今回は「JPX日経400インデックス」に連動する、つみたてNISA対象のインデックスファンドのパフォーマンスを比較してみました。「JPX日経400インデックス」って関心持ってますか??
資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点など、グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たした、「投資者にとって投資魅力の高い会社」で構成される新しい株価指数を創生します。これにより、日本企業の魅力を内外にアピールするとともに、その持続的な企業価値向上を促し、株式市場の活性化を図ります。
結論から述べると、「iFree JPX日経400インデックス」が最も良い選択になると思います。信託報酬だけで言えば「ニッセイJPX日経400インデックスファンド」も良さそうに見えますが、この商品には少し難があります。
その結論に至った検証などをここから紹介していきますね。
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おすすめ商品は?
改めて、「JPX日経400インデックス」に連動する投資信託のおすすめ商品は「iFree JPX日経400インデックス」です。期間中もっとも低コストでパフォーマンスも安定していた投資信託です。
今回比較したJPX日経400ファンド
今回は、つみたてNISA対象のJPX日経400関連ファンドが出そろった2017年1月以降~2021年10月までのパフォーマンスを比較してみました。比較対象のインデックスファンドは以下の商品。
★比較に用いたインデックスファンド
- iFree JPX日経400インデックス
- Funds-i JPX日経400
- eMAXIS JPX日経400 インデックス
- SMT JPX日経400 インデックス・オープン
- ニッセイ JPX日経400 インデックスファンド
実際のパフォーマンスは?
というわけでパフォーマンスを見ていきましょう。
利回りはどのくらい?
今回検証した期間でのJPX日経400インデックス関連ファンドの利回りはおおよそ7.2%~7.6%でした。
日本株も常にこのぐらいの利回りで回ったら嬉しいんですけどねw
同期間のTOPIXの利回り(1年)が6.9%(ニッセイTOPIXインデックスファンド) or 6.7%(eMAXIS TOPIXインデックス)でしたので、JPX日経400はTOPIXよりも少しだけ好利回りでした。
JPX日経400は企業の業績等に注目するスマートベータです。ファンダメンタルインデックス、またはクオリティファクターとかそういう類の特性を持っており、いずれも下落相場に強くなります。この期間はその効果があったように思います。
トラッキングエラーの大きさ
まずは1日あたりの騰落率のブレの大きさと利回りの関係を紹介します。インデックスファンドは可能な限りベンチマークに追従できるほど良い商品で、同じベンチマークを採用する以上は騰落率のぶれ幅も似てくるはずです。
というわけで、作ってみたのが以下の図です。
正直なところ、今回は比較した投資信託の母数が少ないので、全体としてどの程度上手くトラッキングできているのかがよくわからないところがあります。iFree JPX日経400インデックスも他の商品より少し左側にずれていますし。
なお、(この図からはわからないですけど)ニッセイJPX日経400インデックスファンドは何度か明確にトラッキングエラーを繰り返しています。
【悲報】ニッセイJPX日経400は再度下方乖離を起こしました | 河童のインデックス投資
信託報酬との関係
次は信託報酬と利回りの関係です。大局的には信託報酬が低いほど利回りも高いとの関係が見られます。
上述の通りに、ニッセイJPX日経400インデックスファンドだけ低信託報酬にも関わらず、利回りが下に外れていますね。この商品の問題点について見ていこうと思います。
明確に問題がありそうな商品
上述の通りに、ニッセイJPX日経400インデックスファンドは過去に何度かベンチマークからのパフォーマンスの乖離を記録しています。これについて少し見てみましょう。
以下は他のJPX日経400連動の投資信託とのパフォーマンス差を取ったものです。赤枠で囲んでいる部分は、ニッセイJPX日経400インデックスファンドがインデックスから乖離し、相対的に他のファンドの成績が良くなった時です。
明確に「崖」になっている部分はわかりやすいですね。それ以外にもちょっと怪しい箇所に四角を付けてます。
インデックスファンドはベンチマークから成績が乖離したからといって、努力して乖離前の成績に戻そうとすることはありません。頻繁に乖離を起こすファンドは、その成績差が積み重なってしまい、将来の成績に影響を与えます。
そのため、ニッセイJPX日経400インデックスファンドは、信託報酬だけ見れば悪くないのですが、運用上の難がある点は選択前に考慮したほうが良いと思います。
乖離は必ずしも下方になるとは限らないので、乖離した結果で良い成績になるというオチもありえます。ですが、成績がぶれること自体、インデックスファンドとしてはよろしくないですよね。
JPX日経400インデックスから商品を選ぶと
というわけで、もっとも低信託報酬で、もっとも高パフォーマンスだったのはiFree JPX日経400インデックスでした。他の商品は信託報酬の高さによるパフォーマンスの低下がみられるので、おすすめにはiFree JPX日経400インデックスだけを挙げておきます。
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まとめ
- JPX日経400インデックスは、企業の業績等に注目する。いわゆるスマートベータの1つ
- 期間中で最もパフォーマンスが良かったのは「iFree JPX日経400インデックス」。低コストなので、おそらく将来も他の類似ファンドを上回るはず
- ニッセイJPX日経400インデックスファンドは低コストなものの、ベンチマークのトラッキングに難がありそう。下方乖離に伴う利回りの低下には注意したい
ちなみに、本期間中は日経225系のファンドの成績が最も高く、JPX日経400が中間、TOPIXももっとも成績が低いといった結果になりました。JPX日経400はあまり話題になる指数ではないものの、日本株の投資信託を持つならポートフォリオに加えるのも一興だと思います。