資産形成に向いた投資信託のうち、特に有名なものに世界経済インデックスファンドがあります。
ネット証券で販売されていることが多い投資信託で、愛用者も多いですよね。
実は世界経済インデックスファンドには投資配分比率が異なる3つのファンドがあります。
- 世界経済インデックスファンド(無印):一番よく知られているもの
- 株式シフト型:株式比率を多くしたもの
- 債券シフト型:債券比率を多くしたもの
通常、世界経済インデックスファンドといったら、1つめの無印のことを示します。
今回はこれら3つの焦点を当て、それぞれの違いがどのように運用結果に関わるか紹介します。
なお、各種計算に野村アセットマネジメントが提供する「投信アシスト」を利用しました。
リスクとリターンは過去3年以降のもので、かつ2017年2月10日現在で公表されているのパフォーマンスを使っています。
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世界経済インデックスファンドの優れているところ
よくあるバランスファンドと異なり、日本市場の比率が少ない(ホームカントリーバイアスに囚われていない)点だと思います。
ホームカントリーバイアスとは
ホームカントリーバイアスとは、ホームカントリー(ここでは日本)を高く評価し、日本への投資比率を高くしてしまうことです。
世界経済インデックスファンドのようなバランスファンドでよくある話です。
例えば、世界経済インデックスファンド(無印)の国内投資比率はわずか10%です。
一方、同じバランスファンドであるDCインデックスバランス(株式80)の国内投資比率は65%(TOPIX 60% + 日本債券 5%)です。
DCインデックスバランス(株式80)は特にTOPIXへの投資比率が高く、日本株式市場の相場が、あなたの損益に直結しやすくなります。
市場の合理的な理由があって高くするなら良いのですが、「日本人なら日本に投資すべき」といった感情的な理由で投資比率を高めても、良い運用結果になるとは限りません。
例えば、あなたもご存知のように、バブル崩壊から20年以上も経った日本市場は、いまだバブル期の最高値(38,957円)を上回ることも出来ていません。
一方、リーマンショックのようなイベントを除けば右肩上がりで成長してきたのがアメリカ市場です。
2017年にはまたまたダウ最高値更新なんてニュースに沸いています。
この2国の状況を考えれば、日本よりもアメリカに投資したほうが良いですよね。
その点で世界経済インデックスファンドは国内市場比率が低いのが特徴です。
これからの成長市場は日本よりも諸外国である可能性が高いことを考えると、バイアスフリーな点は評価に値すると感じます。
3ファンドのリスクとリターンを比較
では、それぞれのリスクとリターンを算出します。
ここでの計算は世界経済インデックスファンドがベンチマークとする各種インデックスを利用しています。
- 国内債券・・・NOMURA-BPI 総合
- 先進国債券・・・シティ世界国債インデックス(除く日本、円ベース)
- 新興国債券・・・JPモルガン・ガバメント・ボンド・インデックス-エマージング・マーケッツ・グローバル・ディバーシファイド(円換算ベース)
- 国内株式・・・TOPIX(東証株価指数)
- 先進国株式・・・MSCI コクサイ・インデックス(円ベース)
- 新興国株式・・・MSCI エマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース)
3ファンドの平均利回り
無印 | 株式S | 債券S | |
---|---|---|---|
リターン (利回り) | 5.3% | 6.9% | 3.7% |
リスク | 11.5% | 13.8% | 9.3% |
シャープレシオ | 0.46 | 0.50 | 0.40 |
※小数点第2位切り上げ。
効率的に運用できるものはどれか
この結果に基づくと、計算上、最も効率的な運用を期待できる(= シャープレシオが高い)のは株式シフト型です。
一方、債券シフト型はリターンに対してリスクが高く、運用効率が悪く計算されます。値動きの激しい新興国債券が含まれているのが原因です。
全体的な傾向として、世界経済インデックスファンドは新興国債券と新興国株式を結構な割合で含みますので、ある程度の値動きは覚悟すべき商品です。
どちらかといえば、あなたが積極的なリターンを得たいときに買いたい投資信託です。
将来どのくらいのリターンを期待できる?
上記のリスクリターンを利用して、筆者作成の乱数シミュレーションツールを用いて計算してみました。
条件は30歳から60歳までの30年間、毎月1万円ずつ積み立てた計算です。
この結果は、過去の実績に基づく計算結果であり、将来の成績を保証するものではありません。
あくまで、ちょっとした数字遊びです。
無印
30年積み立て時の成績は平均900万円(投資総額360万円 + 評価益540万円)でした。
最高評価額は3,877万円、最低評価額は280万円です。また、元本割れの回数は500回中7回でした。
過去の実績に基づくと、世界経済インデックスファンドはリターンに対してリスクが大きいため、最終的な運用結果が振れやすいのが特徴です。
株式シフト型
30年積み立て時の成績は平均1,190万円(投資総額360万円 + 評価益830万円)でした。
最高評価額は4,707万円、最低評価額は239万円です。また、元本割れの回数は500回中8回でした。
リターンの高い株式比率が増えるため、計算上の資産残高も高くなりました。
株式シフト型は新興国株式がどのくらい頑張ってくれるかで結果が変わる気がします。
債券シフト型
30年積み立て時の成績は平均655万円(投資総額360万円 + 評価益295万円)でした。
最高評価額は1,590万円、最低評価額は246万円です。また、元本割れの回数は500回中25回でした。
新興国債券は高いリスクの割にリターンが少ないことも多いので、上記2つに比べて元本が割れやすくなりました。
あなたが安定性重視で債券シフト型を選ぼうとしているのでしたら、世界経済インデックスファンドよりも別のバランスファンドを選んだほうが良いです。
まとめると
運用期間は30年間、毎月1万円の積み立てです。単純に現金を積み上げると360万円になります。
この結果は、過去の実績に基づいて計算した乱数の結果であり、あなたの将来の成績を約束するものではありません。
無印 | 株式S | 債券S | |
---|---|---|---|
投資額(万円) | 360 | 360 | 360 |
平均(万円) | 900 | 1,190 | 655 |
最高(万円) | 3,877 | 4,707 | 1,590 |
最低(万円) | 280 | 239 | 246 |
元本割れ回数 | 7 | 8 | 25 |
※最高評価額の金額に夢が膨らみますが、これは割とぶっ飛んだ値だと思ってください。
世界経済インデックスファンドの手数料比較
無印 | 株式S | 債券S | |
---|---|---|---|
購入 手数料 | ~3.24% ~3.0% | ~3.24% ~3.0% | ~3.24% ~3.0% |
信託 報酬 | 0.54% 0.5% | 0.594% 0.55% | 0.486% 0.45% |
信託 財産 留保額 | 0.1% | 0.1% | 0.1% |
※2行目は税抜きでの手数料。信託報酬は年率。
上記購入手数料は最大値であり、販売する金融機関ごとに異なる点にご留意ください。
世界経済インデックスファンドはどこで売っているのか
銀行
銀行 | 無印 | 株式S | 債券S |
---|---|---|---|
静岡銀行 | ○ | × | × |
荘内銀行 | ○ | × | × |
ソニー銀行 | ○ | ○ | ○ |
栃木銀行 | ○ | × | × |
北都銀行(職域NISAのみ) | ○ | × | × |
北海道銀行 | ○ | × | × |
みちのく銀行 | ○ | × | × |
三井住友信託銀行 | ○ | × | × |
証券会社
銀行 | 無印 | 株式S | 債券S |
---|---|---|---|
SBI証券 | ○ | ○ | ○ |
auカブコム証券(旧:カブドットコム証券) | ○ | ○ | ○ |
GMOクリック証券 | ○ | ○ | × |
髙木証券 | ○ | ○ | ○ |
立花証券 | ○ | ○ | ○ |
フィデリティ証券 | ○ | × | × |
ほくほくTT証券 | ○ | × | × |
マネックス証券 | ○ | ○ | ○ |
丸八証券 | × | ○ | × |
楽天証券 | ○ | ○ | ○ |
世界経済インデックスファンドはこんな人にオススメ!
- 世界経済の成長に投資したいあなたへ
- インドや中国などの新興国が、今後さらに世界の重要な存在になると考えているあなたへ
- どちらかといえば積極的に利益を得たいあなたへ
- みんなが選んでいる売れ筋商品を買いたいあなたへ
- 資産運用で手間をかけたくないあなたへ
世界経済インデックスファンドをお得に運用したいあなたへ
楽天証券を利用すれば、世界経済インデックスファンドの購入残高に応じて、毎月楽天ポイントが貰えます。
このポイントは楽天の各サービスで利用できるものです。
保有残高 | 付加pt |
---|---|
50~200万円未満 | 50 |
200~400万円未満 | 100 |
400~600万円未満 | 150 |
600~800万円未満 | 200 |
800~1000万円未満 | 300 |
1000~2000万円未満 | 500 |
2000万円以上 | 1,000 |
1,000ポイントって1,000円相当ですから、結構大きいですよね。
世界経済インデックスファンドを利用して資産形成を図るなら、是非チェックしておくべきサービスだと思います。
今なら楽天スーパーポイントで投資信託を買えますので、投資信託でポイントを貯めて投資信託を買う、ってこともできますね。
よくある質問
3つのうちどれを買えばいいですか
無印がオススメです。3種の中で一番売れているため、愛用者が多く、情報を探すときにも便利です。
計算上、最も運用効率が良かったのは「株式シフト」です。積極的にリターンを高めたい場合には、こちらがオススメ。
「債券シフト」は新興国債券の悪いところが出る可能性が高いので、個人的にはオススメし難いです。
どの金融機関で購入すればいいですか
SBI証券や楽天証券などのネット証券がオススメ。買い付け時に手数料を支払うことなく購入できます。
期間限定のキャッシュバックキャンペーンなどを利用して、お得に運用を始めてみましょう。
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まとめ
- 世界経済インデックスファンドは無印と株式シフト型、債券シフト型の3種類
- 最近3年の実績に基づくと、長期投資に向いているのは無印か株式シフト型
- 債券シフト型はリターンに対してリスクが大きい。たとえ長期運用しても元本割れの可能性がある
通常は、よく目に入るのは無印の世界経済インデックスファンドを選んでおくのが良いと思います。
過去の実績に基づく限りは、世界経済インデックスファンドは総じてリターンに対してリスクが大きくなるようです。
元本を守るよりも積極的にリターンを狙いたいときに選びたい商品です。
SBI証券や楽天証券なら、ここで挙げた3つの世界経済インデックスファンドの全てを100円から購入できます。
実際にお試しで運用してみたい場合には最適です。