つみたてNISAで国内株式に投資する際にチェックしたい商品が「ニッセイTOPIXインデックスファンド」です。
海外株式(先進国株式)がニッセイ外国株式インデックスファンドなら、国内株式はニッセイTOPIXインデックスファンドなんです。
この記事では、ニッセイTOPIXインデックスファンドの特徴と、混同しやすい類似ファンドとの違いを紹介。
また、乱数シミュレーションや過去の実績から求めた、将来の成績と下落幅の予想数値も併せて紹介します。
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<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドとは
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド(協会コード:29312154)は、ニッセイアセットマネジメントが運用する、つみたてNISA対応の投資信託です。
ニッセイTOPIXインデックスファンド | ニッセイアセットマネジメント
ニッセイTOPIXインデックスファンドは、低コストインデックスファンドシリーズ「購入・換金手数料なし」の1つで、TOPIX(東証株価指数)に連動します。
こだわりのインデックスファンド 購入・換金手数料なしシリーズ|投資信託のニッセイアセットマネジメント
東証株価指数(とうしょうかぶかしすう、英語: Tokyo stock price index、TOPIX(トピックス))とは、東京証券取引所第一部上場株式銘柄を対象として、同取引所が1秒毎に、算出・公表している株価指数である。日経平均株価と共に日本株のベンチマークとして普及している。
出典:東証株価指数 | wikipedia
信託報酬や純資産などの基本情報
情報は2018年4月30日現在(マザーファンドの純資産は2018年2月20日現在)。
購入手数料 | 0% (ノーロード) |
信託報酬 実質コスト |
0.17172% 0.203% |
信託財産留保額 | 0% |
換金手数料 | 0% |
運用期限 (償還日) |
無期限 (償還なし) |
基準価額 | ニッセイAM公式 モーニングスター |
純資産(ベビー) 純資産(マザー) |
168億円 523億円 |
SBI証券ランキング つみたてNISA 設定件数 |
8位 (2018年3月) |
マザーファンド「ニッセイ国内株式インデックスマザーファンド」は、<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)など、他の<購入・換金手数料なし>シリーズのほか、ニッセイ・インデックスパッケージシリーズやDCニッセイ国内株式インデックスシリーズと共有しています。
2018年2月時点のマザーファンドの純資産は約523億円と、ファンドの規模は十分です。
ニッセイTOPIXインデックスファンドは過去3回の決算では分配金実績はなく、おそらく今後も分配金は出さないはずです。
日経平均株価とTOPIXの違い
ニッセイTOPIXインデックスファンドの有用性を考える際に、確認しておきたいのはその投資先です。
そもそも、国内株式に投資を行う<購入・換金手数料なし>シリーズには、
- ニッセイTOPIXインデックスファンド
- ニッセイ日経平均インデックスファンド
- ニッセイJPX日経400インデックスファンド
の3種類があります。
また、なぜか<購入・換金手数料なし>シリーズではないものの、
- ニッセイ日経225インデックスファンド
も低コストのインデックスファンドで、実質<購入・換金手数料なし>シリーズのような商品です。
これらの4つのインデックスファンドは、いずれも国内株式を投資対象にしますが、その投資範囲が若干異なります。
以下は、各インデックスファンドが指標とする4つの指数(インデックス)を構成する銘柄数をまとめたものです。
指数 | 構成銘柄数 |
TOPIX | 2085 |
日経225 | 225 |
日経平均 | 225 |
JPX日経400 | 400 |
東証1部に上場する全銘柄から構成されるTOPIXは、2000銘柄以上から構成され、特に分散性が高い点が特徴です。
一方、日経225(と日経平均)は国内の代表的な企業225銘柄から構成され、特にファーストリテイリング(ユニクロ)やソフトバンク、ファナックなど、株価の高い特定企業の影響度が高いことも良く知られています。
つまり、国内株式に投資する投資信託を選ぶ際に、より分散性を重視するならニッセイTOPIXインデックスファンドを選べば良いです。
なお、JPX日経400は東証が定める投資魅力の高い400社を選定して算出した指数で、分散性はあまり高くはありません。
ニッセイ外国株式インデックスファンドと組み合わせると・・・
個人投資家の中には、
- ニッセイTOPIXインデックスファンド:国内株式に投資
- ニッセイ外国株式インデックスファンド:日本を除く先進国株式に投資
と、2つを組み合わせて保有される方もいらっしゃいます。
この2つを同時に保有すると、あなたのお金は日本国内の約2000の銘柄と、アメリカやEUなど先進国の1000を超える株式に同時に投資したことになります。
つまり、先進国の株式を全て網羅したのと同じ効果を得られるのです。
ニッセイ外国株式インデックスファンドは、2018年に入って、eMAXIS slim 先進国株式インデックスに信託報酬で負けていますので、
- ニッセイTOPIXインデックスファンド:国内株式に投資
- eMAXIS slim 先進国株式インデックス:日本を除く先進国株式に投資
という組み合わせのほうが少しお得です。
余談:つみたてNISA対象商品である「ニッセイTOPIXオープン」との違い
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドの名前の似た商品に「ニッセイTOPIXオープン」があります。
ニッセイTOPIXオープン | ニッセイアセットマネジメント
公式サイトには何やら運用成果を期待させるような文言が記載されており、ニッセイTOPIXオープンとニッセイTOPIXインデックスファンドとどちらが良いのだろうか?と迷われるかもしれません。
マザーファンドの運用は、ニッセイ基礎研究所※が独自に開発したモデルを利用します。なお、モデルについては継続的に評価、分析を行い、必要と判断した場合には、見直しを行うことがあります。
出典:ファンドの特色 | ニッセイTOPIXオープン|ニッセイアセットマネジメント
が、マザーファンド部分(ニッセイ国内株式インデックスマザーファンド)は、ニッセイTOPIXオープンとニッセイTOPIXインデックスファンドで共通で、両者の差はベビー部分の信託報酬程度しかありません。
商品 | 信託報酬 |
TOPIXオープン | 0.54% |
TOPIXインデックスF | 0.17172% |
さらにニッセイTOPIXオープンには0.3%の信託財産留保額が設定されていますので、コスト面でニッセイTOPIXインデックスファンドよりも劣ります。
ゆえに、特別な理由がない限り、ニッセイTOPIXオープンとニッセイTOPIXインデックスファンドでは、ニッセイTOPIXインデックスファンドをお選びください。
検証:20年後の運用成績を算出
乱数シミュレーション(モンテカルロ法)を用いて、20年間、毎月1万円ずつ積み立てた場合の予想成績を紹介します。
以下で述べる計算結果は、あなたの将来の運用成績を保証・約束するものではありません。
ニッセイTOPIXインデックスのリスクとリターン
ベンチマークであるTOPIX(配当込み)の過去20年間のデータを使います。
myINDEXによると、2018年4月30日時点で
- リターン:3.2%
- リスク:17.7%
です。
今回は信託報酬(0.17172%)を引き、
- リターン:3.02828%(3.2% – 0.17172%)
- リスク:17.7%
にて計算します。
計算結果:20年後の推定成績
計算回数 | 1,000回 |
運用年数 | 20年 |
総投資金額 | 240万円 (1万円 × 12ヶ月 × 20年) |
最高評価額 | 2,137万円 (+1,897万円) |
最低評価額 | 64万円 (-176万円) |
平均評価額 | 325万円 (+85万円) |
元本割れ回数 | 372回 |
元本割れ確率 | 37.2% |
20年後の成績は240万円の積み立てに対し、64万円~2,137万円と大きくばらつきました。
ただ、この結果は過去の数値に基づく乱数計算なので、単なる数字遊びとしてご覧ください。
ニッセイTOPIXインデックスファンドの「見込み最大損失額」
myINDEXのリスクとリターンを使って、ニッセイTOPIXインデックスファンドに投資した時に生じうる「見込み最大損失額」を算出しました。
これは、仮に1年間で「リーマンショック級の下落」を経験した際に、投資額のいくらを失うかを求めたものです。
過去のデータに基づく算出ですので、目安としてご覧ください。
リターン(%) | 3.02828 |
リスク(%) | 17.7 |
見込み最大損失額 (投資額の%) |
32 |
計算上、ニッセイTOPIXインデックスファンドは、1年間で投資額の32%の評価損を抱える可能性があります。
仮に100万円積み立て後に酷い相場を経験すると、1年後に68万円になっている計算です。
参考までに、2008年のリーマンショック時のリターンは-40.6%でした(myINDEXのデータベースによる)。
国内株式に投資する商品ですので、為替リスクはないものの、それでも値動きの大きい商品ですから、投資を始める際にはその程度の損失可能性も視野に検討なさってください。
つみたてNISAでニッセイTOPIXインデックスファンドを選ぶと同時に、個人向け国債のような低リスク商品への積み立てを平行するのも1つの案です。
ニッセイTOPIXインデックスファンドへの投資はオススメか
2018年4月30日現在、TOPIXに連動する投資信託のうち、ニッセイTOPIXインデックスファンドは最も低コストに運用できる商品です。
あなたが投資信託を通じて国内株式に投資を考えるなら、ニッセイTOPIXインデックスファンドはその筆頭候補になります。
人によっては株主優待銘柄を買ったりすることもあるでしょうから、その場合には敢えて国内株式に投資する投資信託は買わないと考える手もあります。
つみたてNISA以外に何か投資する予定はあるかどうかも考え、本商品を利用するかどうかをご検討ください。
ニッセイTOPIXインデックスファンドはどこで購入できる?
購入できる証券会社リスト
ニッセイTOPIXインデックスファンドは下記の金融機関にて購入できます。
- 今村証券
- エイチ・エス証券
- SBI証券
- 岡三オンライン証券
- auカブコム証券(旧:カブドットコム証券)
- GMOクリック証券
- 東海東京証券
- フィデリティ証券
- 松井証券
- マネックス証券
- 楽天証券
- 足利小山信用金庫
SBI証券で購入するとポイントが付くのでお得
SBI証券でニッセイTOPIXインデックスファンドを購入すると、投資信託の残高に応じてポイントが付与される「投信マイレージサービス」を利用できます。
仮に20年後の積立額が325万円になった場合、現行制度では1年間で年率0.05%のポイントをもらえますので、年間1,625ポイント(1,381円相当)付与されます。
このポイントは500ポイントから現金に交換できるほか、美味しい食べ物や他のポイントサービスとの交換などにも使えますので、他の証券会社で購入するよりもちょっぴりお得です。
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まとめ
- ニッセイTOPIXインデックスファンドは低コストで日本のTOPIX(東証株価指数)を構成する企業に投資できる商品
- TOPIXと日経225や日経平均トータルリターン・インデックスとの違いは、構成銘柄数(分散性)。TOPIXのほうが分散性が高い
- 株式へ投資する商品なので、1年間で投資額に3~4割を失う可能性もある。リスクが大きいと感じるなら、バランスファンドを選んだり、個人向け国債も活用して、ポートフォリオのバランスを取ろう
なお、ニッセイTOPIXインデックスファンドはSBI証券や楽天証券などのネット証券で販売しています。
SBI証券か楽天証券で購入すると、残高に応じてポイントがつくのでお得です。