DGRE(ウィズダムツリー新興国株クオリティ配当成長ファンド)は米ウィズダムツリー社のETFで、新興国株式を対象とする、銘柄の「クオリティ」をファクターにしたETFです。
WisdomTree Emerging Markets Quality Dividend Growth Fund | WisdomTree
企業業績を根拠とする投資は、理に適っており、納得感があるように思えます。そこで、今回はDGREのパフォーマンスを調べ、クオリティを根拠とした投資で高いパフォーマンスを上げることができたかを調べてみました。
結果を述べると、DGREの成績はイマイチでした。取引量も少ないため、正直「この商品でなくてもいいかな」と感じます。
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DGREはどんな商品なの?
改めて、DGREは米ウィズダムツリーのETFで、新興国株式のうち、250社を超える成長性のある配当金支払い銘柄に投資します。2018年まではWisdomTree Emerging Markets Quality Dividend Growth Indexという指数に連動していましたが、現在はMSCIエマージングマーケットのネットリターンを参考にしているようです。
詳細な記述がないのが微妙ですが、同社の他の配当成長株ETFを参考にすると、おそらくクオリティ(株主資本利益率(ROE)と総資産利益率(ROA))と配当を根拠に銘柄の選別を行っていると予想されます。
面白いかなーと思ったのですが、公式に銘柄選定の話題が書いてないので、がっかり感半端ないですw
というわけで、DGREの上位構成銘柄やセクター比率などを見てみましょう。
上位構成銘柄を見ると、一般的な新興国株式には良く含まれているアリババが含まれていませんね。また、セクターを見ると、DGREは一般的な新興国株式に比べて、生活必需品(Consumer Staples)や素材(Materials)の比率が高く、一般消費財(Consumer Discretionary)の割合が少なくなっています。
その他、DGREの特徴は以下の通り。
ティッカー | DGRE |
---|---|
投資先 | クオリティと配当の条件を満たす新興国株式 |
ベンチマーク | MSCI エマージングマーケット ネットリターン |
価格 | 24.52ドル |
取引単位 | 1口 |
購入手数料 | 証券会社に依存 |
経費率 | 0.32% |
純資産 | 約83億円 (79.92ミリオンドル) |
分配頻度 | 四半期(3/6/9/12) |
分配金利回り | 2.35% |
運用会社 | WisdomTree |
パフォーマンスと分配金
DGREのパフォーマンスをチェックしてみます。参考のために、XSOE(新興国株ニューエコノミーファンド)とEEM(iシェアーズ新興国株式ETF)を比較対象に挙げました。
グラフを見ると、この期間のDGREはXSOEやEEMに負けています。配当を銘柄選定の根拠にしたため、値上がりしやすい無配銘柄を除いてしまったためかもしれません。
まあ、配当ってある程度成長した企業が出すものなので、将来性ある企業は無配かちょぴっとしか出さないこと多いですよね。。
なお、DGREの分配金利回り2.35%でEEM(2.56%)に負けています。これではDGREを選ぶメリットが無いなぁ。
出来高が少ない
余談ですが、DGREは出来高が少ないです。これは2020年9月18日と21日の2日分の取引ですが、取引が成立していない時間が多いです。
マーケットメイクは入ってるものの、NAV(基準価額)から乖離した価格での取引きが増えそうです。
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まとめ
- DGREは米ウィズダムツリーのETFで、新興国株式のうち利益率の高い配当銘柄に投資
- 2020年9月現在、DGREに関するウェブサイトの情報が乏しい
- DGREのトータルのパフォーマンスは一般的な新興国株式(EEM)に負けている
個人的には、ウェブサイトの情報が整備されてない点を重視して、DGREへの投資は見送ることにしました。コンセプトは良いと思うのですが、うまくまわってないようでちょっと残念です。
セクター比率がダメなのかな?