高齢者向けの投資信託とか若者向けの投資信託といった検索があるので、それに回答します。
あなたも自分の年齢にあった投資信託が販売されていたら、それを選びたくなっちゃいますよね。
「あなたの年齢ならこれがオススメです」って。
しかし、最初に結論から述べると、若者向けの投資信託とか高齢者向けの投資信託といった商品は、「ターゲットイヤーファンド」を除いて原則ありません(明らかに高齢者を意識しているケースはありますが)。
あるのは、あなたの年齢層に関係なく投資できる、リスクの異なる商品ばかりです。
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唯一の年齢別投資信託「ターゲットイヤーファンド」
最初に、あなたはターゲットイヤーファンドなる商品はご存知でしょうか。
ターゲットイヤーファンドとは
ターゲットイヤーファンドは、将来の特定の年に向けて資産配分を切り替えながら運用する投資信託です。
運用の後半になるほどリスク資産(株式)の割合が減り、海外債券や国内短期債券での安定運用になります。
出典:https://www.fidelity.co.jp/fij/fund/focus/tdf_LP.html
よく、若者は積極的にリスクを取って、とか、高齢者は安定運用を、なんて言われます。
それを代わりにやってくれるのがターゲットイヤーファンドです。
ターゲットイヤーファンドが年齢別である理由
2030年や2040年などキリが良い年数に設定されることも多いので、自分の人生に併せて選びやすいからです。
例えば、あなたが今30歳で2050年に運用を終える投資信託を選ぶと、残り35年運用しますから、ちょうど65歳前後で運用が終わる、といった使い方ができます。
フィデリティ・ターゲット・デート・ファンドアクティブの例
例えばフィデリティ・ターゲット・デート・ファンドアクティブは
- 2030年
- 2040年
- 2050年
と、運用終了の年数が異なる3つの商品があります。
例えば、若者向けは2050年を、中高年層は2030年を選べばちょうどよいでしょうか。
ターゲットイヤーファンドは有用か
あなたがあなたの力であれこれ運用できるなら不要だと思います。
高齢者が必ずしも安定志向である必要は無い
「若いからもっとリスクを取ろう」とか「シニアだから日本国債」というのは、あくまで一般論であって、実際そうする必要はありません。
自分なりの投資ロジックを持っていれば、年齢に関係なく積極・安定運用をすればよいと思います。
将来は安定運用が最適とは限らない
また、ターゲットイヤーファンドは少しずつリスク資産から債券などの商品に切り替えていきます。
将来、債券主体の運用になったときに、
- 債券の相場が悲観的
- 債券の利回り以上のインフレが発生
なんて状況だと悲惨です。
運用コストが高い
運用コストである信託報酬が高いのもダメ押しです。
若者向け(高齢者向け)投資信託が無い理由
理由は簡単で、市場には若者向けのグレードとか、高齢者向けのシニアレベルみたいな階層が存在しないからです。
市場に年齢や経歴は関係ない
投資経験10年のベテラン30歳と、投資未経験の新人65歳が対等に「戦える」のが金融市場です。
この市場において、あなたの年齢は正直関係ありません。
老いも若きも、強いものが生き残る焼肉定食・・・ではなく弱肉強食の世界なのです。
逆に年齢ごとに決められると不利益が生じる
それはともかく、年齢ごとに商品を勝手に決められると不利なことも多いです。
例えば、
- 今世界株式が儲かっているのに、「あなたはシニアだから安定志向の日本国債だけね」なんていわれたら?
- 逆に、世界株式が悲惨な成績なのに「あなたは若いからもっとリスクを取ろう」と世界株式に投資させられたら?
そのような事柄も考えると、年齢を基準に投資先を決めるのはあまり合理的ではありません。
若かろうが老いていようが、儲かっている領域に投資してみんなで儲かるのが一番ハッピーな結果になると筆者は考えます。
基本は年齢にこだわる必要は無い
先に述べたように、あなたに投資商品を選び、運用する能力があるならば、基本年齢にこだわる必要はないと考えます。
一般的にはそうではないことが多いので、若者はリスクを取って、高齢者は安定志向でって話が推奨されますね。
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まとめ
- あなたが年齢別に運用できる投資信託を探しているなら、ターゲットイヤーファンドを要チェック
- ターゲットイヤーファンドは運用を代わりにやってくれるが、その運用は必ずしも合理的とは限らない
- ターゲットイヤーファンドを除くと、年齢別の投資信託は原則ない
ターゲットイヤーファンドは、2018年現在で主流のロボアドとかラップ口座とかの人力版みたいなものです。
デメリットもありますが、全部お任せできる点は大きなメリットに感じるのではないでしょうか。