国内債券(主に日本の国債)に投資できる著名なインデックスファンドの直近のパフォーマンスを比較してみました。もし、ポートフォリオの味付け(?)に国内債券ファンドへの投資を検討してましたら、この記事がお役に立つと嬉しいです。
結論から述べると、「eMAXIS slim 国内債券インデックス」が最も良い選択になると思います。この商品は信託報酬も低く、トラッキングエラーなどの問題も(たぶん)ないので、最も選びやすいです。
その結論に至った検証などをここから紹介していきますね。
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おすすめ商品は?
改めて、国内債券ファンドのおすすめ商品はeMAXIS slim 国内債券インデックスです。期間中もっとも低コストでパフォーマンスも安定していた投資信託です。
今回比較した国内債券ファンド
今回は、eMAXIS slim 国内債券インデックスが設定された2017年3月以降の各投資信託のパフォーマンスを比較してみました。比較対象のインデックスファンドは以下の商品。
★比較に用いた国内債券インデックスファンド
- iFree 日本債券インデックス
- Funds-i 国内債券
- eMAXIS 国内債券インデックス
- たわらノーロード国内債券
- 三井住友日本債券インデックスファンド
- eMAXIS slim 国内債券インデックス
- SMT国内債券インデックス・オープン
- ニッセイ国内債券インデックスファンド
※Smart-iなど、純資産の少ないファンドは除外しました
実際のパフォーマンスは?
というわけでパフォーマンスを見ていきましょう。
利回りはどのくらい?
今回検証した期間での国内債券インデックスファンドの利回りはおおよそ0%~0.3%でした。
2017年は日本でマイナス金利政策が始まった後です。10年国債の利回りはほぼゼロに貼り付いた後のパフォーマンスですので、今回得られた利回りは将来もさほど変わらないんじゃないかと思ってます。
トラッキングエラーの大きさ
まずはトラッキングエラー(ベンチマークの随従をどの程度外しているか)と利回りの関係を紹介します。インデックスファンドは可能な限りベンチマークに追従できるほど良い商品です。
今回は、他の投資信託と基準価額の騰落率のブレが小さい(= まとまっている)ものほどトラッキングエラーが小さいと解釈します。国内債券ファンドのベンチマークはいずれも「NOMURA-BPI総合」なので、トラッキングエラーが小さいほど騰落率のブレも似てくるはずだからです。
というわけで、改めて上図が出てくるわけですが、赤い丸で囲んだ集団が比較的利回りが高く、トラッキングエラーも小さい商品です。この丸の中にある4つの商品のどれかを選べばよいと思ってます。
★赤い丸の中にある商品
- iFree 日本債券インデックス
- たわらノーロード国内債券
- 三井住友日本債券インデックスファンド
- eMAXIS slim 国内債券インデックス
図中、ニッセイ(ニッセイ国内債券インデックスファンド)が右側に外れていますが、この商品はおそらくトラッキングエラーが大きめです。おそらくファンドが保有する債券数が少ないためです。
また、赤い丸の下に外れている3つの点はいずれも信託報酬が高い商品です。これは後述します。
利回りと信託報酬
次は信託報酬と利回りの関係です。少し外れている商品もありますが、大局的には信託報酬が低いほど利回りも高いとの関係が見られます。
国内債券ファンドの場合、もともとの資産の利回りが低いので、たとえ0.4%の信託報酬でも結構影響が大きいです。右側に外れているSMT国内債券インデックス・オープンやeMAXIS 国内債券インデックス、Funds-i 国内債券(eMAXISと重なってます)は信託報酬の影響で利回りがほぼゼロになってしまってます。
実際、eMAXIS slim 国内債券インデックスとFunds-i 国内債券の保有期間利回りと元本割れ確率の関係を見ると以下の通り。同じ資産に投資しているのに、その運用結果は大きく変わります。
国内債券インデックスから商品を選ぶと
というわけで、もっとも低信託報酬で、もっとも高パフォーマンスだったのはeMAXIS slim 国内債券インデックスでした。すでに他のeMAXIS slimシリーズを選ばれている方なら、たぶん筆者が書くまでもなく、eMAXIS slim 国内債券インデックスを選びたくなるはずです。
なお、slim以外であれば、以下の商品が将来的に低コスト&高パフォーマンスを期待できると思います。
★slim以外で国内債券に投資するインデックスファンドを選ぶなら
- iFree 日本債券インデックス
- たわらノーロード国内債券
- 三井住友日本債券インデックスファンド
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まとめ
- eMAXIS slim 国内債券インデックスが設定された2017年2月末以降~2021年9月までの主な国内債券ファンドのパフォーマンスを比較
- 低コストで高パフォーマンスだった商品はeMAXIS slim 国内債券インデックス
- 基本的には信託報酬が高いほどパフォーマンスが悪いとの関係が見える。国内債券クラスはもともとの利回りが低いので信託報酬にはこだわりたい
ちなみに「債券って必要なんですか?」とはよくある質問ですね。これは個人の価値観等で答えが変わるんですが、個人的には「尻尾と頭はくれてやれ」の精神で債券も加えることにしています。