ポーランド
カタール ロシア 南アフリカ トルコ アラブ首長国連邦
中国 インド インドネシア 韓国 マレーシア
パキスタン フィリピン 台湾 タイ

中国やインドなどの成長著しい国々が含まれています。その一方で、トルコやパキスタンなど、しばしば政情不安なニュースが流れてくる国々も含まれますね。

先進国と新興国の構成比率はおおよそ9:1です(日本を除く場合)。これはMSCIの具体的な資料は見当たらなかったのですが、ACWIに連動する投資信託がおおよそこの程度の比率で先進国と新興国の株式を保有しているため、そう判断しています。

将来的に新興国(中国やインド)の株価が上昇すれば、新興国の割り合いはもっと増えるかもしれません。が、今後しばらくは「アメリカを中心とした先進国に、新興国株式を少し併せ持つ」といった比率が続くと予想されます。

MSCI ACWIのパフォーマンス

以下はMSCI ACWIのファクトシートより引用した、ACWIのパフォーマンスをリスクとリターンで表示したものです。

MSCI ACWIのパフォーマンスを比較(2019年4月時点)
指数名 リターン
(1987年以降)
リスク
(過去10年)
シャープレシオ
(運用効率)
ACWI 7.79 13.92 0.35
World
(先進国)
7.83 13.62 0.35
Emerging
(新興国)
10.67 18.70 0.41

出典:https://www.msci.com/documents/10199/8d97d244-4685-4200-a24c-3e2942e3adeb

比較してみると、ACWIの運用成績はMSCI World Index(日本も含む先進国株価指数)とほとんど変わらないか、ややリスクが高いことが分かります。これはACWIの構成国比率の大部分が先進国(= World index)なので、同じになってしまうのも当然です。リスクが高い理由は新興国(= Emerging Market Index)の株価変動が大きいためで、これがACWIの株価変動をやや大きくする傾向にあります。つまりACWIはWorld index(≒ MSCI コクサイインデックス)よりもハイリスクになりやすいなのです。

ちなみに新興国(= Emerging Market Index)は先進国(= World index)よりもリターンも高くなりやすいです。ただ、ACWIはデータを見る限り、その恩恵はあまり受けられていないですね。新興国の高いリターンに期待するなら、Emerging Market Indexに連動するような投資信託を直接買ったほうが良い気がします。

以下はMSCI ACWIとほぼ同じ配分で2003年から毎年12万円(1ヶ月1万円)ずつ投資した時の運用結果を概算したものです。

出典:myINDEXで公開されているパフォーマンスを使ってアセロラで作図

この運用成績は年平均で8.9%の利回りでした。過去のデータに基づく限り、20年運用するとおおよそ年平均で4%~9%程度のリターンが期待できます

よくある質問

MSCIコクサイインデックスと違いはなんですか?

MSCIコクサイインデックスは日本を除く先進国株式からなる株価指数です。MSCIコクサイインデックスに新興国株式(MSCIエマージングマーケットインデックス)を加えるとMSCI ACWI(除く日本)になります。

以下は、先進国株式と新興国株式に投資したときのグロスリターン(配当込み。税引き前リターン)を比較したものです。

MSCIエマージングと、ACWI、Worldとの比較

出典:https://www.msci.com/documents/1296102/1362201/MSCI-MIS-EM-Dec2018-Brochure.pdf/778681c7-09c8-9142-9f08-58aa16690e0e

  • 赤:エマージングマーケットインデックス
  • 黄:MSCI ACWI(オールカントリーワールドインデックス)
  • 灰:ワールドインデックス:先進国の株価指数。ここから日本を除くとコクサイインデックス

ACWIはワールドインデックスよりもわずかにリターンが高めな傾向がありますが、これはエマージングマーケットインデックスがわずかに含まれているためです。

筆者の利用法

筆者のつみたてNISAはACWI(除く日本)に連動する「三井住友DCつみたてNISA全海外株インデックスファンド」に積立投資を行なっています。このファンドを選んだ強い根拠はありませんが、もともとつみたてNISA開始前から積み立てていたのが理由です。加えて、筆者は新興国にも投資したいと考えたので、コクサイインデックスではなくACWIのほうを選びました。

SBI証券のつみたてNISAの設定

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まとめ

  • MSCI ACWI(オールカントリーワールドインデックス)は先進国と新興国の株式からなる株価指数。日本では、日本を含めないMSCI ACWI ex Japan(除く日本)を利用することも多い
  • MSCI ACWIとMSCIコクサイインデックス(MSCI World index)との違いは新興国を含むかどうか。ACWIは新興国を含む分だけ若干リスクが高くなりやすい
  • 他社の類似ベンチマークにFTSE Global All Cap Indexがある。含む銘柄数と特に小型株への分散性で違いがある

コクサイインデックスに比べるとあまり人気のない指数でしたが、オールカントリー登場後はちょっと雰囲気変わりましたね。eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)はネット証券で購入できる投資信託ですので、投資先に困ってましたらぜひチェックしてみてください。