こんにちは、みらい(@instockexnet )です。今回は題して「リーマンショック再来時にどの程度の損失になるかをチェックする方法」。
つみたてNISA利用者のうち、自身が買っている商品名は把握しているが、その商品はどこの何に投資しているかはあまり把握していない(関心がない)方はそこそこいらっしゃるのではと個人的に思っています。
しかし、そのあたりをきちんと把握しておかないと、金融危機時に阿鼻叫喚になってしまい、精神的にもやられてしまいます。
今回はそんなことは無いように、きちんと備えておきましょうよという話です。
結論を述べると、
- ポートフォリオからアセットアロケーションを求めよう。求め方が分からなければピザロを使おう
- ピザロで求めたアセットアロケーションをmyINDEXの資産配分ツールに入力して、過去の「暴落」でどの程度の損失が発生したかをチェックしよう
- この分析結果を参考に、必ずご自身の資産配分を見直すように
です。
具体的なやり方を以下、詳しく紹介していきます。
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見込み損失額を知ることは重要だ!
つみたてNISAを長く続けるコツの1つは、将来自分がどの程度の損失を被る可能性があるのかを事前に知っておくことです。
ある程度、心の準備があればちょっとした下落で心が揺らぐことも少なくなりますし、現在のポートフォリオが妥当かどうかもチェックすることが可能です。
もちろん、将来も過去とまったく同じとは限りませんが、ある程度過去の情報は役に立ちます。
今回はこの手の例題になりやすい「リーマンショック」を例に、あなたのつみたてNISAのポートフォリオがどの程度の損失を被る可能性があるかをチェックします。
手順1:まずはポートフォリオからアセットアロケーションに変換だ
まずはポートフォリオからアセットアロケーションへの変換が必要です。
ポートフォリオとは、eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)とかeMAXIS slim バランス(8資産均等型)といった商品の組み合わせのことを指します。
一方、アセットアロケーションとは国内株式とか先進国株式とか、実際に投資している資産(アセット)の配分(アロケーション)のことです。
有名ブログなどを参考に商品を買っている方は、ご自身のポートフォリオは知っていても、アセットアロケーションは把握していないように感じます。
そのあたりを把握しましょうってお話。
「ピザロ」を使って変換できるよ
「ポートフォリオからアセットアロケーションに変換してみてください」と言われても良くわからない場合には、ピザロを使ってください。
ピザロの使い方は見れば分かると思いますが、以下の3つの流れです。
- 保有している投資信託を選ぶ(現在225ファンドをカバー)
- 現在の評価額を入力する
- ピザを作ってもらう
カバーしている投信数が少なくて恐縮ですが、それでもつみたてNISAの主要なインデックスファンドはほぼ網羅しています。
例えば、オールカントリーとSBIバンガードS&P500を保有しているとしましょう。
出典:ピザロ
入力を終えたら「シェフにお願い」します。
出典:ピザロ
重要なのは「あなたのアセットアロケーションの表」の数値です。
この数値は「大雑把な」あなたの現在のアセットアロケーションを教えてくれます。
実際には、2つ以上の資産を保有する投資信託は時価総額比率でアセットアロケーションが微妙に変動するため、多少のずれが出る場合もあります。
ですが、自分がやっていることを大まかに把握する分にはピザロを使えば十分です。
出典:ピザロ
手順2:myINDEXの資産配分ツールに入力
ピザロで求めたアセットアロケーションの数値をmyINDEXの資産配分ツール(無料ですが要登録。メールアドレスが必要です)に入力します。
ピザロの数値をそのまま打ち込むだけなので簡単です。
出典:myINDEX
入力して分析すると、分析した月より過去20年間の平均パフォーマンス(リスク・リターン・シャープレシオ)が求まります。
このパフォーマンスは分析月を基準にしているので、半年後ぐらいに試してみると、結果が変わっている場合もあります。
出典:myINDEX
重要なのは、下のほうにスクロールした時に出てくる「大暴落! あの時のリターンは?」の項目です。
ここでは、リーマンショックを含む4つの株安時の累積リターンを閲覧でき、入力したアセットアロケーションのパフォーマンスが表示されます。
参考までに、先ほどのオールカントリーとSBIバンガードS&P500の場合には「-50.3%」とおよそ資産が半分ですね(一番右側のポートフォリオの項目)。
入力した評価額は25万円なので、リーマンショックの7ヶ月で50.3%、つまり約12.5万円を失うことになります。
出典:myINDEX
なお、将来の金融危機ではこの時の損失額よりも大きくなる可能性があることにもご注意ください。
結果を元に現在のポートフォリオが妥当か見直す
以上までの分析をご自身のポートフォリオでもやってみてください。
そして、「うわ、損失額大きいな」と思った時には、必ず運用の見直ししてみてください。
おそらく多くの方は、周囲の雰囲気に流されて先進国株や米国株をがんがん買い進めてしまっており、この分析結果に驚くんじゃないかと思います。
もちろん、わかって買っているなら問題ありません。
運用を見直すときの方法は主に2つです。
- よりローリスクな資産(例えばバランスファンド)などに乗り換える
- 積立額を減らし、現金資産を増やすことで、リスク資産の割り合いを減らす
債券が多いバランスファンドなど金融商品を変えるのも1つの選択肢。あるいは運用額を減らす考え方もある。リスクをとれる方も同じで、同じ金額を株式ファンドに投資するか、商品を変えずに投資する額を増やすかで考えることができる。
いずれの選択をするにしても、つみたてNISAの場合は売却しないほうが良い(非課税枠を生かすという意味で)と思います。
ちなみに個人的にはつみたてNISAは満額使わないことを前提に、特定口座で債券ファンドも不定期的に購入しています。
これは、いわゆる「アセットロケーション(資産配置)」の考え方で、つみたてNISA口座と特定口座でリスクのバランスを取ろうというやり方です。
今後は純金も少し入れたいと思っていますが、どの商品に投資するのが妥当なのかを考えているのと、そもそもお金ちゃんが無いので実現できていません。
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まとめ
- ポートフォリオからアセットアロケーションを求めよう。求め方が分からなければピザロを使おう
- ピザロで求めたアセットアロケーションをmyINDEXの資産配分ツールに入力して、過去の「暴落」でどの程度の損失が発生したかをチェックしよう
- この分析結果を参考に、必ずご自身の資産配分を見直すように
余談:リスクとリターンで概算もできる
余談ですが、リスクとリターンの値が分かっていれば、損失見込み額の概算もできます。
損失見込み額(投資額のx%) = リターン – リスク × 2
アセロラでの概算はこの数式を使っています。
なお、この計算は運用成績が正規分布になることを前提にしているので、あくまで概算値であって、厳密な予測にはなり得ない点に注意してください。