インデックス投資経験者なら誰もが注目した(?)「SMT世界経済インデックス・オープン」の話題です。
SMTシリーズと言えば、2016年ごろまでは「Fund-i」や「eMAXIS(スリムではない)」などとともに、オススメインデックスファンドシリーズとして紹介された商品シリーズでした。
SMTインデックスシリーズの特徴 | 三井住友トラストアセットマネジメント
最近はニッセイの購入・換金手数料なしシリーズや、eMAXIS slimシリーズにお株を奪われてしまったものの、「配当貴族」とか「新興国REIT」などの「痒いところに手が届くシリーズ」として、今なお選ばれ続けています。
SMT世界経済インデックス・オープンは、3つの商品から構成されています。
- SMT世界経済インデックス・オープン:株式50%:債券50%で投資する標準的なもの。
- SMT世界経済インデックス・オープン(債券シフト):株式25%:債券75%で投資するローリスクローリターンなもの
- SMT世界経済インデックス・オープン(株式シフト):株式75%:債券25%で投資するハイリスクハイリターンなもの
この記事では、SMT世界経済インデックス・オープンに絞って、その商品の特徴や、あの商品との比較などを解説します。
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SMT世界経済インデックス・オープン(無印)とは
SMT世界経済インデックス・オープン(無印)(協会コード:64311178)は三井住友トラストアセットマネジメント(三井住友TAM)が設定する投資信託で、いわゆるバランスファンドに属する商品です。
SMT 世界経済インデックス・オープン | 三井住友トラストアセットマネジメント(公式サイト)
同社の低コスト投資信託シリーズ「SMTシリーズ(Sumitomo Mitsui Trust asset managementの頭文字?)」に属するファンドの1つです。
信託報酬や純資産などの基本情報
購入手数料 | 0% (ノーロード) |
信託報酬 実質コスト | 0.55% 0.50% |
信託財産留保額 | 0.1% |
換金手数料 | 0% |
運用期限 (償還日) | 無期限 (償還なし) |
基準価額 | 三井住友TAM モーニングスター |
純資産(ベビー) 純資産(マザー) | 8.4億円 – |
SBI証券ランキング つみたてNISA 設定件数 | ランク外 |
SMT世界経済インデックス・オープン(無印)は6つの資産クラスからなるバランスです。
そのため、マザーファンドも6種類のファンドから構成されています。
各マザーファンドは世界経済インデックスファンドやDC世界経済インデックスファンド等と共有しています。
信託報酬ランキング(2019年11月)
108位
SBI証券で2019年11月6日時点で取り扱う153本のつみたてNISA対象投信との比較。
全世界の株式と債券に投資するバランスファンド
SMT世界経済インデックス・オープン(無印)は全世界の株式と債券に投資するバランスファンドです。
2018年6月時点のアセットアロケーションは以下の比率で運用されています。
- 国内株式:3%
- 先進国株式:27.5%
- 新興国株式:19.5%
- 国内債券:3%
- 先進国債券:27.5%
- 新興国債券:19.5%
謎:なぜ世界経済インデックスファンドと同じ商品を出したの?
SMT世界経済インデックス・オープンは大人の事情で追加された?
ある程度インデックス投資をかじっていれば、「なぜ三井住友トラストアセットマネジメントは、世界経済インデックスファンドとまったく同じコンセプトのSMT世界経済インデックス・オープン(無印)を販売したのか」は疑問に思うところだと思います。
個人的には、以下のような点があるのではないか?と考えています。
- SMTシリーズとして名前を冠したバランスファンドを販売したかった
- つみたてNISA用として分けたかった(iDeCo用にDC世界経済インデックスファンドがあるように)
- 大人の事情(特に地方銀行では、世界経済インデックスファンドに買付手数料を課す場合があります)
ただ、三井住友TAMのサイトを見る限りは、SMT世界経済インデックス・オープン(無印)を大々的に売りたかったわけではないようです。
というのも、SMTシリーズに新商品を追加すると案内を出しているのですが、SMT世界経済インデックス・オープン(無印)に限ってはレポートも案内も何もなく、いつの間にか仲間入りしています。
とすると、大人の事情で追加されたのかもしれませんね。
もう1つの謎:なぜか世界経済インデックスファンドはアクティブ扱い
金融庁のつみたてNISA対象商品を見れば分かるように、同じコンセプトの商品なのに、なぜか商品区分がアクティブとインデックスで分けられています。
- 世界経済インデックスファンド:アクティブ
- SMT世界経済インデックス・オープン(無印):インデックス
これについて、カン・チュンドさんは世界経済インデックスファンドもインデックスファンドだと述べていますね。
つみたてNISAの『商品ラインナップ』では、世界経済インデックスファンド、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドとも、『アクティブ型』に分類されています。
が、両バランスファンドはまぎれもなく『インデックスファンド』であると考えます。
出典:世界経済インデックスファンド、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは、ほんとにアクティブファンドなの? | カン・チュンドのインデックス投資のゴマはこう開け!
こればかりはよくわからないので、つみップで聞いてくればよかったですね。
世界経済インデックスファンドとの比較
運用成績はSMT世界経済インデックス・オープン(無印)が下回る(理由あり)
モーニングスターのデータベースを利用して、世界経済インデックスファンドとSMT世界経済インデックス・オープン(無印)の運用成績を比較すると、世界経済インデックスファンドが上回っています。
- オレンジ:世界経済インデックスファンド
- 赤:SMT世界経済インデックス・オープン(無印)
というのも、2018年12月現在での両者のアセットアロケーションは異なっているので、成績が違うのも当然なんです。
異なるアセットアロケーションの商品を比較して、どっちが優秀・劣後している、といった直接的な比較はできないのです。
例えば、先進国株式と日本国債比較して、先進国株式が儲かったから日本国債はダメ、とは言えないでしょ??
たまに違うアセットアロケーションのファンドを比較してる人がいますが、それは優劣をあらわすものではないので注意が必要です。
なお、新興国成分が多いSMT世界経済インデックス・オープン(無印)のほうが、世界経済インデックスファンドよりも若干ハイリスクハイリターンな結果になるはずです(今のアセットアロケーションが続く限り)。
資産流入状況
2018年10月の状況に基づくと、世界経済インデックスファンドのほうが資金流入が多くなっています。
- 世界経済インデックスファンド:+10,300万円
- SMT世界経済インデックス・オープン(無印):+2,900万円
純資産量から考えても、SMT世界経済インデックス・オープン(無印)よりも世界経済インデックスファンドを買ってたほうが安心です。
結局、SMT世界経済インデックス・オープン(無印)は買いなのか?
世界経済インデックスファンド買っておけば良いと思います笑
SMT世界経済インデックス・オープン(無印)の販売金融機関
ネット証券ほか、一部の銀行で購入できます。
- SBI証券
- auカブコム証券(旧:カブドットコム証券)
- ごうぎん証券
- 松井証券
- マネックス証券
- 楽天証券
- 山陰合同銀行
- 静岡銀行
- 第三銀行
- 千葉興業銀行
- 中国銀行
- 東京スター銀行
- トマト銀行
- 北國銀行
- 三重銀行
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まとめ
- 世界経済インデックス・オープンは世界経済インデックスファンドのそっくりさん・・・だが、アセットアロケーションが違うなど、わずかな差異がある
- 世界経済インデックスファンドに比べ、やや新興国比率が高い。そのため、ややハイリスクハイリターンな成績になる可能性
- 純資産が少なく、純資産の流入も特に多いわけではないので、世界経済インデックスファンドをオススメ
「あまり純資産が集まらなかったので、早期償還します」ってオチにならなければ良いのですが。