最近「新興国株式はアクティブファンドでの運用に向いているのでは?」と感じ、書いた記事です。例えば、アジア圏をテーマにすると、「フィデリティ・アジア株・ファンド」や「JPMアジア株・アクティブ・オープン」といった優秀なアクティブファンドも運用されており、これらは一般的な新興国株式のベンチマークを上回る成果を出せています。
今回は(あまり熟慮せずに買ってしまった)フィデリティ・アジア株・ファンドのパフォーマンスを例を、アクティブファンドと一般的な時価総額インデックスファンドとの比較を紹介します。特に中国やその周辺の成長に期待するならば、アクティブファンドも検討の余地ありだと感じます。
[スポンサーリンク]
アクティブファンドが向いていると思った理由
改めて「新興国株式はアクティブファンドでの運用に向いているのでは?」と思った理由を解説します。
以下の図は、ウィズダムツリーの海外ETF「XSOE」の資料から引用したもので、民営企業(青)と国営企業(灰)の過去10年ほどのパフォーマンス差を表したものです。新興国株式のパフォーマンスは国営企業を除くことで底上げされる可能性があることがこのグラフから読み取れます(少なくとも過去はそうでした)。
さて、ここでウィズダムツリーのETF(XSOEやCXSE)を選んでも良いのですが、端数のお金で気軽に買える手段として新興国株式のアクティブファンドの話が出てきます。
一般に優秀なアクティブファンドは保有する銘柄数を絞っていることが多いのと、インデックス以上のパフォーマンスを上げることが至上命題なので、少なくとも「パフォーマンスの悪い国営企業には投資しないでしょ」と仮定できます。そこで、比較的長期間運用されていて、保有銘柄数の少ないアクティブファンドを選ぶことで、パフォーマンスの底上げが期待できるのでは?と思ったわけです。
なお、アクティブファンドの信託報酬はさすがに「安い」とは言い難いなので、ウィズダムツリーのETFを選ぶのも悪くないと思います。
実際に比較してみる
今回は「フィデリティ・アジア株・ファンド」を例題に挙げます。
このアクティブファンドは新興国株式のうちアジア株式を投資対象とし、日本を除いた「MSCI ACアジア・インデックス(配当金込み)」をベンチマークにしています。組み入れ銘柄数は67(2021年1月時点)で、一般的な時価総額インデックスから見るとかなり少なめです。
MSCI ACアジア・インデックスをベンチマークとする円建てインデックスファンドは無さそうなので、今回はインデックスファンド海外新興国(エマージング)株式を比較に利用しました。
インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式が設定された2008年4月を基準にしたパフォーマンスと、保有期間リターンをそれぞれ求めたのが以下のグラフです。
アクティブファンドは時価総額に合わせて分散投資するよりも圧倒的に高いリターンが見込めました。2008年からおよそ12年運用すると、資産は2倍の差がついています。
少なくとも中国やアジア圏の成長を期待して新興国株式インデックスを買うならば、アクティブファンドのほうが高いリターンになるのでは?と期待できる結果です。
ちなみに、類似アクティブファンドに「JPMアジア株・アクティブ・オープン」があります。こちらのほうが低信託報酬でフィデリティのファンドより少し高いリターンを出せています。
アクティブファンドを特定口座のお供に
というわけで、「中国やアジア圏の成長を期待して新興国株式インデックスを買うならば、アクティブファンドを買う手もある」との話でした。
なお、投資リスクとして「フィデリティ・アジア株・ファンド」も「JPMアジア株・アクティブ・オープン」も保有銘柄数が絞られている分だけ、1銘柄あたりの影響が大きめになります。構成銘柄数を考えると、XSOEやCXSEなどのスマートベータETFのほうが分散性高めです。
個人的にはフィデリティ・アジア株・ファンドを買ってしまったので、答え合わせは10年後ってことでちまちま積み立てることにしています。
[スポンサーリンク]
まとめ
- 新興国株式は株式のパフォーマンスの悪い国営企業があり、それを除くだけでも運用成績が上がった
- アクティブファンドは一般的な時価総額インデックスを上回ることを目指しているため、優秀な企業に選択的に投資できているのでは?
- 中国やアジア圏の成長を期待するならば、それをテーマにしたアクティブファンドを選ぶ手もある
最近は有力なアクティブファンド探しにちょっとだけ興味を持っているので、また何か見つけたら記事でシェアしようと思います。
他の新興国株式の話題は以下よりご覧ください。