「たわらノーロードバランス(積極型)の評価ってどうですか?」という質問を頂いたので調べてみたってお話です。買ってる方いらっしゃいますか?
結論から述べると、「REITに投資している」「資産の一部を為替ヘッジしている」という是非が分かれる要素を除くと、割と攻めと守りのバランスの良い商品なのでは?と感じます。REITはコロナショック時のトラウマもあるものの、リスク・リターンの数値に落とし込めば成績向上の恩恵があるようです。
以下、詳しく見ていきましょう!
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たわらノーロードバランス(積極型)って何ですか?
たわらノーロードバランス(積極型)はアセットマネジメントOneが設定するバランスファンドの1つです。「たわらノーロードシリーズ」の1つです。
たわらノーロード バランス(積極型) | アセットマネジメントOne
たわらノーロードバランスには、「ただのバランス」シリーズと「最適化バランス」シリーズの2つがあります。今回紹介するのは「ただのバランス」シリーズの方です。
アセットアロケーションは上記の通り。積極型は資産の約半分が株式で、残りが債券とREITです。8資産均等型とオールカントリーを併せて持ってる方だと、無意識的にこれと似た資産配分になってる気がしますね。
その他、特筆すべき点として以下のような点があります。
★たわらノーロードバランス(積極型)の主な特徴
- 先進国債券・先進国株式の一部を為替ヘッジしている
- REIT(不動産投資信託)を含んでいる
過去の運用成績
設定来の成績
というわけで本題です。今回は主にたわらノーロードバランス(積極型)が設定された2017年11月以降のパフォーマンスを見ながら、本ファンドの特徴を考えていきます。参考にたわらノーロードバランス(8資産均等型)の運用成績も比較対象に使っています。
まず、設定来のパフォーマンスを見てみます。
設定来のパフォーマンスを見ると、たわらノーロードバランス(積極型)は8資産均等型よりも高い成績を出しています。積極型は資産配分から考えても、「8資産均等型以上全世界株式以下」の運用成績を期待できる商品です。
下落率も同様です。
たわらノーロードバランス(積極型)のコロナショック時の下落幅は約29%でした。全世界株式の下落率は約35%でしたから、たわらノーロードバランス(積極型)はやはり「8資産均等型以上全世界株式以下」になると感じます。
ちなみに、たわらノーロードバランス(積極型)は8資産均等型よりも下落することはありますが、その後の回復では8資産均等型よりも早いことも多いです(上図中で赤い点線矢印の部分)。バランスファンドとしては比較的値動きがある点が、回復力にもつながってるように感じます。
為替ヘッジの効果は?
一般的に海外の株や債券などの資産に投資する場合、その国の通貨で運用が行われます。そのため、為替の変動により、円に換算する際に資産価値も変動することになります。このような為替の影響を避けることが為替ヘッジの目的です。
たわらノーロードバランス(積極型)は先進国株式と先進国債券の一部を為替ヘッジして運用しています。その効果について、投信アシストで2つのポートフォリオを作って比較しました。資産配分は同じですが、一方は為替ヘッジ部分を全てヘッジなしに置き換えたものです。
2003年以降のデータを見ると、為替ヘッジを付けることで「利回りは低下するものの、リスクは抑えられる(シャープレシオが上がる)」効果がありました。
最適化バランスシリーズでも為替ヘッジが採用されているので、アセマネOneの中の人たちはヘッジ込みで運用したほうが有効であると考えているんでしょうね。eMAXIS 最適化バランスなどと対照的で面白いです。
REIT(不動産投資信託)は必要?
たわらノーロードバランス(積極型)は資産の4分の1をREIT(不動産投資信託)に投資しています。そこで、先ほどと同じように、同じ資産配分のものと、REITを類似の株式に置き換えたもので過去の成績を比較しました。
2003年以降のデータを見ると、REITを加えることで「期待利回りが上がり、リスクもわずかに抑えられる」効果がありました。しかし細部に注目すると、例えばリーマンショック直前の不動産バブル時の下落幅が大きくなるように、REITを加えることで値動きが大きくなる場合もあります。
最近だと、コロナショック時の値動きを見て、「REITは不要」と感じてる方も多いのかなと思ったりしています。もし、あなたが「REITは不要」と感じるなら、別の投資信託を選んだほうが良いかもしれませんね。
バランス(積極型)からREITを除いた商品として、楽天インデックスバランスファンド(株式重視型)などが近いです。
基本的なデータ
信託報酬など
購入手数料 | 0% (ノーロード) |
信託報酬 実質コスト |
0.242% 0.262% |
信託財産留保額 | 0% |
換金手数料 | 0% |
運用期限 (償還日) |
無期限 (償還なし) |
基準価額 | アセマネOne |
純資産 | 70億円 |
SBI証券ランキング つみたてNISA 設定件数 |
ランク外 |
分配金は?
今のところ、たわらノーロードバランス(積極型)は分配金を出していません。
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まとめ
- たわらノーロードバランス(積極型)は「8資産均等型以上全世界株式以下」の値動きになりそうなバランスファンド
- 純資産は人気ファンドに比べると多いとは言い難いものの、継続的な運用を期待できる(と個人的に思う)水準(30~50億円以上)には達している
- REITを含むため、「株式 + 債券」の資産配分よりもしばしば大きな値動きになるかもしれない
SNSではあまり話題にならない商品なので、そのあたりの選びにくさはあるかなぁとはちょっと感じます。ですが、REITが嫌いでなければ、攻めと守りのバランスが良くて使いやすい商品だとも思います。
ちなみに「SNSで話題にならないと言えば、こんな商品もありましたね」ということでリンクを置いておきます。最適化バランスのことも忘れないでください笑