2019年6月末時点のつみたてNISAの利用状況を元に、私たち投資家がどうつみたてNISAを利用していくか、みたいな話を紹介します。
最初に結論を述べておくとこのような感じ。
- 2019年6月末時点でつみたてNISAの口座数は約147万口座。うち、証券会社での口座開設数は約74万で稼働率は約57%
- 利用者は主に30~40代が多め。60代を超えるとつみたてNISAの目的と投資家の運用目的がずれてくることから、利用者が減ってくる
- つみたてNISA利用者とオフラインで知り合うのは難しい。情報収集はTwitterなどのSNSを使ったほうがいい
利用者は多い、とはまだ言いがたいと思います。
実際に利用するかどうかはともかく、もっと多くの人に知ってもらえたらいいですね。
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つみたてNISA利用者の利用状況
出典:2019年6月末時点の統計を利用する
金融庁が発表した2019年6月末時点のつみたてNISAの統計データを紹介しましょう。
NISA・ジュニアNISA口座の 利用状況に関する調査結果の公表について | 金融庁
このデータを勝手にグラフ化したものを紹介します。
なお、2019年6月末時点でつみたてNISA口座は147万口座です。
後述しますが、口座稼働率を考慮すると、実際につみたてNISAを利用しているのは70~80万人程度と予想されます。
年齢別口座数比率
つみたてNISAの年代別口座比率(出典:金融庁)
つみたてNISAの利用者は40代が最も多く、次に30代が続きます。
20代と50代の方もいらっしゃるのが特徴で、60代を超えると急速に比率が下がっていきます。
つみたてNISAは長期投資制度なので、60代を超えてくると制度の目的と個人の運用の目的が合わなくなるためだと思います。
これまでの掛け金(2018年1月~2019年6月末)
つみたてNISAの一人当たりの買い付け額(出典:金融庁)
このグラフは2018年1月から2019年6月末までの18ヶ月での、一人当たりの買い付け額の平均値を示します。
買い付け額なので、相場の変動は関係なく、投資信託の購入に充てた金額です。
基本的に経済力ある世代ほど掛け金が多くなっていますね。
ちなみに、仮に毎月満額で積み立てると、2019年6月末時点までで60万円の非課税枠を利用することになります。
つまり、このグラフは、多くの人はつみたてNISAの満額利用をしていない可能性も示します。
毎月の掛け金に換算すると
1人あたり毎月4,000円~8,000円ほど
つみたてNISAの一人当たりの毎月の積立額(出典:金融庁資料をもとに算出)
先ほどの掛け金を単純に18ヶ月で割り算すると、この図が求まります。
1人あたりの毎月の積立額は4,000円~8,000円程度ですね。
ただ、これはつみたてNISA口座が100%利用されたと仮定しての計算なので、もうちょっと深読みしてみます。
稼働率(50%)を考慮すると毎月8,000円~15,000円ほど
日本証券業協会の統計によると、2019年6月末までに証券会社につみたてNISA口座を開設した投資家は約74万人いて、そのうち買い付けの合った口座数は約43万口座(57%)でした。
残りの口座(約31万口座。43%)は、「口座は開設したが利用はしていない」という休眠口座なのです。
NISA及びジュニアNISA口座開設・利用状況調査結果について | 日本証券業協会
この口座稼働率を参考に、つみたてNISA口座の50%が稼動口座であると仮定して、先ほどの毎月の積立額を求めなおすと以下のグラフになります。
口座稼働率を50%と仮定しての、つみたてNISAの一人当たりの毎月の積立額(出典:金融庁資料をもとに算出)
1人あたりの毎月の積立額は8,000円~16,000円程度ですね。
統計から言えること
毎月3万円以上を積み立てている「猛者」は少ない。多くの人は「少額投資」
つみたてNISAで毎月3万円以上積み立てている人はおそらくごく少数です。
実体としては、
- 少人数の満額利用者
- 大多数の少額利用者
という構図になると予想されます。
Twitterや投資ブログなどのSNSを見ていると、満額かそれに近い利用者が多いように感じてしまうかもしれません。
しかし、「満額利用者はつみたてNISA利用者の標準的なスタイルではない」ので、無理に肩を並べる必要は無いと思います。
「だれがいくら積み立てているか」よりも「あなたがいくらなら積み立てられるのか」のほうが大切です。
別に毎月1,000円や5,000円からでも問題ないんですよ。
これです。
なんで33000円dutyみたいな流れなのか謎w
夫婦で月66000円株買うとか一般人無理でしょう。— かず@Dr.デイトレーダー (@kazuya04012007) November 14, 2019
※duty = 義務
かずさんのおっしゃるとおり33,333円マックスでなくてはいけないことなんて何もないんです。
本当に月1,000円でも1万円でもできる金額でいいと僕も思います😊— ひめだか🐟投資ブログ書いて〼 (@kotsu2life) November 14, 2019
積み立てが良いのか。他の投資が良いのか
つみたてNISAの利用者は、投資信託の積み立てを用いた資産形成に適している30~40代が多く、60代以降になると利用者が減る傾向にあります。
これはおそらく投資に求めるものが異なるためで、特に引退後は将来に向けた資産形成よりも定期的な収入に関心が向きやすいと予想されます。
以下の記事でも触れたように、特にあなたの年齢が高くなるほど、「つみたてNISAは本当に適しているのか」の検討が必要です。
つみたてNISA利用者には意外と出会えない
上述の通り、つみたてNISA口座数は147万口座に対し、実際につみたてNISAを利用しているのは70~80万人程度と予想されます。
言い換えると、「つみたてNISAを利用している人は多い」とは言いがたく、少なくともオフライン(リアル)ではなかなか出会えない存在だと思います。
もっとも、お金の話はしにくいものなので、隣人が実はつみたてNISA利用者ってことはあるでしょうけど。
もしあなたが
- つみたてNISA利用者の生の声を聞きたい
- つみたてNISA利用者とつながりたい
と考えているなら、TwitterなどのSNSを利用したほうが良いです。
ツイッターで「つみたてNISA」と検索すれば、そのツイートや利用者(プロフィールに「つみたてNISA」と書いてることが多い)を探せます。
特に誰とも運用のことを話す機会がなく、一人で運用している方にはオススメです。
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まとめ
- 2019年6月末時点でつみたてNISAの口座数は約147万口座。うち、証券会社での口座開設数は約74万で稼働率は約57%
- 利用者は主に30~40代が多め。60代を超えるとつみたてNISAの目的と投資家の運用目的がずれてくることから、利用者が減ってくる
- つみたてNISA利用者とオフラインで知り合うのは難しい。情報収集はTwitterなどのSNSを使ったほうがいい
金融庁のつみたてNISA普及活動は、今年6月ごろの老後2000万円問題以降トーンダウンしてしまいましたね。
更なる普及には厳しい道のりが続くと思いますが、このブログでは今後もつみたてNISAの話を紹介し続けようと思います。
つみたてNISAがなかなか普及しない理由って
・そもそも名前を知る機会がない
・配当金のようなわかりやすいメリットがない
・身近で誰もやってないとかなり厳しい状況だからなんですよね
テレビで「つみたてNISA長者」的な投資家の登場が待たれますが、そのときには運用期限が終わってるという😅
— Mirai Asset@東北投信🇨🇦 (@instockexnet) November 13, 2019