2018年7月20日より、「楽天バンガードシリーズ」に新しいバランスファンドが追加されました。
本日、『楽天・バンガード・ファンド』シリーズに新たなバランス・ファンド3商品が追加されることが発表されました。詳しくはウェブサイトをご覧ください。https://t.co/Kob7sFNu7W pic.twitter.com/1Hhj5ZAHHs
— バンガード・インベストメンツ・ジャパン (@vanguardjapan) 2018年7月3日
商品名:楽天・インデックス・バランス・ファンド
- 楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)(愛称:楽天・バンガード・ファンド(バランス株式重視型))
- 楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)(愛称:楽天・バンガード・ファンド(バランス均等型))
- 楽天・インデックス・バランス・ファンド(債券重視型)(愛称:楽天・バンガード・ファンド(バランス債券重視型))
本記事では、楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)(愛称:楽天・バンガード・ファンド(バランス均等型))について紹介したく思います。
結論から述べると、個人的な予測は外れ、楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)はイマイチ人気の出ないバランスファンドになってしまっています。
しかし、商品性は優れており、実はこれ一本でも資産形成目的の投資は十分とも言える商品だと筆者は考えています。
あまり積極的には言えませんが、「隠れオススメファンド」の1つなんです。
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楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)とは
楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)(協会コード:9I312187)は楽天投信投資顧問株式会社が設定する投資信託で、株式50%:債券50%で運用されるバランスファンドです。
楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型) | 楽天投信
楽天バンガードシリーズの1つで、これまでの「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」や「楽天・全米株式インデックス・ファンド」同様に、米国バンガード社のファンドに投資します。
楽天・インデックス・バランス・ファンドは、本商品以外にも債券重視型と株式重視型があり、本商品を加えた3つをシリーズ商品として販売されています。
- 楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)
- 楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)
- 楽天・インデックス・バランス・ファンド(債券重視型)
信託報酬や純資産などの基本情報
購入手数料 | 0% (ノーロード) |
信託報酬 実質コスト | 0.2496% 0.284% |
信託財産留保額 | 0% |
換金手数料 | 0% |
運用期限 (償還日) | 無期限 (償還なし) |
基準価額 | 楽天投信公式 |
純資産(ベビー) 純資産(マザー) | 4.3億円 – |
SBI証券ランキング つみたてNISA 設定件数 | 10位以下 |
楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)の投資先
楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)は、たった1つで全世界の株式と債券に広く投資できる商品です。
- 株式部分:バンガード・トータル・ワールド・ストック(ティッカー:VT)
- 債券部分:バンガード・グローバル・ボンド・インデックス・ファンド(こちらは非上場の投資信託)
ベンチマークはそれぞれ、
- バンガード・トータル・ワールド・ストック:FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス
- バンガード・グローバル・ボンド・インデックス・ファンド:ブルームバーグ・バークレイズ・グローバル総合インデックス
となっています。
【VT】バンガード・トータル・ワールド・ストックETFのベンチマークは約8,000銘柄の大型、中型、小型株で構成されるFTSE®グローバル・オールキャップ・インデックス。全世界の投資可能な市場時価総額の98%以上をカバーしています。VT1本に投資すれば、新興国から先進国まで世界中の株式市場への投資が出来ます!
出典:投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year2013 第1位受賞ファンド 【VT】バンガード・トータル・ワールド・ストックETFをご紹介します! | SBI証券
ブルームバーグ・バークレイズ・グローバル総合インデックスはなかなか馴染みがない指数で、筆者も初めて知ったのですが、先進国国債のみならず、新興国債券や政府関連債券、社債などを含めたインデックスであることが特徴的です。
以下は有名なシティ世界国債インデックス(現:FTSE世界国債インデックス)との特徴を比較したものです。
出典:マイナス金利環境下の投資適格債券投資 | みずほ総合研究所(pdf)
中国人民元建て国債と政策銀行債をブルームバーグ・バークレイズ・グローバル総合インデックスに採用することを発表しました。これらの債券の追加は、2019年4月より20ヶ月にわたり段階的に行われます。
グローバル総合インデックスに中国が追加された場合、人民元建て債券は米ドル、ユーロ、日本円に次いで4番目に大きな発行通貨となります。
要するに、楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)1つで全世界の株式と債券に広く投資できる、というわけですね。
個人投資家には不人気だが、実はバランスの良い商品
楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)も含む、楽天・インデックス・バランス・ファンドシリーズは実は非常にバランスのよい商品シリーズです。
以下は、楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)の記事でも紹介した図で、JPモルガンAMの「超長期マーケット予測2019」のデータを利用して、全世界株式と全世界債券(為替ヘッジあり)の資産配分と幾何平均利回り、見込み最大損失率をグラフに落としたものです。
出典:超長期マーケット予測2019を利用して筆者作成
出典:超長期マーケット予測2019を利用して筆者作成
出典:超長期マーケット予測2019を利用して筆者作成
全世界株式と全世界債券の比率が同じとき(= 楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)と同じ配分の時)、
- 幾何平均利回りは約3.5%
- 見込み最大損失率は「投資額の約15%」で、株式重視型よりも約7%低い
- シャープレシオは0.41程度で、運用効率のよさを確保できている
といった結果になります。
これは債券部分を為替ヘッジすることで為替変動リスクを低減化しているためです。
「超長期マーケット予測2019」のデータは予測データなので、もちろんこの通りの運用結果になるとは限りません。
とはいえ、この結果は比較的納得感があるもので、「だいたいこんなものだろう」と筆者は感じます。
ライバルは「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」と「世界経済インデックスファンド」
「株式50%:債券50%」って、実はバランスファンドでは結構良くある組み合わせで、特に有名な商品が以下の2つです。
- セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
- 世界経済インデックスファンド
もちろん、各資産セクターごとの細かい投資比率は異なります。
しかし、それぞれ運用方針は似ている以上、信託報酬の低い「楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)」が有利になると感じますが、いかが思うでしょうか。
セゾン・バンガード | 世界経済IF | 楽天インデックス | |
---|---|---|---|
信託報酬 | 0.60% | 0.54% | 0.2496% |
「この3商品でどれに投資するか」と言われたら、筆者は楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)を選びます。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドを運営するセゾン投信って、信託報酬の引き下げ競争には参戦しないですよね。
わざわざ、セゾン投信に専用の口座を開設してまで運用するメリットはどんどん減ってきていると思います。
将来シミュレーション
入力条件
今回は筆者作成のつみたてNISA対応モンテカルロシミュレータで将来予測を計算してみます。
項目 | パラメータ |
---|---|
リターン | 3.89 |
リスク | 9.347 |
超長期マーケット予測2019を利用して計算
計算は正規分布を前提とした乱数で行なっています。
この計算結果は将来の運用成績を保証しませんので、参考程度にご覧ください。
計算結果
仮に毎月1万円(総額240万円)を本商品に積み立てた場合、つみたてNISA終了時(2056年)の評価額は493万円(+253万円)になります。
もっとも運用が良くなかった場合の評価額は149万円で、91万円の損失です。
各年で非課税メリットを受けられる可能性は高く、計算上はだいたい80%(!)の確率で20年すべての運用で非課税メリットを受けられます。
出典:超長期マーケット予測2019を利用して筆者計算(全世界株式5:全世界債券(為替ヘッジ)5の場合)
債券市場の動向は気になるところですが、ミドルリスクミドルリターンを実現したなかなかの商品だと感じるところです。
楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)はオススメか
商品性は良いのですが、実際に買っている個人投資家は少ないため、「人気が無いから選びにくい」状態が続いていると思います。
最強と思える楽天バランスファンド均等型の純資産が2億円で唖然とした | 氷河期ブログ
せっかくバンガードと手を組んで運用している商品ですし、楽天投信にはもう少しアピールをお願いしたい・・・!
上述の通り、予測データ上は優れている商品です。
バランスファンドである以上、自分でポートフォリオを組まない投資家(何を選んで良いかわからない投資家)に向いています。
この考え方は私も好きです。実に地味ですけども😊
— たぱぞう🐘@米国株ブロガー (@tapazou29) December 14, 2019
自分も個人的には好きな商品です。家族や他人に長期資産形成なら勧めるかもしれません。割合は個人の属性による思いますが
— Key(ケイ)@家計フォワード (@kakeyforward) December 14, 2019
購入できる証券会社
- SBI証券
- 岡三オンライン証券
- auカブコム証券(旧:カブドットコム証券)
- 静岡銀行
- ジャパンネット銀行
- 松井証券
- マネックス証券
- 楽天証券
楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)は損保ジャパン日本興亜DC証券の企業型確定拠出年金でも購入できます。
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まとめ
- 楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)の投資先はバンガード社のファンド。株式50%:債券50%の比率で全世界の株式と債券に投資
- 信託報酬が低く、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドや世界経済インデックスファンドよりも低コストで運用可能
- 残念ながら、個人投資家にはあまり選ばれず、純資産の少ない状態が続いている
個人的にはもっと売れると思いましたが、販売後の状況を見ると、あまりうまくいっていない感が強いですね。
というか、バランスファンドも複数乱立してしまったため、選ぶのが難しくなってしまい、人気商品(8資産均等のような)を買ってしまうという流れに思います。
そんな中でこのバランスファンドシリーズは、注目しておいて損の無い商品だと思います。