ゴールドの価格がずるずる下落。今後どう投資していくか

3. 商品選択と組み合わせ




ゴールドは2020年8月に1オンスあたり2075ドルを付けたあと、3か月ほどゆるゆると下落相場が続いています。投資家も勢いが弱まってきており、最近は「これからゴールドを買うのか!?」「売るべきですか?」みたいな話をされることが増えてきました。

そこで、改めてゴールドの話題に触れたいと思いました。

結論から述べると、個人的にはこれからもゴールドを買って行くつもりですが、以前ほど「近い将来報われる」との見通しは立てにくくなりましたね。2年後か10年後かはわかりませんが、そのうち「買ってて良かった」と思う日は来ると思います。

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なぜゴールドは売られているのか

さまざまな理由はありますが、一番わかりやすいのはワクチン開発が進んでおり、景気回復期待が強いからです。実際、ファイザーのワクチンが発表された2020年11月9日には、1日で100ドルほども値下がりしてしまいました。

これまでゴールドの価格上昇を支えていたのは、コロナの影響で景気が低迷し、今後さらに大規模な緩和が行われる(= 現金がさらにばらまかれる)という期待です。ワクチン開発が進むことは、追加の緩和が行われない可能性が高くなるので、ゴールドを買う理由がなくなってしまいます。

なお、それ以前から、米国の実質金利はじりじり上昇しており、ゴールドは値を下げていました。金利が上がるとゴールドよりも債券を買ったほうが良くなるので、金利上昇下でゴールドを選ぶ人が少しずつ減っていたというのが最近の状況でしょうか。

以下は赤がゴールド価格で青が10年債実質金利(インフレ連動債金利)を示すもので、両者は逆相関性が強いことが見て取れますね。

ゴールドの価格と米10年インフレ連動債の比較

ゴールドはこれからどうなる?

一時期は2300ドルまで達すると言われたゴールドですが、最近は強気と弱気の見通しが混じってきました

 Gold’s record high of $2,070 an ounce was likely the peak, at least for now, according to Westpac, which sees gold dropping below $1,650 in the next two years.(ゴールドは今後2年で1650ドルまで下落する

出典:Peak in gold price? Precious metal to drop below $1,650 in next two years, says Westpac | Kitco

The bank says gold’s advance back above $2,000 an ounce in 2021 looks inevitable as the vaccine would only slow the bull cycle.(銀行(米シティ)はゴールドが2021年に2000ドルに戻ると述べている

出典:Gold SWOT: Bullion at Risk of a “Major Collapse”? | GoldSeek

景気回復はゴールドの価格を下げます。過去の記事でも述べたように、ゴールドは「危機ヘッジ」の機能を持ちますので、危機が去ったら売られます。

一方、これまでばらまいた現金が「インフレの種」だった場合、ゴールドに分があります。コロナ対策では多額の現金が印刷された一方で、ゴールドは有限の資産です、多くの紙幣が出回ることで「ゴールドに対して現金の資産の価値が下落する」ことは十分に考えられることです。

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どちらに賭けるかは人によってわかれそうですね。

個人的にはどうする?

筆者個人としては、ゴールドを加えることでポートフォリオの運用効率が上がる可能性を信じています

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実際には、次の危機時に株価が下がり、ゴールドの価格が上がることで、リバランスツールとして使える可能性を考えています。という理由から、現時点でゴールドへの投資をやめるつもりはありません

むしろ、これから株を売ってゴールドを買っていく段階ですね。せっかく安くなってきたのだから、いっぱい買いましょうw

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まとめ

  • 2020年8月以降、実質金利の上昇やワクチンの開発が進んでいることもあって、ゴールドの価格がじりじり下がってきた
  • アナリストの予想も強気・弱気が混じってきた。一時期は2300ドルまで達すると言われたものの、すでにピークを超えたとの見通しも
  • 個人的には「危機ヘッジ」の機能を考慮して、引き続き買っていきたい(むしろ、今買うことで、将来のリバランス時に利用できる)

余談ですが、歴史上、ゴールドの価格はアメリカの民主党政権下で上がりやすく、共和党政権下ではそうでもなかったとの記録があります。これは民主党政権(というより民主党が多数派を占めた議会)が米ドル安政策を実施しやすく、ドル安で相対的にゴールドの価格が上昇したためです。

これは個人的にゴールドを見捨てない理由の1つです。